今日から9月です。9月といえば新学期という連想になりますか?暑い夏も終わっていよいよ秋、というにはまだまだ暑くて秋という気分ではありません。でも少しずつ秋に向かっていく気配は感じます。

 

ニューヨーク・タイムズに、Do you Have a Case of the September Scaries?という記事があったので、読んでみました。

 

1月は一年の始まりだから月曜日のようなもので夏は週末みたいなものだとすると、6月は金曜日、7月は土曜日、そして8月はlazy, delicious, fretful Sundayだという表現が目につきました。こんな風に考えたことがなかったので、とても新鮮に感じます。

 

夏はアイスクリームの季節でありビーチを楽しむもの。それに対して、9月は自分が背負っている様々な責任と現実の世界を意味すると言います。なるほど、そう言われてみればそうですね。恐怖の9月なのです。

 

夏季休暇が終わって仕事に戻らなくてはならなかったり、夏休みが終わって新学期が始まったりすると、一挙にストレスが上昇します。

 

学校ということで言えば、Back to Schoolのセールが始まって、みんなノートやその他の文房具を揃えるために大学生協やWalmartやTargetに買い物に行く時期なのです。Labor Day Weekendが終わると本格的にいろんなことが始まります。この季節の移り変わりにうまく対応しないと、メンタルが不安定になってしまうので、注意が必要だというのが記事の内容でした。新学期の準備をするにも、直前になって一気にやろうとしないで、余裕を持って始め、午前中にノートを買いに行った日の午後はプールで泳ぐというように、少しずつ移行していくことが鍵だというような心理学者達の提言も書かれていました。

 

私の経験で言えば、夏休みが終わりに近づくと確かに憂鬱になりました。小中高は、休み明けに友達に再会できるから嬉しいという人もいるでしょうけれど、私はあまりそういうふうに感じなくて、また毎日勉強が始まるなあ、嫌だなあ、という気持ちの方が強かったです。大学の学部や大学院の時は、夏休みの間にたくさん本を読んだり研究を進めておこうと思っていたのに、それができなくて憂鬱でした。夏から秋へのトランジションがあまり楽しいものでなかったことだけは確かです。

 

教員になってからは、新学期が始まると怒涛のようにいろんな業務が降りかかってくるので憂鬱でした。退職後はそういうことがなくなったので、夏バテとか体調不良がもっぱらの懸念事項です。仕事のことではなくて、自分自身の健康や生活のあり方がとても大切に思えてきます。

 

そういえば、その昔、うちの家族がUC Berkeleyで一年間教えることがあって、Berkeleyでの生活基盤を整えていたときに、テレビがないからテレビを買いに行こうといって出かけたことがあります。最初の授業までにはまだ日数があると思ったのが大間違い、テレビを買いに行った日が最初の授業日だったことが判明して大いに焦りました。そんなことをふと思い出しています。学生達は新学期に備えて準備しているのに、教師の方はすっかり忘れてテレビを買いに行くなんて、なんとも面白い話だと思いませんか?