【ジャンヌダルク症候群】
欧米人は「聖女」が好きです。若く美しい女性が立ち上がり、自由、平和、平等の為に戦う。

そして悪い連中を倒すと言う物語に喝采します。欧米国家が自分たちの行為を正当化する時に、このような話がよく登場します。

現代の「聖女」と言えば、ミャンマーのアウンサンスーチーを思い浮かべます。2015年の総選挙では高い得票率で圧勝しました。

でも選挙の数年前には「彼女は米国や英国など欧米をバックにしている」として批判する人々が多くいました。

ミャンマー(ビルマ)は、長い間英国に統治された関係上、強い欧米アレルギーがあります。

戦後、外国語教育をわざわざ英語から日本語に変えたり、道路車線も英国風の右ハンドルを左ハンドルに変えたりと、英国が嫌いです。

ミャンマーは地下資源が豊富なので欧米は接触を続けました。しかし、時の軍事政権は頑なに拒否します。

一方でミャンマーはシナも嫌いです。欧米からの経済制裁で仕方なくシナの力を借りてはいますが。

日本は大東亜戦争の時にビルマの独立を支援した経緯から、友好な関係を続けています。

しかし、敗戦後米国に追従する日本は、ミャンマーへの支援を大幅に縮小します。この間隙をついてシナはミャンマーに接近したのです。

すると欧米はビルマ独立の英雄アウンサン将軍の娘である、スーチー女史を送り込みます。居住していた英国からミャンマーに帰った彼女を、民主化運動に取り組ませたのです。

彼女はオックスフォード大学を卒業後、英国で結婚して生活してきました。英国に苦しめられてきたミャンマーの人々には複雑な心境でした。

彼女の夫は、英国の諜報機関員です。1999年に死亡しますが、軍事政権が再入国を拒否する可能性があり、彼女を出国できなかったとされます。

しかし、実際には「お見舞いに行きなさい。後で帰ってきてもいいから」と政府は言ったそうです。

彼女には20年来に亘るビルマ人医師の男友達が居るそうです。現地では公然の秘密とされます。当然日本には報道されません。

この自宅も相当な豪邸です。英国・米国両大使館のすぐ近くです。

自宅軟禁とされますが本人は自由気ままに生活していたと言われます。勿論日本のマスコミは一切報道する事はありませんが。

以上「世界謀略白書」ダイレクト出版より

続いて「頂門の一針 6813号」より転載します。

【無責任体制で自民党の迷走が続く】  櫻井よしこ

岸田政権の政治には何の脈絡もない。連帯し、心をひとつにして難関に当たる気風がなく、およそ全てがバラバラに動いている。2月29日と3月1日2日間にわたる国会での政治倫理審査会を見て感じたのはこのことだった。

岸田文雄首相は、われこそは正義の人だとでもいう気持ちで政倫審に出席したのであろう。確かに首相の出席によって清和会座長や事務総長経験者らが全面公開の審議に応ずることになった。率先垂範で局面打開を図ったのであろうが、国民目線で見ると首相自身も同じ政治資金疑惑を抱かれていることに気づいているのか、訝らざるを得ない。

宏池会には3年間で約3千万円の不記載資金があり、会計責任者の元事務局長の有罪が確定した。野党は同件を追及しなかったが、結局岸田氏も清和会と同罪かとの疑念は残る。

もう一点、岸田氏には政治資金問題に区切りをつけて一日も早く内外の課題に取り組むことが求められている。が、政倫審への出席によって新たな課題を自分自身で作ってしまった。不記載問題を起こした政治家の道義的責任を問うて処分を検討すると約束したことだ。

岸田氏は疑惑が報じられた時点ではまったく何の調査も行わず、新聞報道に驚いて清和会所属議員の処分に走った。閣僚を筆頭に副大臣、政務官、党役員等の全ての役職を、清和会というだけで解こうとした。政務官は1年生議員が多いことから彼らには責任はないとして、萩生田光一前政調会長が抗議して彼らだけは任務を継続した。だがその他の役職者は処分され罰せられている。これからさらなる処分、とは一体どんなことになるのだろうか。岸田氏はどこまで問題を引きずるのだろうか。ここまでくれば、全ての議員はいずれ選挙で審判を受ける。

それで十分ではないのか。

安倍総理の懸念

3月1日の「言論テレビ」で政治ジャーナリストの石橋文登氏が自民党内の動きを説明した。

「幹事長の茂木敏充、国対委員長の浜田靖一の両氏が全く機能していない。そのために森山裕総務会長が前面に出てきた。森山さんは萩生田さんの政倫審出席を止めて、岸田さんを守ろうとした」

萩生田氏は自ら政倫審に出ると申し入れたが、森山氏が萩生田氏は清和会の閥務には携わっておらず無関係だとして止めた。石橋氏が続ける。

「もし萩生田氏を政倫審に呼べば、次は二階氏だ、その次は岸田氏だという流れになる。森山氏は総裁に事が及ばないようにと、手を打っていたわけです。そんなことも全く配慮せず、岸田さんは自分が出席するといきなり発表した。これでは岸田さんを守り立てていこうという人はいなくなります」

政倫審ではもうひとつ、清和会座長及び事務総長経験者らが徹頭徹尾無責任集団であることがはっきりしたとりわけ座長の塩谷立氏の責任は重い。

立憲民主党の寺田学氏が塩谷氏に、安倍総理は政治資金の不記載を問題視していたのではないか、と問うた。

塩谷氏は、「安倍総理は『還付を現金で行うことはやめよう』とおっしゃった」と答えた。寺田氏は尚も食い下がったが、塩谷氏は「不記載」という言葉は、自分を含めて安倍総理の部屋に呼ばれた全員が聞いていないと思うと断言した。

もし、安倍総理が塩谷氏の言うとおり現金での還付はやめようと語ったのであれば、それはその行為自体が政治資金規正法に違反していることを危惧していたからだ。ノルマ以上のパーティ券を売り上げ、余剰分を個々の政治家に還元する際、それを政治資金収支報告書に記載せず現金で還付していた。この一連の動きが政治資金規正法違反だと認識したからこそ、安倍総理は派閥の座長、事務総長らに厳しく言い渡した。「現金」還付への懸念は、それが不記載のお金であり、不記載は法令違反だという認識の中でのことだったはずだ。

『正論』発行人の有元隆志氏が言論テレビで指摘した。

「安倍氏は2021年11月に派閥に戻り、清和会会長に就任しました。翌22年5月に予定されていた清和会の資金集めパーティに備えて事務局長の松本淳一郎氏の報告を受ける内、不記載問題を知り驚愕したのです。すぐに事務総長の西村康稔氏を自分の事務所に呼びつけた。これが22年2月24日のことです」

西村氏を指導したものの安倍総理の懸念は晴れなかった。再び有元氏が語る。

「2月24日に続いて、3月2日、4月7日にも呼びつけています。3月2日に招集されたのは西村氏、参議院幹事長の世耕弘成氏の他、前会長の細田博之氏です。4月7日には西村、世耕、塩谷、松本氏に加え、事務総長経験者の下村博文氏を呼んで還付金不記載をやめるよう指示しています」

有権者の審判

このような事実を知れば安倍氏が正そうとしたのが「不記載問題」だったことが分かる。塩谷氏らが理解できなかったとは実に不思議だ。

塩谷氏ら全員が、事の本質が不記載だとは気がつかなかった、と証言したが、これ以上の無責任はない。

そして立憲民主党だ。彼らはこれまで安倍氏を汚い言葉で罵ってきた。だが寺田氏は、そんなことは忘れたかのように安倍氏を持ち上げ、「安倍総理のご遺志」を蔑ろにするのかと、塩谷氏らを責めた。正論を展開しているように聞こえるが、この手の平返しの立憲民主党の言葉にも耐えがたいものがある。

塩谷氏は政治資金の還流を続けたことに関して、「還元を求めた人たちが多かった、それでそのままになった」という趣旨で答えた。だが氏は座長だった。多くの若手後輩議員たちに資金の不記載を継続させたことについて、長として責任をとるべき局面ではないかと、私は思う。検察が法的に詰め切れなかったからと言って、知りませんでしたで逃れるのは、再度言う、無責任だ。

塩谷氏が、座長の自分が悪かったとして真っ先に政界引退を宣言すれば、あるいは状況はここまで悪化しなかったのではないか。こう考えるのは、今回の問題が朝日新聞などが取り沙汰するような悪質な裏金作りだったとは思わないからだ。明白な法令違反ではあるが、朝日が強調してやまない悪質さはそこにはないと思う。だからこそ、最も責任ある人が非を認めて謝罪し、一身を犠牲にして反省の気持ちを明確に示すことが大事だった。現実には真逆の現象が起きた。責任をとるべき人々の言い訳によって、逆に有権者の反発は強まり、
怒りが増幅したのではないか。

苦々しい気持ちは自民党議員に対してだけではない。幾人かの野党議員が声高に自民党を糾弾したが、彼らにそれ程の資格があるのかとも、私は疑問に思っている。

前述したがやがて選挙になる。一人一人の政治家には日本国と国民のための政策を掲げ、有権者の審判を潔く受けてほしいと思う。