【軍人らしいという理由から宿泊を拒否】
(読者の声1)最近、京都のあるホテルがイスラエル国籍の旅行客を軍人らしいという理由から宿泊を拒否したという。不可解な話である。早速中共の軍人ならよいのか、というネットで突っ込みがあったという。

このホテル側の行動は、国際的な反日感情を起こす可能性があるから政府は正確に事実関係を調べ対処することが必要がある。すでに日本政府はイスラエル政府から抗議されているという。

1.ユダヤ人の歴史的大恩
まず日本人が知っておくべきなのは、日本人はユダヤ人に大恩がある事だ。それは日露戦争当時、戦費不足に苦しんだ日本政府が外債募集したところ、米国のユダヤ人金融家のシフ氏が大量購入してくれた史実だ。これは「高橋是清自伝」に明らかだ。
そして明治天皇は戦後、シフ氏を昼食会に招き、勲一等旭日大綬章を授与している。

2.日本人の恩返し
これは1917年の英国外相バルフォア卿のパレスチナにユダヤ人の居留を認めるバルフォア宣言に日本が署名したことだ。このため内田外相は、ユダヤ人の恩人年鑑であるゴールデンブックに記名されている。また第二次大戦中の欧州ユダヤ人の受入れもこの線上にある。戦後も日本はアジアで最初にイスラエルを承認した国だ。なお昭和天皇も親任状を提出するイスラエルの大使に、日露戦争の支援を感謝されている。

3.日本人の誤解を正す。
ユダヤ人の外見は色々だ。このため日本人はキリスト教徒の西洋人と混同する。しかし実際にはユダヤ人と日本人は固有の民族宗教を持っており、イスラムやキリスト教のように相手を改宗させる事はしない。平和共存ができるのだ。昭和天皇のご大葬でもイスラエルの大統領は欧米に反日誤解が残る中で出席している。

こうした重大な史実は、教科書で子供達にしっかり教えておくことが必要だ。
   (落合道夫)
以上「宮崎正弘の国際情勢解題」より

続いて「頂門の一針 6906号」より転載します。

【慰安婦問題と冤罪の構図】【阿比留瑠比の極言御免】 令和6年6月20日

 慰安婦の強制連行説や性奴隷説は「架空の作り話」だと学術的に結論付けた書『反日種族主義「慰安婦問題」最終結論』が韓国の経済学者、朱益鐘(チュイクチョン)氏によって日韓両国で出版されたことに隔世の感を覚える。筆者が初めて慰安婦問題を取材した30年近く前には、元慰安婦やその支援者らの言葉は絶対で、少しでも疑問を示すと日本軍の非道を認めない歴史修正主義者扱いされたものだ。

 韓国側はさらに過激で、例えば韓国出身の評論家、呉善花氏が平成9年1月、パネルディスカッションで次のように語ったことがあった。「私は強烈な反日教育を受けた世代だが、『従軍慰安婦』という言葉は聞いたことがなかった。貧困家庭の親が娘を(遊郭などに)売ったという話は少し聞いたが、強制連行の話などなかった」

[本当のこと言えぬ]

 すると翌日、韓国・済州島に住む呉さんの親類の家が公安当局に家宅捜索された。本当のことを言ってはいけなかったのである。

 その前年の8年には、9年春から全国の中学校で使用される社会科(歴史)の全教科書(7冊)に「従軍慰安婦」が掲載されることが公表された。そこで当時、筆者が所属した社会部の教科書問題取材班が慰安婦問題に関する意見を募集したところ、100通近い投書が寄せられた。
 この頃はまだ戦前・戦中の実像を知る世代が元気で、さまざまな体験や見聞を伝えてくれた。マスコミが報じるのは元慰安婦や支援者の証言ばかりで、実体験を持つ元日本兵や関係者の言葉は無視されていた。

 被害者を名乗る側の話だけを聞き、加害者とされた側の言い分を全否定するのでは冤罪(えんざい)を生みかねない。

 10年以上前に触れたことがあるが、例えば昭和15年から17年にかけて旧満州(中国東北部)の西部国境地帯ハイラルの陸軍部隊に勤務した千葉県我孫子市の大塚さん=平成8年当時(76)=は、朝鮮では警察の第一線の巡査はほとんど朝鮮人で同胞を強制連行などするはずがなく、できる雰囲気もなかったと語った。

 この点に関しては、後に現代史家の秦邦彦氏からも「(朝鮮の)地方の巡査クラスはほとんど朝鮮人と言っていい」と聞いた。

 こうした強制連行説を否定する証言や資料は少なくないが、産経新聞を除くマスコミに登場した例は寡聞にして知らない。

 「朝鮮人慰安婦の多くが『嫁入り資金を稼ぐために働いている』と話していた。彼女たちの行動は自由だったと思う」

[自身を正義の味方]

 宮城県岩出山町(現大崎市)の佐藤さん=同(80)=は満鉄に務めていた際に、20代前半の朝鮮人娼婦(しょうふ)に聞いたこんな身の上話を記憶していた。

 「故郷には親も夫もおり、子供もいるが、生活苦のために出稼ぎにきている。2、3年働いて、家に帰るのが唯一の楽しみ」

 彼女たちの貧しかった環境には同情を覚えるが、少なくとも性奴隷だとはいえない。にもかかわらず、多くの人が実情を知ろうとせず、ただ一方的に被害者や弱い立場だと思える側に立つことで、自身を「正義の味方」だと信じ込む。

 最近では、群馬県草津町の黒岩信忠町長が町長室で性交渉を強要したという元女性町議の偽証証言に苦しめられた問題があった。慰安婦問題にも通底する「冤罪の構図」だとも感じた次第である。

(産経新聞論説委員兼政治部編集委員)

☆☆☆☆☆☆☆☆   松本市 久保田 康文 産経新聞令和6年6月20日号採録