バンズ・ヴィジット東京公演を3公演観劇しました。
はあ〜〜余韻に浸る日々です
3回見て3回とも違う感情になりました。こんな作品初めて
2月13日マチネ
辛かった…辛くて辛くて涙が止まらなかった。ディナとトゥフィークのベンチでのシーンからラストまで涙が止まらなかった
登場人物の閉塞感に共感してしまい、ぐるぐると回るセットがより閉塞感を増幅させてるようでどんどん内側に気持ちが入っていってすごく辛かった
私が女性である事、何もない田舎出身である事、ワンオペ育児だった事、ディナとイリスの気持ちが実感としてわかるのでほんと辛かった
特にディナの閉塞感や哀しさに共感。登場する女性の中で一番年が近いのもあり、年齢を重ねてこれから先の人生が見えている感じ。音楽隊の人達と出会って触れ合った事は楽しかった出来事だろうけどだからといって日常に変化は無く…逆に少し変化があった事が変化のない日常を繰り返すとより切なくなりそうで…
イリスは自分だけが働き子どもの世話をし、イツィックは頼りないから私がやらなきゃって自分で自分を追い込んで視野が狭くなってイライラしてる。♪待ってる♪の歌の時、イツィックはイリスが帰るまで赤ちゃんをあやしてちゃんと面倒見てるんですよ。でもイリスは家に帰ったらすぐに赤ちゃんを抱き上げる。ちょっとでも気持ちに余裕があればわかる事も見えなくなってしまう感じ、イリスーわかるよーすごくわかる
いっぱいいっぱいだったイリスがシモンが赤ちゃんを寝かしつけたのを見ていろんな気持ちが溢れ出しちゃって号泣してしまう。イリスーわかるよーすごくわかる
一方、イツィックの子守唄が切なくて😭イツィックの背中をトントンしてあげたかった。イリスにどうしたら良いのかわからず、何も与えられない自分のせいだと思っているイツィック。透明感ある歌声でイツィックの気持ちがすごく伝わって切ない
この辛さは映画を見た時には感じなかった。目の前で役者さん達が演じるのって受け取るものの大きさが全く違う。当たり前のことだけど…。演劇の力、音楽の力をすごく感じました
13日ソワレ
ソワレは矢崎広さん、渡辺大輔さん、岸祐二さんのアフトクをとても楽しみにしていました
マチネで一回辛さを感じていて良かった。初見で辛い気持ちからのアフトクは気持ちが切り替えられなかったかも
マチソワ間でファン友さんとお話しをしたり反芻しているうちに辛かった所だけでなく前向きになった気持ちがじわじわと湧いてきました
イツィックとイリスは気持ちがいつの間にかすれ違ってたけどお互いを見つめ合う事ができて良かったな。2人とも間違ってはいないのよ、それに気付けたかな。
とはいえこれからもイリスはイライラし、イツィックはオロオロし、ぶつかりながら生活していくだろうけど、、ま、夫婦とはそんなもんです笑
トゥフィークが家族のことをディナに話すんですが、2度と会わない人だからこそ話せたと思うので話す事によってトゥフィークの気持ちが少しでも癒されたのなら良いな。家族を亡くした過去を負うトゥフィークがディナの心を救おうと言う『許す』。どちらが良い悪いではなくディナを救おうと発した言葉の重さは自分にも向けて発しているようでずしんときました。でも辛いよりも2人の気持ちが少しでも救われますように、という思いが強かったです
パピ達若者は輝く未来に一歩も二歩も踏み出して、若いって良いなと私おばちゃんは若者達が眩しかったです
などなど辛さでいっぱいになっていた私の心がじんわりとほぐれるソワレでした。皆閉塞感や悲しみを抱えているけどこれからの人生もいろいろあるでしょうがみんな幸せになってねと涙が止まらなかった
アフトクはヴェローナな3人でMCは矢崎さん。ロミジュリのアフトク回ではマイクを置いてニコニコしていて大ちゃんにお前も喋ろと言われていた矢崎さんがMCとは、感慨深かったです笑
14日マチネ
前日の舞台を思いじんわりと温かい気持ちの朝でした。13日マチネ観劇後はあんなに辛かったのに
東京ではラスト観劇のこの回
盆が最初は左回りでぐるぐると同じところを回っているけどラストは右回りになるのにじーーん。同じところを回っているけど昨日とは違う、小石が水の流れをちょっと変えるように大した事じゃない出会いが気持ちをちょっと変え滞ってた気持ちが流れ出すんだな、人って良いなと温かい気持ちでいっぱいになり涙が止まりませんでした
ディナが最後に言う『たいしたことではなかった』が13日マチネではとても辛かったのに今日はじんわり。自分でもこの変化にびっくりです。自分では気付いてなかったけど気持ちが滞ってたのかな。それがバンズヴィジットを見てほぐれたのかな。観劇してから日が経ってますが、じんわりと温かい気持ちで満たされています
見る人によって、見る時によって、誰をどこを見るかによって全然違う感情になる作品だと思います
今回とてもありがたい事に前方席ばかりだったのですが、2階席からも見てみたかったです。盆が回った裏側では何が起こっているのか見たかったですし、照明など全体も見たかった。東京に住んでたら絶対チケット増やしていろんな角度から見てる。くぅー悲しき地方民…
3カ国語が飛び交う作品っていうのが新鮮でとても効果的でした。ヘブライ語とアラビア語で話すと何を言ってるかは全くわからないけど感情はわかる。バンズヴィジットを見て気持ちの壁って無いんだなと思いました
そして音楽!プロの演奏家の方々が音楽隊を演じていたのがすごく良かった。どの曲もとても好き。歌も皆さんとても上手くてすごく心情が伝わってきました
イスラエルとエジプトという歴史的にいろいろとある国の人達との出会いで、ベイト・ハティクヴァのような何も無い田舎では起こり得ないような奇跡の一夜。遠い国のお話だけど私達の周りにいそうな人達が経験し私達にも起こるかもしれないお話、こういう『大した事ではない』お話がミュージカルになり観劇できた事が幸せ
見るたびに違う感情で涙が溢れた作品でした
次は大阪公演を観劇します。その時どう感じるのか楽しみです