【中国海軍はドローン空母を造艦したらしい】
  トルコ、イランもドローンを大量に生産し、実戦に応用した
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米国が刮目しているのは中国の宇宙航空技術での猛追ぶり、一部の技術はすでに米国を抜いたと推測されているうえ、米国が承認しない中距離ジェット旅客機C191は中国国内線に就航している。日本は1兆円をかけた三菱重工の国産旅客機が承認をえられないままにプロジェクトは空中分解した。

Naval News(5月15日号)は、揚子江は上海造船所の上流にある造船所で新型空母が隠されていると報じた。「江蘇省大洋海運の船所」は以前にも中国人民解放軍海軍の模擬敵艦を建造したことがわかっている。

衛星写真から、この秘密めいた新造艦は中国海軍4隻目の空母と推定された。このミステリアスな空母は2022年12月に進水していた。

中国国産空母「福建」は海上で試験航海をくりかえしているが、その性能をめぐって西側軍事筋の評価は分かれている。はたして米国の空母と比肩できるのか、インド並みの空母でしかないのか。

ところが、中国海軍の四隻目の新型空母は世界初の「ドローン空母」であろうと海軍専門誌が分析した。
https://www.navalnews.com/naval-news/2024/05/china-builds-worlds-first-dedicated-drone-carrier/?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR12irdddyX-_-rKo04rVIEqYC0FDfbXoCqShxapuZFu8pKpkHs49FFLWjA_aem_AeEMQ6ptF7CBGTk6S9drYuXvLFr1sbAmcV2g6ZNCu3xb3SRpZ6Yo4xdaL9_CKvivLMmga7ao4Lfh1cVhJLi-nJ4g

 ドローンは海軍戦闘において重要な位置を占めるようになっている。世界の列強の海軍はドローンを試験運用している。
イランやトルコなどでも「ドローン空母」の計画に取り組んでいる。ウクライナ戦争でもドローンが戦局を変える経過を私たちは目撃してきた。ロシアにドローンを提供したのはイランであり、ウクライナへ提供したドローンにはトルコ製が目立った。
 すでにドローンの生産で中国は世界一である。

 中国の四隻目『空母』は、通常の航空母艦よりも小型で、飛行甲板の長さは米国海軍や中国海軍大型空母の約3分の1、幅は半分である。
となると、ドローン空母の可能性が高い。飛行甲板は、プレデター無人機クラスに適応でき、幅が約20メートル(65フィート)の小型航空機や大型のドローンを搭載し、甲板上で操縦できる広さである。

飛行甲板が存在するということは、航空機が着陸も可能、また回収が必要ない場合、カタパルトもしくは発射レールがあれば十分だという。

シミュレーション用か、或いは研究開発用かは不明。中国人民解放軍海軍の公式プログラムなのか、それとも投機的な商業プロジェクトなのかも不明で、新型ドローン空母は謎に包まれたままである。

以上「宮崎正弘の国際情勢解題」より

続いて「頂門の一針 6878号」より転載します。

【民間経済は”全滅に近い状態”】

【高橋洋一「日本の解き方」】民間経済は”全滅に近い状態”いまからでも補正予算計上を 個人消費悪化、リーマン・ショック以来 タラレバな昨年末の所得税減税 

 1~3月期の国内総生産(GDP)が2四半期ぶりのマイナス成長となった。ダイハツの認証不正の影響もあるとされているが、マイナス成長は一時的にとどまるのか。

 実質GDPは年率換算で前期比2.0%減だった。その内訳は民間消費が2.7%減、住宅投資が9.8%減、設備投資が3.2%減だった。政府消費は0.8%増、公共投資が13.1%増で、輸出は18.7%減、輸入が12.8%減となった。

 民間の予測値を下回る低調な数字だった。政府部門を除くと、民間経済は全滅に近い状況だ。特にGDPの半分以上を占める個人消費はひどく、前期比0・7%減だった。4四半期連続の減少はリーマン・ショックに見舞われた2009年1~3月期以来で、15年ぶりとなる。

 こうした状況は予想されていたから、昨年11月に景気対策をするべきだった。しかし、目玉であったはずの所得税減税を昨年末にやらずに、今年6月に後回ししたことを筆者は批判していた。タラレバであるが、昨年末に所得税減税しておけば、ここまで消費の落ち込みはなかっただろう。経済政策はタイミングが命である。良いタイミングを逃すと、効くものも効かなくなってしまう。今さらながら、岸田政権が景気対策に本気でなかったことが残念だ。

 ダイハツの認証不正による生産停止という特殊要因もあり、2次速報で上方修正される可能性もあるものの、予想以上の景気低迷だ。

 特殊要因といえば、元日の能登半島地震もあったが、本コラムで再三指摘したように、災害復旧の補正予算がなかったことも痛かった。震度7クラスの地震では、これまで補正予算が震災後1カ月程度で組まれており、景気の下支えに貢献してきた。だが、今回は補正予算がなかった。

 予備費による財政支出はあるものの、予備費は各省管理簿など事後承認手続きがあるために、補正予算でまとまった歳出権を取る方法に比べて財政支出が抑えられる傾向は否めない。これも今回のGDP速報に影響しているのではないか。能登半島では、いまだにガレキが片付かず、復旧・復興が順調とはいえない。

 財務省はどうみているのか。4月9日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会が開かれ、能登半島地震の被災地の復旧・復興について、将来の需要減少や維持管理コストも念頭に置き、住民の意向を踏まえ検討が必要とした。震災復興に「コスト論」を持ち出したのかと、元財務官僚の筆者はあきれてしまった。能登半島のような過疎地では、復興のための財政支出を「ムダ」だと財政当局は認識しているのではないかと邪推してしまいそうだ。

 こうしたことなどから、1年前の23年4~6月期には、筆者試算によるGDPギャップ(潜在的な供給力と実際の需要の差)は、内閣府の試算より厳しく「10兆円」程度であったが、今回の景気低迷で「20兆円」程度まで拡大してしまった。

 震災復興と景気回復のために、遅きに失したとはいえ補正予算が必要ではないだろうか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

☆☆☆☆☆☆  松本市 久保田 康文   夕刊フジ令和6年5月22日号採録