ウォン・カーウァイのドラマだと信じて見ていたら | メルボルン生活日記

メルボルン生活日記

約1年間の香港生活の後、2014年10月に豪・メルボルンへ移住。マイペースで暮らしを楽しむ私と夫の生活を日記風に綴ります。

ある日のこと。

 

夫:ウォン・カーウァイが中国でドラマを手がけたんだって

 

たしかウォン・カーウァイは有名な香港の映画監督だった、と思いつつ、

 

私:ウォン・カーウァイがドラマなんてめずらしいね

 

夫:そのドラマが大当たりしたらしくてね、ドラマの舞台になった場所へ人が大勢押し寄せているんだって

 

私:へえ

 

最近夫は中国の話題が大好きだよなあ、と思いつつ私もスマホで「ウォン・カーウァイ 中国ドラマ」を検索している。

 

日本語記事が見つかり、ウォン・カーウァイ初のドラマ作品で、1990年代の上海が舞台のストーリーであるということをざっくりと把握する。このときに、あらすじを読み込んでおけば、以下のことは起こらなかった(笑)

 

夫:YouTubeにアップされてたから、見てみようよ。全30話だよ。

 

私:30話かー。長いね。

 

中国ドラマはたいてい長いのだ。毎日放映しているのだろう。

 

ウォン・カーウァイの、しかも新作ぽいけど、YouTubeで視聴できてしまうのかしらと思いつつ第1話を見はじめる。

 

田舎に住んでいる女の子が家族に黙って家出して、ファッション雑誌の編集者になることを夢見て都会に出てくる展開である。その先々でトラブルに合いながらも、シェアハウスの住人に同情されて住まいを確保してしまう明るい女の子が主人公のようだ。コメディータッチのトレンディドラマのような仕様である。

 

ん?ウォン・カーウァイって、こういう演出する人だったっけ?

 

私「これほんとにウォン・カーウァイのドラマなのかなあ」

夫「そうだよ!タイトルが合っているもん」

 

たしかに、YouTubeサイト画面上のタイトルには「Shanghai Blossom」とあるから、そうなのだろうと思いつつも、違和感がぬぐえない。

 

第1話を見終わり、

夫も私も「???」と

疑問符がたくさん出てきたものの、ウォン・カーウァイ、どうしたんだ、心境の変化か、もう年なのか(大変失礼)と、このような演出に転換した理由を推し量ろうとする。

 

夫:第2話も見る?

私:うーん、特に見なくてもいいかな

夫:第2話から展開が突然変わるかもしれないよ

 

ウォン・カーウァイ作品を信じたい一心の様子の夫である。

 

気乗りしない私も第2話を見はじめるが、展開は相変わらずコメディタッチ。
 
そういえば、ドラマは1990年代のストーリーと書いてあったなと思い出し、このドラマのストーリー設定が1990年代と一致しているかを確認しようとしてみる。
 
ドラマのオフィスシーンでノートブックパソコンの壁紙がWindows8のデフォルト壁紙だったことを夫に言うと、
 
夫:Windows8は2000年代以降だよ。1990年代にはそこまでパソコンは普及していない。
 
この1点でもうわかりそうなものだったが、夫はまだウォン・カーウァイ作品だと信じているようだ。
 
第2話終了後、もう一度スマホで検索し、今度はあらすじをしっかり読むと。
 
全然ストーリー違うやんけ
 
結論をいうと、私たちがウォン・カーウァイのドラマだと信じて視聴したのは、2011年制作のまったく別のドラマであった。サイトのタイトルにはウォン・カーウァイ作品と同じ名前が使われ、中身はまったく別の作品がアップロードされていたのだった。ただで視聴しようとすると、こういうことになるのである。うっかり全30話見てしまうところだったわー。
 
♪久々の夫のおもしろカン違い♪