【日本語の改悪】
文字や文章の形態の変更は、歴史と文化を喪失させる働きをします。

チャイナもまた、中国共産党によって簡体字が普及させられて、古い文化を失っています。
コリアも同じで、漢字文化だったものが、ハングルのみを使用するようになることで、歴史と文化(果たしてそういうものが過去にあったといえるのかどうか)議論は別として、過去を失なっています。

東南アジアの多くの国々もまた、英語表記となることで、自国の文字が失われようとしています。日本もまた、明治以降二度にわたる文字と文章の喪失が行われました。

日本語の表記は、何千年という歳月をかけて形成されてきた文化です。ところが日本は、実は三度にわたる文字文化の変更が行われています。

ひとつは、明治期のものです。いわゆる武家文化としての候文(そうろうぶん)が廃止となり、また手書き筆文字から活字に変わることで江戸時代の文化が失われていきました。

これは、徳川時代にあったすべてを否定しようとした明治政府の意向であったともいわれていますし、仮にそこまで行かなかったとしても、西洋かぶれによる文化変更がかなり露骨に行われたのも事実です。

ひとつは戦後です。
GHQは、日本語の漢字表記を簡略化させるという方針を打ち出し(これを言い出したのは戦前の共産主義系の学者たちですが)、これによって「当用漢字」が生まれました。
「当用漢字」というのは、「当面用いる漢字」のことで、では当面用いたあとはどうするのかというと、当初の計画では、日本語を全文ローマ字化し、その後、日本語を廃止して公用語を英語にしてしまうというものでした。

礼儀作法の「礼」も同じです。
旧字は「禮」ですが、みての通りで、相手にわかるようにはっきりと豊かに示すから「禮」です。
そうとわかれば、おはようございます、こんにちは、さようなら、よろしくお願いしますといった挨拶ひとつだって、ちゃんと大きな声と、はっきりとしたお辞儀で示すことになります。

「恋」も、昔は「戀」です。上の部分の「糸+言+糸」は、糸がもつれているさまです。
ですから「戀」は、「相手のことを思って、心が思い乱れるさま」です。
これが「恋」となると「亦+心」ですから、「亦=ひたすら」な「心」です。

簡単にいえば、ただ一途に想うのが「恋」。好きな人のことを思って心が千路に乱れる心がが「戀」。
もっとも「亦」には、二股の「また」の意味もありますから、はたしてどこまで一途やら・・・。

学校の「学」は旧字が「學」です。
この字は、上部が複雑になっていますが、両側の記号が大人を意味し、上部真ん中の✗✗の部分が、その大人たちの腕を意味します。
その下に校舎があって、そのなかにひとりの子がいます。

つまり、複数の大人たちが、ひとリの子を立派な大人に引っ張り上げるのが「學」の意味です。それが「学」になると、単に子が学ぶもの、といった意味になります。

教育を考えるとき、どうしたら大人たちが、子を立派な大人に育てることができるのか、という概念と、ただ、子供に「学ばせる」という概念では、その「はじめの一歩」が大きく異なります。

戦後教育は、良く言えば「子が主役」ですが、人間は大人も子供も元来なまけものなのです。であるとすれば、戦後教育は、ただなまけものを育成するだけのものに成り下がったことになります。

三つめの表記の変更は7世紀のものです。かなり古いです。それまでの日本語表記は、神代から続く神代文字によるものでした。

神代文字は一字一音一義です。50の音がありますが、その音ごとに意味が当てられていました。
理由は簡単で、神代文字はもともと鹿骨占いで焼いた骨に入ったひび割れのパターンを示すものであったからです。

以上「文化香る國日本」より

続いて「頂門の一針 6884号」より転載します。

【「あたこく」の存在】 

【須田慎一郎「金融コンフィデンシャル」】警視庁が注目"政治活動ビジネス"つばさの党と黒川容疑者のカネの動き…浮上した何でもありの団体

 東京15区を舞台とした、衆院補欠選挙を巡る公職選挙法違反事件が、関係各方面に大きなハレーションを起こしている。

 「警視庁としては、つばさの党および代表の黒川敦彦容疑者に関するカネの動きに注目している。それというのも黒川容疑者らがやっていたことは、一言で言ってしまえば政治活動ビジネスとでも言うべきものだったフシがあるからに他ならない。だとしたら動機はカネということになる。しかも黒川容疑者のもとには、カネ目的でさまざまな団体、関係者が集まってきていたようだ」(警視庁関係者)

 そうしたなか、黒川容疑者関連で興味深い団体の存在が浮上してきた。

 その団体とは、「新しい国民の運動(あたこく)」なる団体で、黒川容疑者が主導する形で立ち上げられた形となっている。

 「この『あたこく』は、形の上では市民団体を名乗っていますが、活動自体は間違いなく政治的なものです。だとすると、政治団体としての届け出および政治資金収支報告書の提出が義務付けられることになる可能性が高い。にもかかわらず、そうした対応が一切取られていないのです。そうなると政治資金規正法違反に問われることも十分あり得ます」(黒川容疑者を良く知る関係者) 

 この団体が当局の注目を集めるきっかけとなったのが、昨年1月に「あたこく」とつばさの党が合同する形で実施した、公明党本部前でのデモだったという。

 「黒川容疑者と同時に逮捕された杉田勇人容疑者が、つばさの党に合流してきたのが、まさにこのタイミングなのです。改めて指摘するまでもなく、杉田容疑者は『創価学会撲滅党』なる団体の代表を名乗る人物です。なぜ黒川容疑者が突如として公明党に批判の矛先を向けるようになったのか、容易に想像がつくと思います」(前述同)

 それにしても驚かされるのは、「あたこく」という団体の政治的スタンスだ。団体のホームページによれば、「通称あたこくは、緊急事態条項を止めようと、右・左の違いを越えて超党派で集まった運動です」とあり、新右翼団体から反ワクチン団体、反中国団体、反創価学会団体などが集結し、まさに何でもありの状態になっていたのだ。

 「いずれにしても、過激なカルト的主張を展開し、支持者から寄付金を募るのです。この流れで黒川容疑者が『CIA撲滅』を言い出したときには、さすがに笑ってしまいましたが。とはいえ、これだけでかなりの金が集まっていることは事実です」(前述同)

 つまり過激化し、カルト化していくことで、相当額の金が集まるというのだ。そしてさらに過激化、カルト化の道をたどっていき、行き着いた先が東京15区を舞台とした衆院補欠選挙だったようだ。

 その結果、その選挙は、本稿冒頭で指摘した通り、カオス状態に陥ってしまったといえる。

 警視庁には、この「政治活動ビジネス」の全容解明を進めていただきたい。 (ジャーナリスト)
☆☆☆☆☆☆☆  松本市 久保田 康文  夕刊フジ令和6年5月28日号採録