【主体思想に被れる自治労】
自治労の中には北朝鮮の根本思想である「主体思想」日夜研究するグループが存在する。これは、金日成が唱えた思想である。嘗ては世界中の共産主義国家や共産党(日本共産党を含む)は、ソ連の傀儡(コミンテルン支部)であった。

しかし、1953年にスターリンが死亡すると、フルシチョフが公然と「スターリン批判」を展開する。ここに於いて他の共産主義国は重大な局面に立たされる。「スターリン批判」のソ連に従うのか、ソ連とたもとを分かつのか。

シナは「スターリン批判」を受け入れる事無くソ連と敵対する。中ソ対立を見た北朝鮮は、シナとソ連との間に「友好協力相互援助条約」を結ぶ、二股外交を行ふ。この二股を正当化する思想こそが「主体思想」でした。

こうして、非共産党系サヨク=暴力的極左となった者たちは、ソ連と渡り合うシナ共産党や、「主体思想」を主張し始めた北朝鮮を、希望の星の如く捉えたのである。

スターリン批判を受け入れないシナは、今でも天安門広場に毛沢東の肖像画を掲げる。明確な個人崇拝であるが理論として正当化してゐない。しかし、北朝鮮の「主体思想」は金一族への個人崇拝こそが「理論的」に正しいのである。

シナを訪問する日本の政治家は、惨めなほどシナ要人に媚びながらも個人崇拝はしない。だが、北朝鮮を訪問する政治屋や労働組合幹部は、露骨に金日成やこの末裔を称賛する理由がここにあるのだ。

我々は敗戦後米国式の多数決を仕込まれ、これが民主主義と信じ込んできた。多数決すらしない組織を民主的とは思えない筈である。しかし、自治労などの組合で活動する内に、共産党式の「全体一致」「拍手で承認」が正しいと洗脳される。

これで良いのか?と囁く良心の声に対して、「幹部の指導を唯々受け入れる事こそが正しい」と背中を押してくれる思想が「主体思想」である。こうして、1970年代日本の多くの大学や自治体で「主体思想」研究会が生まれ、多くの若者が洗脳されていく

因みに日本共産党は「主体思想」を研究する人々を、「金日成妄信集団」としている。日本共産党は自らの姿は見えないくせに、他人を批判する時には鋭い。

以上「自治労の正体」森口 朗著より

続いて「頂門の一針 6831号」より転載します。

【日銀短観と今後の日本経済】
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【高橋洋一「日本の解き方」】 先行きは悪化が見込まれる…追加の所得税減税が必要だ年内の追加利上げはやめたほうがいい 

 日銀が4月1日に発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が、前回(2023年12月調査)比2ポイント悪化のプラス11と4四半期ぶりの悪化となった。

 これを受けて株式市場は売りが優勢となり、同日の日経平均株価が終値で4万円割れした。

 大企業製造業の不調は、一部の自動車メーカーが出荷を停止した影響などと説明されている。

 一方、大企業の非製造業の指数は好調なインバウンド需要などを背景に8期連続で改善し、プラス34と1991年8月調査以来の高い水準となった。

 中小企業製造業ではマイナス1と4期ぶりの悪化。中小企業非製造業はプラス13と8期ぶりの悪化だった。

 全体を見ると、大企業非製造業だけがよく、その他はほぼ悪化という結果だった。

 これは、本コラムで主張してきたように、昨年末に所得税と住民税の減税をやらなかったからだろう。

 今年6月に実施する予定というが、政策で重要なのは、第一にタイミングだ。

 タイミングが良ければ民間経済で好循環を生み出せるが、ズレると悪循環になるからだ。その結果、タイミングの悪い政策は、大きな規模でも所定の効果を生み出せない。 

 減税に加えて、2月初めに成立させるべきだった能登半島地震の震災補正予算をやらなかったことも影響しているだろう。

 昨年度の予備費で足りているという反論もあるだろうが、地震発生から3カ月にもなるのに、他の震災と比べても復興のスピードは遅い。

 予備費では、ちまちました支出でも煩瑣(はんさ)な手続きがあるのでスピード感に欠けるからだ。その上、インフラ整備で復興需要も出ていないので、景気にもダブルパンチになる。

 日銀短観での3カ月後の見通しについては、大企業製造業がプラス10で前回より1ポイント悪化、大企業非製造業がプラス27で前回より7ポイント悪化すると見込んでいる。まさに、政策が良いタイミングを逃したからだ。株価の反応も経済の先行き不安を表したのだろう。

 なお、短観では企業の借入金利の水準についても、「上昇」から「低下」を差し引いた指数がある。それによると、3カ月後の見通しについて、大企業がプラス34、中小企業がプラス30だった。

 今回の調査では、日銀がマイナス金利政策の解除を決める前に回答した企業が大半だが、将来の金利上昇を見込んでいた。

 市場では、日銀が年内にも次の利上げを行うという見方もあるが、そうなると、さらなる景気悪化になるだろう。

 これらを考えると、追加の所得税減税が必要だし、年内の追加利上げはやめたほうがいい。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 夕刊フジ令和6年4月6日号採録