【本来の意味】
卍(まんじ)の本来の意味は、めでたさやその兆し、幸運を意味するものでした。仏教においてはまた、卍は光の源とされており、自然界でいえば太陽の存在とされてきました。

ナチスが台頭する前のアメリカでも卍は良い意味で使われておりました。例えば、1910年頃、卍は幸せな状態や幸福、明るさ、といった意味合いで使われており、卍が描かれた旗などもありました。

しかしナチスが使うようになり、アメリカでは誰も使わなくなりました。卍は、悪用や誤用というレベルではなく、恐怖そのもののシンボルと
なってしまったのです。

隠れキリシタン

キリスト教を信じ、十字架を信じている人はこの卍に十字架を見るといいます。折れている部分を取り除くと十字架が出てくるでしょう。

アメリカでこのシンボルが流行った背景には、その隠されたデザイン性もあるのでしょう。実は日本にも同じようなことが起きておりました。

卍は隠れキリシタンたちにとっての救いだったのです。彼らは弾圧を受けておりましたが、それでも信仰を続けていました。家に卍を飾り「私たちは仏教徒ですよ」といって、その卍に十字架を見ながら、お祈りをしていたのです。

観音様はもちろんマリア様です。徳川の怖いおっちゃんたちもそれがまさかキリスト教に関連するものとは思わなかったのでしょう。

麻薬

ヒトラーは見事な経済政策でドイツ経済を立て直し、「ヒトラーの奇跡」と呼ばれる好景気を作り出しました。これにドイツ国民は熱狂しておりました。

加えて、優秀さと十字架が織り込まれた鉤十字をシンボルにして、国民を一つにまとめていきます。兵士たちに対してはまた違った方法でその強靭さを実現しました。

逆説的に聞こえるかもしれませんが、ヒトラーがここで用いたのは麻薬でした。これが快進撃を続けるナチスドイツの秘密だったのです。

麻薬には様々な効用があります。以前お話ししましたが、ドイツでは普通に麻薬が使われておりました。ドイツ軍の若いお兄ちゃんがお母さんに書いた手紙を見たことがあります。

そこには「お母さん、次の慰安袋の中にこれこれを入れてください」と、ドイツで市販されている麻薬の名前が入っておりました。

「私はこれがあったらもっと勇敢に働けます」と記されておりました。

以上「西鋭夫のフーヴァーレポート~ヒトラーと麻薬(2019年12月上旬号)-6」より

続いて「頂門の一針 6922号」より転載します。

【日本の弱腰が増長させた】

☆中国、大陸棚にも海洋ブイ設置 岸田政権に仕掛ける「超限戦」レアメタルなど海底資源が標的か 石平氏 

 習近平国家主席率いる中国が、岸田文雄政権に「超限戦」を仕掛けてきている。人民解放軍による軍事的威圧だけでなく、駐日大使が「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と恫喝(どうかつ)したうえ、日本周辺海域に海洋ブイを複数設置して、対応を見極めているのだ。読売新聞は5日朝刊で「中国、日本の大陸棚にブイ」「沖ノ鳥島北方」「太平洋では異例」などと報じた。岸田政権は、国民と国益を守り抜けるのか。

 「超限戦」とは、軍事だけでなく、政治や外交、経済、情報など、あらゆる手段を駆使した、中国による"限界を超えた戦争"のことだ。

 航空自衛隊による2024年の緊急発進(スクランブル)実施状況を見ると、4月と5月は41回と37回もあるが、うち中国への対応は28回と31回と圧倒的である。


 沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海に2日に侵入した中国海警局船2隻は4日、領海外側の接続水域に出た。中国当局船による尖閣周辺での領海侵入は3日連続で今年26日目。中国当局船が確認されるのは196日連続で、尖閣国有化(2012年)後、最長連続日数を更新した。

 尖閣周辺の日本のEEZ(排他的経済水域)内では昨年7月、中国が海洋ブイを無断で設置しているのが確認された。日本政府は、日中首脳会談や外相会談などで即時撤去を求めているが、ブイは設置されたままだ。

 前出の読売新聞によると、尖閣周辺に海洋ブイを設置した中国当局の大型作業船「向陽紅22」が先月中旬、沖ノ鳥島北方の四国海盆海域内に新たなブイを設置したという。

 四国海盆海域は付近に島がなく、日本のEEZにあたらないが、国連の大陸棚限界委員会は12年、沖ノ鳥島を基点とした日本の大陸棚に認めた。この海域の海底には、レアメタルを含んだ鉱物資源が分布している。国連海洋法条約に基づき、日本はこの海域での海底探査や資源開発について、主権的な権利を行使できる。

 大陸棚はEEZと異なり、上部水域での海洋調査に沿岸国の同意は要らない。ただ、中国の海洋ブイが海底資源調査などを行っていれば、国連海洋法条約違反の可能性がある。

 政府関係者は「中国による日本周辺海域での活動は常態化している。沖縄県の尖閣諸島周辺での先鋭的な活動だけでなく、隠密裏の調査活動にも警戒すべきだ」と話す。

 中国は、日本領土である沖ノ鳥島について、国連海洋法条約に基づく「島」ではなく未帰属の「岩礁」などと独自の主張をしている。

 日中関係筋は「中国が似た状況の南沙諸島で岩礁を埋め立て、着々と要塞化しているのは不気味だ。日本周辺の海底に埋蔵されるレアメタルは、電化製品や電気自動車のモーター、バッテリーなどの製造に不可欠だ。中国は喉から手が出るほど欲している」と分析する。

 今回のブイ設置の背景は何か。

 中国情勢に詳しい評論家の石平氏は「尖閣周辺で海洋ブイを撤去できなかった日本の弱腰が、中国を増長させたかたちだ。主権侵害の"既成事実化"は中国の常套(じょうとう)手段だ。放置すればEEZ、領海へと行動をエスカレートさせる。日本政府は厳重抗議し、即時撤去の方法を考えるべきだ」と語った。

☆☆☆☆☆  松本市 久保田 康文 夕刊フジ令和6年7月5日号採録