ノルマンディー上陸作戦から80周年を迎え、フランスで式典が開催されました。80周年ということは、生存している退役軍人たちは一体何歳になったのでしょう?100歳近いはずです。

 

バイデン大統領も参加し、ウクライナのゼレンスキー大統領も参加しました。両者の会談も行われたようです。アメリカはウクライナに対する$225 millionにのぼる軍事援助を行うとのことです。ゼレンスキー大統領は近々開催されるG7サミットにも参加する予定とのことです。ロシアに対する制裁によって凍結された$50billionの資産をウクライナのために用いる案については、なかなか合意が得られないと報じられていますが、それがどうなるのか。

 

6月3日のニューヨークタイムズに、What Ukraine Has Lost During Russia's Invasionという記事があります。そこに示されている写真やデータは、一つの国がこれだけのダメージを受けてなお存在し続けていることの驚き、その惨状の生々しさを伝えてあまりあります。どうやったらウクライナは勝てるのか。どんなに勝算が少なくても、なんとか持ちこたえて良い結果に到達できるのか。最終的にどこに辿り着くことがウクライナにとって受け入れられるプランなのか。

 

西側の軍事援助が不可欠であることは言うまでもありませんが、ゼレンスキー大統領の望むような援助になっていないこと、それへのフラストレーションが伝えられています。ニューヨークタイムズがゼレンスキー大統領にインタビューを行い、その内容が5月21日付で報道されています。(" `What's the problem?' Zelensky challenges West over hesitations")

 

ゼレンスキーが望むものとは、ウクライナ上空に飛んでくるロシアのミサイルを撃ち落とすこと、そのための武器が欲しいこと、そしてアメリカの武器を用いて国境にいるロシア軍を攻撃すること。西側が提供する武器でロシア領内の軍事拠点を攻撃すること。これらはいずれも防御であり何の問題もないはずだと言うのです。それなのに、なぜ躊躇するのか、ゼレンスキー大統領のフラストレーションは頂点に達しています。日本が好きな専守防衛とは、こう言うことを指しているのだと思います。

 

プーチンが核兵器を使用するのではないか、とか、ロシアとの経済関係を壊したくないとか、そういう思惑が西側の躊躇の背景にあるとゼレンスキー大統領は指摘しています。核兵器については、そんな脅しを実際に行動に移したらプーチン自身が破滅への道を歩むことに他ならないし、経済関係や外交関係を維持しておきたいという考えについては、みんなロシアに対して少しだけ扉を開けておきたいのだと指摘しています。

 

実は日本に対してもプーチンは領土問題に進展をもたらしたいなら、ウクライナについての態度を変えろと言っています。とんでもない話で、日本はいくら領土問題が大事でも、ウクライナ支持について絶対に譲歩してはいけないと私は思います。

 

ウクライナに対する戦争というけれど、まともな大国なら決して行うことのないテロ行為をプーチンは続けているのだと指摘する専門家もいます。プーチンが大きな顔をしてのうのうと生きていることがどうして許容されているのか、みんなフラストレーションを感じないのかな。

 

そんなバカなことが、と思うようなことがまかり通ってしまう政治の世界に時として絶望してしまいますが、それは敵の思う壺なので、なんとか敵の思うように絶対にさせない方策を編み出さないといけないと思うのです。