【満員電車の中ではソーシャルディスタンスを取らなくても良い?】
(読者の声2)アメリカでも日本でも4年前から感染力の強い怖いウィルスからの感染防止の為に人との距離は2m(或いは6フィート)間隔を空けろという類のソーシャルディスタンスが声高に叫ばれ、多くのロックダウンや社会的規制の根拠の様に扱われた。

州を跨ぐ移動は禁止され、学校が閉鎖され、スポーツイベントや集会は禁止され、教会での集まりすら禁止された。親でも親戚でも会ってはだめ、介護施設で親に会うのもダメ、親の死に目にも会えない、出来るだけ外出は控えろとされた。だが同居の家族ならソーシャルディスタンスを取らなくて良いと。

デパートや専門店は閉店を命じられたがスーパーや日用生鮮品を売る店はオーケーとされた。日本ではそれに加え、レストランではアクリル板の間仕切りが設置された上、アルコールの提供はダメとか時間制限がなされた。

 一方で満員電車の中ではソーシャルディスタンスを取らなくても良いとも。感染すらしていない、発病すらしていない人がPCR検査で陽性となれば隔離されるケースさえあった。「感染防止の為」と唱えさえすれば関係あろうがなかろうが何でも規制される様になっていた。

 当初はよく考えもせずにお上がいうことを鵜呑みにしていたが、感染力が強くてとても怖いウィルスの筈なのに同居の家族には感染しないのか、スーパーでは感染させられないがデパートでは感染させられる、満員電車の中では感染させられないが一歩電車の外に出ると感染力が強くなるとは、随分器用なウィルスなのかもと思う様になった。

 だが、これらのことをつなげて自分の頭で考える様になると、何がよくて何はだめと言われていることに何ら整合性が見られないこと、何ら科学的な根拠が示されずに規制だけが厳しくなされるのは何か変だぞ、誰かがある意図を持って人々の自由を制限しコントロールしようとしているのではないかなと思える様になった。

 様々な規制がなされたがその根拠が示されたことがあっただろうか、その規制によりどんな効果があったと公表されたことはあっただろうか?

 実はソーシャルディスタンスなる概念を作り出して皆に強制させた側の重要人物の一人フランシス・コリンズ前国立衛生研究所長(組織としてはファウチ博士の感染症研究所も国立衛生研傘下にあるが、実質的には誰がボスか、2020年春の記者会見では明らかだった)が下院のコロナパンデミック特別小委員会で証言し、それをスタッフがまとめたもの(2024年5月16日付け)をNational Review が入手した。
https://www.nationalreview.com/wp-content/uploads/2024/05/2024.05.16-SSCP-Staff-Memo.pdf

その要約は次のとおり。
1 コロナのウィルスは研究所での事故か研究員が感染しそこから外部に漏洩したのではないかという仮説は陰謀論だと言われたが陰謀論ではない。その仮説を否定する根拠はなく、未だ未確定である。
2 政府が唱えたソーシャルディスタンス(6フィート離れろ)には科学的な根拠はなかった。
3 2020年4月19日付書簡で武漢病毒研究所へ国立衛生研究所からの補助金を孫流ししていたエコヘルスに対し終結する様指示していたがエコヘルスはそれを無視して中断しただけだった。
4 コロナウィルスが研究所から漏れたという仮説を根拠のない陰謀論と決めつける電話会談が2020年2月1日に行われたが、それを主導したのはファウチ博士だった。
(費府の飛行士)
以上「宮崎正弘の国際情勢解題」より

続いて「頂門の一針 6876号」より転載します。

【変見自在】【判事は女嫌い】 高山正之

 映画「エデンの東」でジェームズ・ディーンが演じたキャルの母親は曖昧宿の女将だった。近藤紘一の「サイゴンから来た妻と娘」の娘の母も曖昧宿の女将だった。そう言えば時効前に捕まった殺人犯、福田和子の母も曖昧宿の女将だった。

 女将は奔放で、20歳で不義の子、和子を孕んだ。その後も何度も亭主を取り換えて、その一人は和子のいる前で別の女を引きずり込んだりした。

それで商売は曖昧宿経営では、いい教育環境とはお世辞にも言えなかった。それもあって和子は母に似て恋多き女に育ち、高校中退時には年上で前科持ちのヒモとくっついていた。

 この男がワルだった。押し借り強請(ゆすり)は習うより、ついには和子を連れて押し込み強盗までやって、揃ってお縄を頂戴した。ここでヒモ男は和子が主犯だと言い立てる。信じられないことに裁判官は男の言い分を頷いて17歳の和子を正犯として大人用の松山刑務所に送ってしまった。

 家庭環境や年齢を考えれば刑務所送りはない。女子少年院とか矯正施設送りが妥当だろうに。裁判官は女に恨みでもあったのか。立派な罪人に仕立てられた和子はさらに人間不信に陥る事件にぶつかる。

 世に言う松山刑務所事件で、入所したヤクザが看守を抱き込んで酒を飲むは博打で騒ぐわ。若い女囚まで入って弄んだ。

 和子はその看守にも犯された。特別公務員暴行陵虐罪の見本だった。

事件はバレたが、和子の陵辱は刑務所側が揉み消して彼女は再び泣き寝入りを強いられた。お勤めが終わって娑婆に戻った和子は家庭の主婦と金遣いの荒いホステスとを行き来した挙句に売れっ子ホステスを殺して13万円を奪う。

 以来、北へ南への逃亡生活を送り、当時15年だった殺人罪の時効成立3週間前まで逃げおおせたが、おでん屋の通報で捕まる。新聞はもの凄い悪女のように書き立てる。裁判も家庭環境や人間不信を募らせた松山事件などは一切無視して酌量なしの無期懲役に決まった。

 例えば栃木県であったリンチ殺人事件では、60日間被害者に熱湯をかけるなど拷問を繰り返してなぶり殺した男には温情の懲役5年の判決だった。
共産党員の息子が女子高生を40日間も監禁、凌辱した挙句に殺したコンクリート詰め殺人事件でも判決は懲役5年。男に比べ女への罰は異常に重い

 和子のケースは刑期も含め女の絡む事件のよき判例扱いにもされる。
ゴスロリと呼ばれた殺人事件があった。18歳大学生と16歳高一少女が双方の両親を殺して一緒になろうと夢想し、男が自分の母の首を切って殺した

 どうみても大学生が主犯だろうに。判決は和子とヒモ男の強盗事件と同じに高一少女は強盗殺人共同正犯とされた。

 先日「頂き女子りりちゃん」こと渡辺真衣(25歳)の判決公判があった。真衣は歌舞伎町のホストクラブの田中某に入れ挙げて月に300万円も貢いだ。そのために自ら風俗の店で操も売った。

 田中はそれでも足りないという。真衣はパパ活を始め、3人のおじさんから計1億5000万円を頂いてホストに貢いだ。田中が指嗾(しそう)し真衣が罪を犯した。こういう場合は田中こそ共謀共同正犯と見るべきだろう。

 しかし判決は「和子とヒモ男」と同じ。真衣が主犯で懲役9年と800万円の罰金だった。罰金が払えなければ2年加算して刑期11年とするという。下手な殺人事件より重い。田中も捕まったが、罪は贓物牙保(ぞうぶつがほ)、詐欺で得たカネとして貰ったという。ほとんど微罪あつかいだ

 昭和の終わりに青梅信金の女子職員が0億7000万円を横領、男に貢いだ事件があった。判決は男が主犯で懲役10年。実際に横領した女性は半分の5年。実態を見た判決だった。昭和までは裁判官の女苛めはなかった。

☆☆☆☆☆☆☆☆ 松本市 久保田 康文  『週刊新潮』令和6年5月23日号採録