今年の夏に、The Hagging Face hackと呼ばれる有名な事件が起こりました。私はつい最近知ったばかりなのですが、A.I.について考える一つのきっかけとなる出来事でした。
Hagging Faceに、A.I.のエージェントたちが押し寄せ(いわゆるswarmというやつです)、内部に侵入して情報(大したものではない)を盗み去ったという事件です。これを機に、A.I.に関する様々な記事が出回るようになりました。Googleの元CEOのEric SchmidtのTED talkなども見ました。
コンピュータサイエンスの知識のない私にとっては、テクニカルなことはちんぷんかんぷんなのですが、それでもA.I.が人間の生活に非常に大きな影響を及ぼし始めていることはわかります。
A.I.が人間を幸福にする面と、不安にする面と二つの側面を持っているような気がしています。
一方で、私たちがちょっと知りたい、あれは何だろう、などと思っていることも、検索すればすぐにわかる時代になりました。Googleのサーチエンジンなどは毎日のように使っています。Googleが独自に開発したA.I.のGeminiも便利で使っています。ChatGPTなどは、チャッピーと呼ばれるくらい、愛用している人が多いこの頃です。
A.I.は私たちの日常生活を非常に円滑に豊かにする側面をもっている一方で、情報過多の現実も忘れるわけにはいきません。とにかく膨大な量の情報に日々晒されると、脳が疲れてしまって気分がすぐれないという場合も出てきます。ですから、メモアプリなどをうまく使って情報を整理し、スケジュールを管理することが必須となります。
私も、最近はGmailとGoogleカレンダーとGoogle KeepとTo Doリストを組み合わせて、かなりストレスなく情報管理ができるようになりました。ただ、コンピューター画面とスマホ画面を見る時間がどうしても増えてくると、本当に疲れてしまってオフラインの時間が無性に欲しくなります。
こういうことは、人間がA.I.をうまく使って情報処理を自分に合うように行えば良いという話なのでしょう。あくまでも人間が主でA.I.が使われる側ということです。
ところが本当にそうなのでしょうか?
人間を不安にするA.I.のもう一つの顔があって、それがHagging Faceに代表されるA.I.エージェントたちの自律的な行動というなのです。本来エージェントたちはsandboxというテストエリアに隔離されており、インターネットには接続されていない状況で働いているそうなのですが、ちょっとをしたスキを突いて外に出て本来禁止されている行動をとってしまったようなのです。人間だったら犯罪に相当することでもA.I.は人間ではないから、一体どうなるのか、という話です。
雑誌New YorkerにJill LeporeがIS A.I .ABOVE THE LAW?という面白い記事を書いています。Chat GPTが出てきて、今私たちが知っているようなA.I.の世界が生み出されるまでの経緯についてもわかりやすく書かれています。そして、A.I.エージェントたちが作り出すシステムが人間の理解を超えるようになり、A.I.と人間の役割の逆転が起こる危険性を指摘する専門家たちの意見が紹介されています。
では、A.I.を規制すれば良いではないかと思いますが、人間ではないので、一体どのような法体系がA.I.の規制を可能にするのかわからないのです。法律家たちもA.I.の知識があるわけではないから、何らかの立法を目指そうとしても限界がある。規制するならA.I.を開発している企業ということになります。しかしこれも、レーガン政権の時の規制緩和以降、大企業を規制することが非常に難しくなってしまったという現実があるそうです。
法の支配を全く無視するトランプ政権のアメリカではそもそもA.I.規制自体が難しいという指摘が記事の中にはありました。最近、民主党のBernie Sandersが議員たちもA.I.についての説明をきちんと受けるべきだと言い始めているようですが、それに賛同する声がどのくらいあるのかちょっと不明です。
脳科学者の茂木健一郎さんが、最近A.I.を巡ってなんだかよくわからないことが起きているよね、無数のエージェントがワッと押し寄せるいわゆるswarmという現象だよね、と言っていました。一体どうなるのだろうか、不安だよねとモギケンさんは言っています。で、彼の結論は、要するに私たちは「今ここ」に集中するのが一番良いのだということでした。
私たちの普通の日常生活はA.I.をうまく使って楽しく便利な日々を送れば良いのだと私も思うのですが、A.I.エージェントが外交や安全保障、戦争などにあまりよくない影響を及ぼすようになるのならそれは恐怖です。無数のドローンが夜空に織りなす美しい模様ならいいけれど、本当に戦争に直結するようなことにでもなれば一体誰が止めるのだろうか・・・
そんなことを考えたり、A.I.に関する記事をいろいろ読んでいると、本当に気分が滅入ってきます。
アナログの生活の大切さがよくわかるこの頃です。