中国24都市で反日デモ…当局の制御利かず


読売新聞 9月15日(土)11時24分配信


【北京=大木聖馬】日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化に抗議するデモが15日午前、北京、重慶、広州や、湖南省長沙、雲南省昆明など中国各地の少なくとも24都市で始まった。


北京の日本大使館前では約5000人が道路を占拠し、一部が武装警察官の制止を振り切って館内への突入を試みるなど、一部都市ではデモが暴徒化している


日本大使館前では15日午前8時半(日本時間同9時半)ごろからデモ参加者が集まり始め、大使館に卵や石などを投げつけた。


参加者は大使館前に設けられた鉄柵を突破しようとして、一時は当局の制御が利かない状態となった。


長沙でも、日系スーパー前に数千人が集結し、日本車を破壊するなどしている。


日本大使館によると、各地で邦人への被害の情報はない。


中国政府は、11日に外務省報道官が「日本の誤ったやり方に対する義憤は理解できる」と発言するなど、抗議デモを容認するかのような姿勢を見せている。


尖閣諸島周辺に監視船を派遣するなど国有化への対抗措置を繰り出すなか、デモも日本への圧力として利用する意向とみられる。


だが、デモが暴徒化して当局の制御が失われれば、全国に混乱が拡大する可能性もある。


インターネット上では、日曜日の16日と、1931年に満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日にあたる18日にも、計30都市以上で抗議デモが呼びかけられている。