スーパーで道案内をする | メルボルン生活日記

メルボルン生活日記

約1年間の香港生活の後、2014年10月に豪・メルボルンへ移住。マイペースで暮らしを楽しむ私と夫の生活を日記風に綴ります。

スーパーマーケットで買い物をしていたら、おじいさんに声をかけられた。かなり高齢で、足取りもおぼつかず、スムーズに話すのにも苦労している。この日店内で同伴者といるところを何度かすれ違ったので、どうしたんだ、はぐれたのかと一瞬思ったが、「スモールグリーンチリはどこにありますか」と言う。

 

「フレッシュベジタブルのチリですか?」などと聞き取りしているところへ、同伴者の息子らしき中年男性が近寄ってきた。

この息子氏がまたのーんびりした感じで、英語がわかっているのかわかっていないのかよくわからない。

 

彼らの訴えにより要望は「小さいグリーンチリを1本だけ買いたい」とわかった。しかし、声をかけられたのは冷凍食品セクション。別の人に聞いて「フレッシュフード」と言われたのを「フローズンフード」と勘違いしたのだろうか。息子氏も頼りない感じだったので、行きがかり上、階下のフレッシュフード売り場へ連れて行くことにした。

 

ふたりはおじいさんの歩調に合わせてスローペースで後を追いてくるので、 一足先にエスカレーターを降りて売り場を探しておくことに。息子氏の外見はインド人ぽいから、「今晩のディナーはカレーであるな」とわかりやすい推測をしながらチリ売り場を確認し、エスカレーターの出口付近に目をやるが、ふたりの姿が見えない。あれ~消えた?と辺りを探し、パプリカ売り場でミニパプリカを検証中(チリではありません)の現場を押さえ、ふたりをミニパプリカからひっぺがしてチリ売り場へと誘導する。

 

売り場にあったハラペーニョと書かれた緑色のチリを指差して、「これですか?」と聞くと、息子氏が突然シャキッとして、「これはダメー!甘すぎる!」とハキハキと却下。もう1種類のグリーンチリと書かれた箱は空っぽだったので、希望の品が見つからなかったのであった。おじいさんは状況の把握に時間がかかっているようで、息子氏と話し合いの最中であったが、わたしはこのへんでお役目終了~ と、ふたりを置いてフェードアウトしたのであった。

 

同じことは続くもので。

別の日、別のスーパーマーケットで、突然男性にスマホ画面を見せられた。画面上に中国語、下に英語の訳文があり、「塩、ビール、マスタードはどこにありますか」と書かれている。英語が全く通じないようだったがかまわず「ビールはこの店にはないんですよ~」と話しながら塩のコーナーへ連れていくと、そこで息子と合流。今度もまた父と息子の二人組であった。

 

息子くんは少し英語を話したので、スーパーマーケットではアルコールを販売していないと説明し、すぐ外にあるリカーショップかアジアングロサリーで買えるよと教えた。息子くん(推定18歳)は理解が難しかったのか、素直に「Google Mapで探してみます」と澄んだ瞳で答えてくる。あれ~説明が下手だったか、とわたしもむきになって「この店の出口のすぐそばにあるよ。出たら目の前にあるのよ」とたたみかける。一見素直な純朴少年にわたしは弱い。なんなら出入り口まで連れて行って、指差して見せてあげようかと考えるが、おせっかいおばさんと思われそうなのでこらえる。

 

塩はゲットしたので次にマスタードの場所へ案内すると、ふたりは微妙な反応。ん?ということは「えーと、チャイニーズマスタードでしたか?」

と言ったそばから頭の中には、チャイニーズマスタードなんてもんあるのか?と疑問符が浮かんでいる。すると息子くんが「ジャパニーズマスタード」と答えたので、ああ、辛子!と合点がいき、アジア食品売り場へ移動。しかし、練り辛子は扱っていないらしく見つからない。ないみたい、と言おうとしたら、あったあったと、息子くんが「練りわさび」を買い物かごに入れた。あーわさびのことだったのね。

 

これからオーストラリアで留学生活を送る息子と付き添いで来たお父さん、といった風情のふたりを残し、「晩酌はサーモン刺身とビールであるな」などと想像しながら店を後にしたのであった。

 

 

♪私はスーパーの店員ではありません♪