【事実を言えば人種差別と言われる?】
(読者の声1)
 マルコポーロ事件があった。ある医者がアウシュビッツを訪れ、従来言われたようなナチスによるガス室での大量虐殺に、具体的な根拠を示して疑問を投げかけたものであった。

それに対して行われたのはユダヤ人団体による言論封殺であった。反ユダヤ主義だとの決めつけによるものであり、記事の間違いを指摘したものではない。彼らのネットワークを駆使しての言論弾圧であり、日本のマスコミもその言論弾圧にはダンマリだった。

2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃、イスラエル反撃の際、ペンシルベニア大学の学生が集会を開きイスラエルがパレスチナの市民を殺戮していることを抗議した。すると直ちにA氏(仮名)が大学に対して抗議文書を作成し広く公開した。ハマスを支援する学生たちは反ユダヤ主義だ、彼らを処分しないのであれば大学への寄付金数千万ドルを引き揚げる、というものだった。

ハマスとパレスチナを意図的かどうかは分からないが混同していた。さらには同じユダヤ人の大口寄附者たちや、大手企業の経営陣に対してこれらの学生たちを特定し、彼らを就職させるなとまで呼びかけていた。これらのことが他の大学へ寄付しているユダヤ人団体にも呼びかけられた。

しかも、これらは10月8日のことだった。いかにも早業というか、連携が取れているというか、まるで事前に準備されているかのようだった。

我が近隣では上記の事件の頃、隣町(と言っても十数キロ離れている)でビルの壁に何者かが鉤十字をスプレーで書いた事件があった(誰がやったかは不明のまま)。以前に近隣の町でユダヤ人の墓に同様のスプレーで鉤十字が書かれた事件があったが、後でそれは偽旗だとわかった。

今度も反ユダヤ主義かどうかは分からないという意見がSNSで出された。すると我が団地のあるユダヤ人の家の前庭に、「反ユダヤ主義者はこの町には生かしておかない」というプラカードが立てられた。5ヶ月を経た今でも立っている。

外国の読者から人種差別と言われるとして心配をしておられる方のご意見があったが、事実に基づいたご投稿を人種差別だと言い募る人は誰もいまい。いるとしたら「あの方々」か、或いはあの方々に脅された経験をお持ちの方ではなかろうかと愚察する。
(費府の飛行士)

(宮崎正弘のコメント)小生もポーランドの古都クラコウに宿をとって、アウシェビッツを取材したことがあります。あの設備でホロコーストが無理なことは一目瞭然です。アムステルダムのアンネフランク記念館は長蛇の列、ネットで予約しないと入れません。

 深くものを考えない人々、その心情をたくみに洗脳したわけですから、近代的な「認知戦争」の嚆矢は彼らですね。

 日本でもマルコポーロ事件に限らず、T社もやられましたし、書籍回収を強要されたD社は倒産に至りました。出版界において、この問題は依然としてタブーです。

以上「宮崎正弘の国際情勢解題」より。

続いて「頂門の一針 6796号」より転載します。

【中国が台湾を力で統一する日】
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【高橋洋一「日本の解き方」】研究するロシアの国連ルール破り 米大統領選次第で日本に重責 タブーなき安全保障の議論を

 台湾の離島、金門島周辺の海域で中国の漁民が死亡したのをきっかけに、中国海警局の艦艇が巡視活動を行うなど威嚇を強めている。王毅共産党政治局員兼外相が主宰した「対台湾工作会議」では、「『台湾独立』の分裂行為に断固として打撃を与え、外部勢力の干渉を阻止する」との方針が示されたが、中国と台湾の緊張はさらに高まるのか。日本はどのように対処すべきか。

 習近平国家主席は3期目の目標として「台湾統一」を掲げており、これを絶対に成し遂げるとしているが、結果としては台湾の現状変更になる。しかし、台湾の頼清徳副総統は「現状維持」を公約として総統選を制した。「現状変更」か「維持」かでは大きな差がある。この差は話し合いによって埋まる可能性は少ないので、残念ながら、力による解決とならざるを得ないだろう。

 力による現状変更は、国際社会のルールでは認められていない。だが、国連の常任理事国であるロシアがそのルールを破り、ウクライナを侵攻した。

 中国としては、ロシアによるルール破りを相当研究しているはずだ。中国が力による現状変更として台湾統一に踏み切った場合、国際社会からどのような制裁を受けるのか。台湾に対してどのような支援があるのか。最終的に現状変更が成功するのかどうかを見極めているだろう。 

 ポイントとなるのは11月の米大統領選だ。「ジョー・バイデン大統領対ドナルド・トランプ前大統領」の様相だが、どちらが中国の野望達成に好都合なのか。米議会は超党派で中国に厳しいが、やはり米政府のスタンスの差は大きい。もしトランプ氏が大統領に返り咲いた場合、ビジネス的には対中国で強硬姿勢だが、安全保障面では中国と対峙(たいじ)せずに、「台湾のことはアジアに任せる」と言い出しかねない。「ウクライナのことは欧州でやれ」というのと同じロジックだ。

 トランプ氏は、イスラエルについて関与するのは確実だ。となると、「台湾はアジアの問題」と言いかねないのだ。

 となると、中国は11月の米大統領選の帰趨(きすう)がはっきりするまで、簡単には力による現状変更はやらないのが得策だろう。

 「台湾有事」になれば、「日本有事」にならざるを得ない。さらに、台湾のことはアジアの問題となれば、日本が前面に立たざるを得なくなる。そのうえ、北朝鮮も韓国に対する敵意をむき出しにして、軍事力に自信を持ち、韓国との対立も辞さないと考えているフシもある。米国が自国優先主義でアジアに本腰を入れず、韓国も北朝鮮対応で忙しいとなると、日本のアジアにおける役割は重大だ。

 これまで日本は安全保障で厳しい判断をしなくてもよかったが、今回はそうもいかない。非核三原則の見直し、核共有の実施、米国、英国、オーストラリアの安全保障の枠組み「AUKUS」への参加など、これまでタブーとされてきた難題を検討し、まともな国防を考え、実行する絶好のチャンスと思うべきだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一)

☆☆☆☆☆☆☆☆ 松本市 久保田 康文  夕刊フジ令和6年3月1日号採録