2023年2月5日(月)

 

  一般に関数f(x)があって、f(x)上の点A(a,f(a))

  f'(a)が存在する ⇒  y-f(a)=f'(a)(x-a) 

は成立する。しかし、その

  点A(a,f(a))で接線を引くことができる ⇒ 点A(a,f(a))でf'(a)が存在する

は成立するだろうか?

 結論から言えば、逆は成立しないということになる。この定理の逆での反例が、本文で紹介したとおりである。

 このことは、微分可能性と接線の定義が必ずしも同一でないことを意味している。ライプ二ッツは

  接線の定義 「無限に近い二点を通る直線」

として現代的な定義を与えた。この意味では、本文の曲線のx=0での接線x=0は、やはり接線であろう。

 

(注意)

 本文1枚目の2つの図は、啓林館版の高橋洋一郎編『数学Ⅱ』の教科書に掲載されていたものを引用させていただいた。ただし、その教科書は旧課程のものである。ご了承していただきたい。