アメリカとイスラエルによるイラン攻撃については、ヨーロッパ各国やアメリカ国内の反応がいろいろと伝えられています。
なんて愚かなことをやるのかということをひとまず横に置いておいて、最初から理解できなかったことは、これによって何を達成したいのかということです。
イランの核保有をストップすること、とか、イラン国民のためにハメネイの残虐な統治をおわらせるとか、そういうことが挙げられそうです。ハメネイを取り除けばその後に国民が立ち上がって新しい民主体制が構築されるはずだというのですが、そんなことが起こるのでしょうか。イラク戦争の時にラムズフェルド国防長官も同じようなことを言っていましたよね。でもそんなことは起こらなかった。
アメリカがイスラエルのネタニヤフの口車に乗せられて攻撃に出たというのがもっぱらの見方で、私も同感です。イスラエルはこういうことをしていると、もう誰からも相手にされなくなるのではないでしょうか。
イランによる報復攻撃がなされて、中東地域は混乱状態です。イランによるホルムズ海峡の封鎖、原油価格の上昇、各国の国内の物価への影響も考えられる、物価高対策を打ち出している日本の政策も大きなダメージを受けるのではないか。アメリカの同盟国はどこも自国民の保護のために緊急対策を打ち出したりしています。
高市首相は、予定されている訪米でトランプ大統領とイラン問題について率直な意見交換をすると述べていますが、率直にどのようなことをアメリカに言うのか知りたいところです。
面と向かってトランプを非難している同盟国はいないようです。カナダのMark Carney首相は直後の声明の中で、カナダはアメリカのイラン攻撃を支持すると言っていますが、その理由としてあげているのは、これまでの外交努力では核開発を食い止めるためのある種の成功は見られたが包括的な成功とは言えなかったことです。そして、今回の攻撃は深刻なエスカレーションだと述べています。面と向かってトランプを非難するのではなく、非常に抑制の効いた思慮深い反応を見せたと言うべきでしょうか。
英独仏は共同声明を発表し、我々はこの攻撃に一切関与していないと強く述べ、イランに対して交渉による解決を呼びかけています。日本外務省は、イランの核開発は許されないこと、邦人の安全確保が第一、外交での解決がベストであること、などを挙げています。記者会見でアメリカの行動に対する支持・不支持について尋ねられると、まずは情報収集を行っているところだと答えています。
すでに述べたように、この攻撃で国際政治は混乱し、原油市場も影響を受け、各国の経済に影響を及ぼしかねません。私個人は、これだけでもなんて事してくれたんだと怒ってもいいんじゃないかと思っています。でも誰もそう言うことを表立っては言っていないように見えます。なぜでしょうね。
そうこうするうちに、いろんな見方が次々と出てきて、さっき目にしたのは、トランプは非常に戦略的に考えて今回の攻撃を行なったのだというある人の意見です。ちょっとびっくりしました。トランプが戦略的???その理由として、その人があげたのは、ベネズエラのMaduro
を追い落としたのも、今回のイラン攻撃も、念頭にあるのは中国だというのです。中国がベネズエラから原油を買えない、イランからも原油を買えないとなると、台湾併合の軍事作戦を支える原油がないことになる、トランプは中国を念頭において行動したのであって、極めて戦略的だと言うわけです。
なんだかおかしな理屈です。百歩譲って、中国が原油を買えなくなったことで台湾に対する軍事作戦を諦めざるを得ないとしても、それは結果であって、あのトランプがそんなことを最初から狙ってイラン攻撃を断行したなんてあり得ないのではないでしょうか。それにそもそも中国が台湾侵攻を思いとどまることとアメリアによるイラン攻撃との間に因果関係などあるのでしょうか。トランプを戦略的だと捉えるのはとなでもない勘違いのような気がしますが。
そもそも中東でアメリカの国益が脅かされて、何もしなければ大変なことになると言うような状況なんでしょうか?国家安全保障に関するブリーフィングを受けた議員たちは「説明を聞いてもアメリカの国益が脅かされているとはとても思えなかった」と口々に言っています。それなのにイランを攻撃したとなると、それはwar of necessityではなくてwar of choiceということになります。しかも議会の承認なしに戦争を始めたことになり、憲法にも反しています。
一体、トランプは何を達成するために戦争を始めたのでしょうね??説明がつきません。