【人道的支援団体の怪】
フランス発の有名な団体が「国境なき医師団」です。これはとても不思議な団体で、彼らが行く先々で必ず石油や鉱物資源など地下資源が発見されます。

而も彼らが介入する時期は、そろそろ巨額のプロジェクトが始まりそうな地域が多いのです。

紛争地域だった地区で巨大な銅鉱山が発見されたりして、この団体が乗り出す。反対にプロジェクトが終わってしまった地域からは撤退を始める。

この「国境なき医師団」の創設者の一人は、フランスの元外務大臣であるベルナール・クシュネルです。

彼はある時期に米国共和党のネオコン系重鎮と極秘にシリアを訪問し、ISIL(イスラム国)の司令官と記念撮影をしていました。

これは「国境なき医師団」の創設者とISILと言うイスラム過激派組織が繋がっている事でしょう。

NGOや人道支援団体だから、いい事ばかりをしているとは限りません。

真剣に医療活動を行っている医師や看護婦など関係者も居る事でしょう。

しかし、インテリジェンスの観点から見ると、別の側面から国際情勢の本質を見抜き事が必要です。

「各種団体」には宗教団体もあります。宗教団体も情報機関によく使われる道具の一つです。

ある宗教団体を立ち上げた人は「私はCIAの一員だ」と述べたそうです。宗教団体は世界中何処へでも入っていけます。

各国には、戦争で戦死した軍人の遺骨を収拾する「遺骨収集部隊」があります。

この一部も恐らく情報機関の役割を果たしていると思われます。人道的な行為に関しては誰も「ノー」とは言えないからです。

そこで働く人々の殆どは遺骨収集に善意で取り組んでいると思ひますが、情報要員を組み込めば比較的容易に情報を集める事も可能です。

人道的だからと言って全てを信じる事は危険であると言えます。

以上「世界謀略白書」ダイレクト出版より

続いて「頂門の一針 6814号」より転載します。

【ゴジラの米アカデミー賞受賞】
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【高橋洋一「日本の解き方」】政府の政策ではなく民間競争の結果だ モノづくりからソフトへ 世界での商業的成功が大前提に 

 米アカデミー賞で日本映画の「ゴジラ─1・0(マイナスワン)」が視覚効果賞を受賞した。ハリウッドの大作と比べて少ない予算や人数だったことも米国では話題になっているようだ。

 授賞式会場から、伊福部昭氏が作曲したゴジラのテーマ曲が流れてきたのを聞いた時、ついにやったとの感動ものだった。視覚効果賞はこれまでアジアからの作品はなく、有り余る資金力による米国企業、例えばルーカスフィルムなどの独壇場だった。それを、低予算ながら日本の山崎貴監督の「ゴジラマイナスワン」が打ち破った。

 今回のアカデミー賞では、作品賞、監督賞や主演男優賞など最多7部門に輝いた「オッペンハイマー」も注目された。この作品は第二次世界大戦下、原爆開発計画で中心的な役割を果たした米物理学者、ロバート・オッペンハイマー博士(1904~67年)の伝記映画だ。日本では3月29日から公開予定だ。

 映画評論的には、「オッペンハイマー」も「ゴジラマイナスワン」も、ともに核兵器がテーマで、戦中、戦後の日本を舞台とした"反戦つながり"を言いたいところではないか。

 さらに戦中を描いた宮埼駿監督の「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞に選ばれたことを加えると、反戦を訴えるステレオタイプの映画評論が一本書ける。

 映画を見てどのような感想を持つかは自由であるが、視覚効果賞にノミネートされた全5作品を全て筆者は見たものの、圧倒的に「ゴジラマイナスワン」の視覚効果が面白かった。

もともとゴジラファンの筆者は日本上映後に続けて3日間見て、その後も何回か見た。戦闘機「震電」、巡洋艦「高雄」、駆逐艦「雪風」「響」と、ゴジラとの戦闘シーンは圧巻だ。

 アカデミー賞は米国で上映された映画を対象とするが、「ゴジラマイナスワン」は他国での上映でも評判は良かった。

 映画、マンガ、アニメなどのソフトビジネスでは、まず商業的に成功することが大前提だ。いくら哲学的なことを訓垂れても、誰も見なければまったく意味がなくなる。

 たまたまゴジラのアカデミー賞受賞の前に、「ドラゴンボール」など世界的な人気作品を生み出してきた漫画家、鳥山明さん死去のニュースがあり、日本のみならず世界中のメディアが速報した。

 鳥山さんは筆者と同い年であり、やはり同い年の作家、百田尚樹氏によれば、われら同学年では個人収入として最も稼いだ人物であるという。

 「ゴジラマイナスワン」と「君たちはどう生きるか」がアカデミー賞を受賞したことを考えると、日本のソフトビジネスがいかに世界に広がったかが納得できる。かつて「モノづくりからソフトへの移行」と言われていたが、そのとおりになっている。

もっとも、これらは政府の支援によるものではなく、民間で競争した結果だ。今のまま、温かく見守り、成功者を称賛すればいい(元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一)

☆☆☆☆☆☆☆☆   松本市 久保田 康文  夕刊フジ令和6年3月16日号採録