【テレビの規制は誰のため?】
この30年位テレビの表現の幅は恐ろしく狭くなった。差別語をされた言葉が大量に使えなくなった。

「めくら」「きちがい」「びっこ」「かたわ」は問答無用に禁止だが、果たして差別語なのだろうか。
 
そのせいで、諺が使えなくなった例は枚挙に遑がない。「めくら蛇に怖じず」「郡盲、象を撫でる」「めくら滅法」「めくら打ち」等もNGだ。

しかし、英語であればOKと云うのは沢山ある。「ブラインド」「マッド」「クレイジー」はOKである。
 
嘗ては「指切り」まで使わせないプロデュースがゐた。「バカでもちょんでも」もダメ。この「ちょん」は「取るに足らない小さなもの」と云う言葉だ。

文字の「点」も「ちょん」と言う。「ちょんまげ」もここから来ていると云う。
 
まるで解せないのが「片手落ち」である。片手がない身体障碍者をイメージすると云う理由らしい。

当たり前のことだが、これは片手がない人の事ではない。これがダメなら「手落ち」「首切り」「足切り」もNGと云う理屈になる。
 
今のTVでは、「見た人が傷つくと感じる映像を流さない」としている。一見、人権に配慮した考え方に見えるが、一方で非常に危険な考え方である。

一人でも傷つく人が者がゐると放送しないとする論理は、正しいようでどこかおかしいと云う氣がする。
 
刑事ドラマで犯人が車で逃走する場面がある。この時、犯人は必ずシートベルトをしなければならない。
もし、そうしないで放送すると、テレビ局は警察から注意されるからだ。
 
他にも、赤信号を突っ切る、歩行者の走行妨害、蛇行運転、単車のノーヘルメットも禁止。

カーチェイスで車をぶつけるなどもってのほかである。しかし、道路交通法を守る犯人がゐる事自体矛盾している。
 
殺人を犯す場面はOKで、交通規則を守らない場面は禁止、とする警察の規制もおかしい。

例えドラマであっても、道路交通法を守らねばならないとする事だろうか。

以上「大放言」百田尚樹著より

続いて「頂門の一針 6805号」より転載します。

【結論が出たら謝らずに公表】

【BOOK】結論が出たら謝らずに公表 慰安婦=性奴隷を否定今後も戦い続けるハーバード大学教授、J・マーク・ラムザイヤーさん 

 日韓関係が改善ムードにある中、歴史問題の懸案が横たわっている。慰安婦問題をめぐり、日本研究の大家である、米ハーバード大のJ・マーク・ラムザイヤー教授が2020年に世間に流布していた「性奴隷」説を否定する論文を発表した。研究成果や、批判への応答を含めた"戦いの記録"を出版し、「学問のために戦い続ける」と決意を示す。

──1990年に戦前日本の公娼制度の研究を始めました

 「法律が専門なので、面白い契約に関して書こうと思っていました。公娼の場合は、警察に届け出るので、戦前の東京では警察の整ったデータがありました」

──2020年の論文で、慰安婦は売春を強いられた「性奴隷」ではなく、あくまで日本国内の公娼制度の延長線上にあることを示しています

 「日本社会の書類を集めていると、慰安婦の書類も出て来る。時間をかけて読み進めると、慰安婦の契約も、30年前の公娼制度の契約に関する分析がそのまま当てはまる。面白いと思って、8ページ程度のすごく短い論文を書きました」

──延長線上とはいえ、東京の公娼よりも慰安婦の方が「待遇が良い」という違いもあります

 「東京の公娼は6年契約なのに、慰安婦の方は2年契約と期間が短い上、やや金額も高かったのです。東京にいる公娼は割と安全ですが、海外の慰安所は、近くで戦闘が行われていたり、ジャングルの奥地だったりと危険が伴います。慰安所を運営する側もリスクの中でしっかり働いてもらう必要があるため、互いに納得できる契約をとる必要があったのでしょう」

──「慰安婦=性奴隷」説は1996年に国連の特別報告者、クマラスワミ氏の報告書で世界的に広がりました

 「朝鮮半島で女性を強制連行したと偽証した吉田清治氏の証言がもとになっているようですが、バカな話だと思いました。米国の学者が日本に関して、粗雑な発信をするのは普段からよくある話ですが、日本の歴史や、文学を専門とする研究者までも『慰安婦=性奴隷』と話をするようになった。『これでも日本研究者といえるのか』と疑問を抱きました」

──論文公表後には、同僚を含む米国や、韓国などの研究者らから強い非難を浴び、論文撤回の署名運動も起きました

 「びっくりしましたね。朝鮮半島をまったく知らない人が『ラムザイヤーが慰安婦について大変なことを書いた』ということでサインする。『ラムザイヤーを批判しないと自分が批判される』ことを恐れる臆病だとしか考えられません」 

──日本では支持する声も少なくありませんでした。当初から世間に発信しようという思いはあったのですか

「発信しようと思っていたのですが、僕の論文は誰も読みません(笑)。皮肉なことに日本の知人から、批判がなかったならば、数少ない専門家と、あなたのお母さんが読むだけのものだったといわれました」

──研究者として思うところもありますか

 「研究者として自分が研究したいことをして、結論が出たら謝らずに公表する。学者として何も悪いことをしていないのなら絶対謝らない姿勢を前もって決めることです。正しいことしか言わないのは、学問というよりも人間の基本です。今後も戦い続けます」

──朴槿恵(パク・クネ)政権当時の2016年、前年の日韓合意に基づき、日本政府が拠出した10億円を財源に元慰安婦や遺族に対する現金支給などの事業を行う「和解・癒やし財団」を設立。それが、文在寅(ムン・ジェイン)政権下で突如解散されました

 「政府が15年の合意で『おしまい』といったが政権交代があって解散した形です。あれをみてあきれました。どうすれば韓国と交渉ができるのだろうかと思いましたね」

──日本は韓国にどう向き合うべきですか

 「米国の研究者はすぐ日本に『ああしろ、こうしろ』といいがちで、最近は駐日大使までも注文をつけているようで、口に出したくない気持ちもありますね。日米韓も仲良くすべきだとは思いますが、韓国に対しては交渉をする上でも歴史は歴史として、性奴隷ではなかった、とはっきりいうべきです」


「慰安婦=性奴隷」説に異論を唱えた2020年の論文や、その批判への反批判、研究の契機となった戦前の東京の公娼の「年季奉公契約」に関する1990年論文などを収録する。「年季奉公契約」は雇用側が報酬を前払いし返済次第、契約期間を終えるもので、慰安婦の契約も類似しているとしたゲーム理論で、女性側は、リスクの高い業務のために十分な報酬の保証を求める一方、売春宿側は顧客を満足させるよう働いてもらわなければならない動機付けが必要になるという両者の利害から生まれた契約と分析。「奴隷」であることを否定した。

■J・マーク・ラムザイヤー(John Mark Ramseyer) 1954年生まれ、米シカゴ出身。米ハーバード大学ロースクール教授、同ライシャワー日本研究所日本法学教授。生後6カ月で、宣教師の父とともに来日し、高校まで日本で過ごす。大学入学時に帰国し、ハーバード大ロースクール修了後、UCLA、シカゴ大教授などを経て現職。2018年に旭日中綬章受章。著書多数。邦訳書に『法と経済学─日本法の経済分析』(弘文堂)など。(取材・海野慎介)

☆☆☆☆☆☆☆☆  松本市 久保田 康文  夕刊フジ令和6年3月9日号採録