地球(テラ)の旅立ち 3 出会いは必然 | イッピーの独り言

イッピーの独り言

ボクの名前はイッピー。わんこのビション・フリーゼです。ボクが見たことや聞いたことを書きたいと思います。少し不思議なお話もたくさん出てくるかもしれないけど、みんなが気に入ってくれるといいな。

みんな元気ですかラブラブ

 

ファルコンになった僕はセドナの森で

 

ひとりの少年と出会ったグッド!

 

少年は15歳くらいに見えた。

 

実際の年齢はわからない。

 

年の割にはたくましい筋肉と

 

つややかな褐色の皮膚。

 

何よりも気高さの宿るその表情には

 

高貴な家系の出自がうかがい知れる。

 

おそらく大きな部族の何代も続く

 

メディスンマンの家系だ。

 

僕は小高い岩場に坐って、あたたかな日差し

 

の中で森の息遣いをじっと聞いていた。

 

森には風や葉っぱや生き物が作り出す

 

いろんな音がある。

 

静寂の中ではその一つ一つがオーケストラの

 

パーツのように聞こえてくる。

 

そして全体が一つになると素晴らしい

 

音楽になる。

 

命の喜びの歌や友達を迎える歌。

 

その交響曲をじっと聞いてたら

 

ふっとあたりの気配に違和感を覚えた。

 

僕にはそれが人が近づいてくる気配だと

 

すぐに分かった。

 

その少年は僕がそこにいることを前から

 

わかっていたようにブッシュを分けて

 

近づいてきた。

 

そして怖がりもせずに僕に声をかけた。

 

「やあ、こんにちは。

 

僕の名前はラヒーリオだよ。

 

そこに一緒に座っていいかい?」

 

僕は少年がひとりで来たのがわかった。

 

そして答えた「もちろんだよ。

 

しばらくお話でもしていくかい?」

 

そして「僕が怖くないのかい」と聞くと、

 

彼は笑って「ちっともこわくないよ。

 

だって君はとてもやさしいファルコンだって

 

すぐにわかるもん」と答えた。

 

僕はそれが夢の中だって事はわかっていた

 

けど、だんだん現実との区別が曖昧に

 

なっていいった。

 

その不思議な魅力を持つ少年としばらく

 

お話をすることにした。

 

彼は自分の家族の事や、兄弟のこと。

 

そして今この森でイニシエーション最中

 

だって事などを誇らしげに話してくれた。

 

でも僕にはその修業自体が彼にはもう

 

必要ないほど彼がいろいろな経験を積み、

 

メディスンマンとしての知識を十分に

 

持っていることも分かった。

 

彼にはすでに鳥や動物の友達が沢山いた。

 

そして風や樹木と話をする方法も

 

知っていた。

 

だから森の中でひとりで生きていく事は

 

少年にとっては何でもないことだった。

 

食べ物はそんな友達が必要な時に必要なだけ

 

とれる場所を教えてくれるんだ。

 

何よりも彼は素直で謙虚だった。

 

だから大自然の友達はいつでも喜んで

 

少年の手助けをした。

 

彼は自分がホピ族のメディスンマンの

 

家系だということを教えてくれた。

 

セドナはプエブロ族が守っている。

 

ほかの部族は入れない事はないが遠慮する。

 

ホピとプエブロは戦いはしないが

 

あまり交流もない。

 

離れた土地にお互いが住んでいる。

 

でもお互いの部族に共通の交流を持つ

 

アナサジ族とは親しい。

 

だから彼はアナサジの仲介でこのセドナで

 

修業をすることになった。

 

イニシエーションの間は食べ物は捕るが

 

決して森そのものを荒らすことはない。

 

それはどの部族でも共通のルール。

 

もちろん自分の部族からの手厚い

 

贈りものも届けていた。

 

だから彼は快く受け入れてもらっていた。

 

ホピは平和を愛し、霊的世界を

 

追求する部族。

 

アナサジはずっと昔に戦うことをやめて

 

崖の横穴に住む部族。

 

日本語では「穴幸族」

 

高い崖の中腹なら敵に攻められても

 

戦いをしないで済むから。

 

プエブロは粘土を天日で乾燥させた煉瓦

 

で家を作る。

 

それぞれが全く違う生活様式と文化を

 

持っていた。

 

少年はしばらく話をしたあとに突然

 

僕に聞いた。

 

「君は日本から来たんだよね?」

 

「そうだけどなぜだい?」と僕。

 

少年はそれから思いがけない話を始めた。

 

彼の先祖ははるか昔にもともと

 

日本から来たこと。

 

と言ってもわずか5千年位前の事。

 

当時日本と樺太、ロシア、アラスカは

 

大航海をする必要もないほど島が

 

つながっていたこと。

 

今のアリューシャン列島は地続きだった。

 

その当時はアリューシャンはあたたかくて

 

広葉樹が沢山あったこと。

 

今でも地面を掘るとブナやナラの葉っぱが

 

大量に出てくる。

 

先祖はそこを歩いて渡って来たことを。

 

そして何よりも言葉の多くにその名残りが

 

あることを教えてくれた。

 

ホピ族は「保霊」(ホヒ)が名前の由来。

 

カナダのユーコン河は「雄渾なる川の流れ」

 

がその由来。

 

雁は渡り鳥で、ミシガン州は雁の通り道

 

だったこと(道雁)。

 

アナサジ族の名前は穴居生活をする人

 

と言う意味。

 

海幸山幸は漁業をする人、狩猟をする人の

 

意味だが、穴幸は穴に住む人”あなさち”の意。

 

・・・等々

 

ひとしきり話をすると少年は

 

「僕もう行かなきゃ。

 

君とお話が出来てとっても楽しかった。

 

イッピー、また会おうね」

 

って言って、来た時と同じように静かに

 

ブッシュを分けながら行ってしまった。

 

その時にそこにいた小動物や小鳥たちが

 

一斉に彼の後をついて行った。

 

僕も「ラヒーリオ、必ずまたね」って

 

小さな声で行った。

 

僕は知っている。その声が彼に届いた事を。

 

少年がブッシュの向こうから振り向いて

 

手を振ったような気がした。

 

その時には僕はなぜ少年がホピの言葉に

 

対応する日本語を知っていたのか

 

気がつかなかった。

 

続くよパー

 

 

イッピーの独り言

不思議な旅は始まった!!