60年ぶりに交換した高校時代のバッチが出てきたと書いた後、

偶然「題名のない音楽会」が60周年だと知った。

黛敏郎の司会で、その生演奏を見て。聞いたことがあった。

半世紀以上前のことだ。

あの時一緒に見た彼はもうこの世にいない。

随分年月が経ったと思わざるを得ない。

今、開催中の企画展で、吉村昭の手紙を見てきた。

想いを言葉にする=つきつめれば戦いである

と若き日の吉村は,ツムラに書き送っていた。

手紙に書かれた文字を見ていると、やはりメールの文字とは違うなぁとわかる。

筆跡は個性そのものだし、文章は思いそのものだ。

生原稿も、推敲の跡がはっきりわかり、これぞプロの文章だと感銘を受けた。

 60年前に湘南の海辺で合唱したのは「潮の音」ともう一つ、「遥かな友」だった。

題名のない音楽会で、何を聞いたか思い出せないが、この歌は今でも歌える。