今朝ニューヨークタイムズを読んでいたら、アメリカのコロンビア大学で学生たちによる反イスラエルの抗議運動が激しくなっているという記事を見つけました。とうとう大学当局が警察を呼び込み、過激な学生活動家たちを拘束するという事態になったようです。

 

Gazaにおけるイスラエルの軍事行動はアメリカでの反イスラエルを広範に引き起こし、民主党支持者の間でもバイデン大統領に対する批判が強まっていると言います。

 

コロンビア大学の学長による今回の警察導入は、教授陣の中からも批判がでているとのことです。他方で、教授の中にも過激な反イスラエルの言動に否定的な見方もあるそうです。言論の自由といえども、何を言っても言いわけではないですから。

 

こうなるとキャンパスは非常に荒れた状態になってしまいます。これから学期末や卒業式などもあるというのに。

 

こうした記事を読んでいて、ふと自分が中学生の時にテレビで見た光景を思い出しました。当時、学生運動が激しくなって東大の安田講堂に活動家が立て篭もり、機動隊が導入されて排除された時の光景です。安田講堂は私の友達の内田くんのおじいちゃんが設計したものなのに、立てこもってめちゃくちゃにするとは何事だと怒りを感じましたね。キャンパスは大荒れ、一体大学というところはこれからどうなるんだろうと、中学生の私は思ったものです。

 

さて、イスラエルですが、シリアのイラン大使館施設への攻撃でアメリカをはじめ世界がびっくり仰天したのも束の間、イランによる報復攻撃がイスラエル本土に対してなされ、さらにイスラエルがそれへの反撃をイラン本土に対して行うというエスカレーションが生じています。これまで相手の本土への攻撃は控えていた両国が、そこから逸脱しはじめたことで、この先のエスカレーションを大いに憂う専門家もいます。

 

ただ、David Sanger氏のニューヨークタイムズの記事によれば、イスラエルのイランへの反撃は、核施設に対するものではなく、また、攻撃の仕方もよく計算された限定的なものであったと言います。この記事(Israel's Strike on Iran)は非常によく書かれていると思いました。

 

イスラエルの目的は、イランの防空網をすり抜けて攻撃を実行できる能力を示すことであり、攻撃に用いたミサイルなども最新の兵器であることをイラン側に伝えることにあるとの専門家の見解を報じています。イランがこの点を認識すれば、更なる反撃をすれば、イスラエルの次なるイラン攻撃がどのようなものになるかが容易に想像がつくわけだから、そんな愚かなことをするはずがない、だからエスカレーションは起こらないかもしれないと考える専門家もいるようです。

 

果たしてどうなるのかわかりませんが、この記事はその辺りのことをよく取材し、議論が組み立てられていて、非常に良いと思いました。David Sangerさんは優れたジャーナリストです。