2026年7月4日(土)

 

 1週間ほど経つであろうか、高等専門学校の卒業生に与えられる称号「準学士」を学位にする動きが検討されているという情報が入ってきた。

    高専の機能強化へ、学位授与を検討 専門人材育成目指す 文科省  

                                                                                                                    (毎日新聞)

 高等専門学校は中学校卒業者を対象に、5年間実験や実習を重視した専門教育を行う学校で、高度な技術者を養成する学校である。2024年4月で、国立高専51校、公立の高専3校、私立の高専4校の計58校ある。現在、約1万人程の生徒が学ぶ。

 現在、高専卒業者には「準学士」の称号が与えられている。これはあくまでも称号であって、学位でない。世界的に通用する「準学士(○○)」という学位を与えるという構想である。毎日新聞の記事にあるように、高専の機能強化の一環である。同じ卒業年度となる短期大学卒業生には、「短期大学士(○○)」という学位が与えられるのに対して、高専卒業者には称号しか与えられないという問題があった。

 

 学校教育法上の学位は、短期大学士・学士・修士・博士の4種類である。学位を与えることができるのは、

    大学  独立行政法人大学支援・学位授与機構

に限られる。もし高等専門学校の卒業生に学位である準学士が与えられるならば、高等専門学校は大学でない。従って、高専自体が自ら学位を与えることはできない。実際に学位をあたえるのは大学支援・学位授与機構となる。これは、大学支援・学位授与機構が防衛大学校・防衛医科大学校・気象大学校など各省庁設置の大学校に学位を与えているのと同じ形態になる。ただ、これらの大学校の卒業生は多くないが、高専の卒業者が1万人近くなる。大学支援・学位授与機構の事務が大変になるので、それに対応するための人員の増員、組織の改変は必須である。その体制の確立のためにも、数年かかるであろう。学校教育法の規制や大学支援・学位授与機構の諸規定の改正などの法整備を含めると、実際に高専卒業者に準学士のが学位が与えられるようになるには、時間を要することは事実である。早急に対応してほしいと思う。

 

 高専卒業者には、既に長岡科学技術大学や豊橋科学技術大学を設置して、大学への編入学を支援している。各大学への編入学も可能になっている。また、高専に1~2年生の専攻科を設置している。2年生の専攻科を卒業すると、大学支援・学位授与機構から学士を与えられる機会も設けられている。しかし、高専卒業生の進学はむしろ例外で、大部分の卒業生は企業に就職する。こうした高専卒業者のためにも、高専卒業者への学位授与は必要なことである。是非、実現にて欲しいものである。