2025年12月13日(土)

 

 成分が複素数のmn行列の成分を次のようにベクトルで表示すれば、それはmn次

元の複素ベクトル空間となる。

    (a_11,a_12,・・・,a_1n,a_21,・・・,a_2n,a_31,・・・・a_3n,・・・,

    a_m1,・・・,a_mn)

言わば、次のような写像Fを考えるわけである。この写像は、全単射となる。した

がって、逆写像F^(-1)も全単射となる。

   F: 行列A→複素ベクトル空間C^(mn)

 複素ベクトル空間C^(mn)に対していろいろなノルムを導入してノルム空間を構成

することができる。その複素ベクトル空間C^(mn)に対して導入されたノルムを、逆

写像F^(-1)

   F^(-1): 複素ベクトル空間C^(mn)→行列A

を用いて行列のノルムとして定義すれば、行列にノルムが定義できることがわか

る。

 以下、行列のいろいろなノルムを考えてみよう。なお、本文では行列Aはすべて

数行列を考えたが、複素行列Aでノルムを考えることができる。