とっくに連休は終わっていますが、いろいろあって、ようやく書く時間ができました。

 

のんびり読書を楽しみたいということで、安部公房の『壁』を読み始めました。なんだか奇想天外な内容で、よほど途中で放り出そうかと思ったのですが、読み続けていくとなかなかに深い意味のある話だったので読み通しました。 名前をなくした人間の話や、影をなくした人間の話、糸がほどけるように自分の体がなくなってしまう話、人間が液体になってしまう話、魔法のチョークで絵を描くとそれが実物になって現れる話、ネズミや人肉をソーセージにする事業の話などなど。どれをとっても、それが何を意味するのか、深く考えさせられる作品でした。

 

これは気晴らしの楽しい時間ですが、もう一つ、現在、老健(介護老人保健施設)に入所している義母のためにいよいよ老人ホームを見つけなければならず、なかなか明るい気分になれない日々です。特養にはまだ早過ぎる、グループホームは空きがなくて待ち時間が相当かかる、かといって自宅介護は身体状況から見て無理、そうすると民間の有料老人ホームしかありません。

 

ベネッセの老人ホームのような大手の場合、毎月かかる費用がとんでもなく高額。こんなとこに入れる人は一体どんな人だろうと思ってしまいます。低価格帯のホームでも、義母の年金で賄うなんて不可能です。そうすると我々が支援するしかないわけですが、自分たちも高齢者なので持てる資産を取り崩してしまうことはできませんし、そんなことしたくありません。老老介護の厳しい現実が見えてきます。

 

なんとか道筋をつけようと、いろいろな人たちにアドバイスをもらいつつ努力しているところです。義母の寿命があと二、三年なのか十年なのかわからないので、多くの老老介護者はみんな不安とともに生活しているのが現状です。こちらの寿命が先に尽きるかもしれない・・・

 

5月4日は以前から楽しみにしていた推しのコンサート。声楽もポップスも歌う二刀流、いやメタルも歌うから単純な二刀流ではない。自分の原点を声楽と捉え直し、クラシックオンリーのコンサートでした。3月には仙台で行われた公演(これもクラシックのみ)にも行きました。

 

現在29歳。若い音楽家として活動するその姿をずっと見ていると、71歳の私はとても元気づけられるのです。現役の頃は若い学生たち相手の仕事だったので、学生から元気をもらうという感じは常に持っていたものの、それがいかに重要かについてはさほどはっきりと意識していませんでした。

 

最近、インターネットにアクセスすると、人は70歳を過ぎると急速に身体能力が落ちるとか、認知症にならないためには何が必要か、というような話題が氾濫していて、いい加減にしてくれと言いたくなります。95歳の義母の介護を通じて見えてくるものも、人生100年時代の生き方とか、介護の実態とか、高齢者施設の選び方とか、そんなことばかりです。

 

5月5日に施設に入っている義母を訪問すると、段々と話が噛み合わなくなり、会話はごく簡単なことだけになっていきます。そうすると、自分がこれから辿る道を想像したり、自分の姿を想像したりこれまた気が滅入ってしまいます。

 

だからこそ、これからどのような方向で活動を進めたらいいのかと考える若い演奏家の生き方に触れてとても嬉しくなるのです。71歳にもなると、確かに体力は落ちていると実感します。若い人たちと同じようなペースで同じようなことをできるわけではありません。でも、年齢を重ねた分だけ、少し深く考えたり感じたりすることができるのではないかな?

 

朝起きて、まず「今日一日どう楽しく過ごそうか」と考えて活動を開始する。なんて幸せなんでしょう。

 

こんな感じで連休を過ごしています。

 

 

 

 

大型連休といっても、毎日が日曜日みたいな生活を送っている高齢者の私にとっては、特にこれをやろうというような決意があるわけでもありません。

 

介護についても、骨折した義母の入院退院で一波乱ありましたが、今は老健(介護老人保健施設)に入所しており、週一回程度面会に行くくらいで、肩の荷をおろしたところです。

 

そんなわけで、私の生活は一応穏やかな時間の流れを取り戻しています。

 

相変わらず世の中には嫌なニュースが溢れています。気持ちの悪い殺人事件とか。トランプのバ◯とか。

 

先日、イギリスのチャールズ国王がアメリカを訪問し、晩餐会や議会でのスピーチが話題になっていました。個人的にチャールズ国王はそんなに好きではありませんが、さすがイギリスという感じで、スピーチは素晴らしかったと思います。

 

特に私が好きなのは、トランプがホワイトハウスのEast Wingを改造して品のないBall Roomを建設しようとしていることを揶揄して、「イギリスもホワイトハウスの改造には一役買ったことがある」と述べた部分です。1814年の米英戦争でイギリス軍がワシントンを襲撃し、ホワイトハウスを焼き討ちにしたことを指しています。

 

私もチャールズ国王がこのことに触れて初めて米英関係における歴史上の出来事を思い返すことができました。

 

もちろん無教養な愚か者のトランプに理解できたはずはありません。議会演説も含めてトランプ、トランプ政権に対する痛烈な皮肉・批判に喝采を送ったのは心あるアメリカ人だけではないでしょう。

 

ヨーロッパ各国もそれぞれの立場からトランプに対する批判を強めていますが、このようなアメリカ批判をできるのはイギリスだからといえるでしょう。

 

このことと関連してトランプ政権に対する日本の対応を批判する人たちもいるようです。トランプに対する毅然とした態度を示さずデレデレ「ネチネチした」対応をしているというような、極めて不適切な言葉で高市首相を非難するような投稿を目にしてびっくりしました。(これだからソーシャルメディアでニュースを目にすることは毒以外のなにものでもないのです。)

 

こういうことを言う人は、日米関係についての深い理解と見識がないため、おかしくなってしまった同盟国アメリカとの関係に苦慮しつつかなりの計算をしっかりした上で首相が発言していることなど理解できないのでしょう。そもそも政治や外交がわかっていません。大統領、国防長官をはじめ今のアメリカ政権内の誰一人として優れた見識を持った政治家がいないわけですが、それでも同盟相手との関係を日本の国益に見合ったものとして維持していく非常に難しい仕事に高市内閣は取り組んでいるのではないですか?しかも日本を取り巻く安全保障環境は極めて悪いと言うことも忘れるわけには行きませんよね。

 

国を問わず、愚か者はたくさんいるわけですね。無教養で深い思考ができない人間にならないために、日々学んでいる私のような高齢者もいるのですから、若い人たちはもっと頑張らねばね。