埼玉県には牛島の藤とか、玉敷神社、その他色々ある。

栃木県なら足利フラワーパークになろうか。

ここに書いた藤の花はどれも見たのだが、骨波田の藤の花は見たことがなかった。

地元の人の「あんなもの云々」発言もあり、電車で行くには不便でもあり、

気持ちが乗らなかった。

 

歳をとるのは、捨てたものではないと思うのはこんな時で、

「見納めにひとつ見ておくか」と重い腰を上げた。

 

「八高線の旅をしたい」とか

「塙保己一生誕の地」とか

色々理由を見つけた。

理由などつければ、いくらでもあるものだ。

 

駅前には案内板も出て、やる気満々だ。

駅前は人はいないが、現地の駐車場はほぼ満杯で、

本庄市の宣伝より、TVなどの影響が大きいようだ。

 

山門の前に入場料をとる受付がある。

入口の藤はもう散ってしまっていたが、寺の前の藤は満開だった。

つまり、入場料払った直後は「なんだこんなもの」だったが、

奥に入れば「なんて素敵なの!」に変わった。香りもよかった。

ボケ封じ、延命長寿を保証する不老観音様が待っていた。

長泉寺にある樹齢650年のこの藤の花がこの地にあるのは?

伝説にある。

坂の上田村麻呂が大蛇を退治した際、その骨がここらに波のように散らばっていて、

災難が絶えなかった。そこで高僧が供養したところ、骨の波が収まったという。

地元では武州なまりで「こっぱた」というが、「こつはた」と言うらしい。