ある日のこと。
夫:ウォン・カーウァイが中国でドラマを手がけたんだって
たしかウォン・カーウァイは有名な香港の映画監督だった、と思いつつ、
私:ウォン・カーウァイがドラマなんてめずらしいね
夫:そのドラマが大当たりしたらしくてね、ドラマの舞台になった場所へ人が大勢押し寄せているんだって
私:へえ
最近夫は中国の話題が大好きだよなあ、と思いつつ私もスマホで「ウォン・カーウァイ 中国ドラマ」を検索している。
日本語記事が見つかり、ウォン・カーウァイ初のドラマ作品で、1990年代の上海が舞台のストーリーであるということをざっくりと把握する。このときに、あらすじを読み込んでおけば、以下のことは起こらなかった(笑)
夫:YouTubeにアップされてたから、見てみようよ。全30話だよ。
私:30話かー。長いね。
中国ドラマはたいてい長いのだ。毎日放映しているのだろう。
ウォン・カーウァイの、しかも新作ぽいけど、YouTubeで視聴できてしまうのかしらと思いつつ第1話を見はじめる。
田舎に住んでいる女の子が家族に黙って家出して、ファッション雑誌の編集者になることを夢見て都会に出てくる展開である。その先々でトラブルに合いながらも、シェアハウスの住人に同情されて住まいを確保してしまう明るい女の子が主人公のようだ。コメディータッチのトレンディドラマのような仕様である。
ん?ウォン・カーウァイって、こういう演出する人だったっけ?
私「これほんとにウォン・カーウァイのドラマなのかなあ」
夫「そうだよ!タイトルが合っているもん」
たしかに、YouTubeサイト画面上のタイトルには「Shanghai Blossom」とあるから、そうなのだろうと思いつつも、違和感がぬぐえない。
第1話を見終わり、
夫も私も「???」と
疑問符がたくさん出てきたものの、ウォン・カーウァイ、どうしたんだ、心境の変化か、もう年なのか(大変失礼)と、このような演出に転換した理由を推し量ろうとする。
夫:第2話も見る?
私:うーん、特に見なくてもいいかな
夫:第2話から展開が突然変わるかもしれないよ
ウォン・カーウァイ作品を信じたい一心の様子の夫である。