【陸海軍特別攻撃隊の出撃と戦果】
日本軍は太平洋上で米軍との戦いに敗れていくと、命中率を上げる為に爆弾をつけた戦闘機を敵艦に体当たりすると云う「特別攻撃(特攻)」を行った。

この特攻の事を、海軍では神風特別攻撃隊(神風特攻隊)、陸軍では振武特別攻撃隊(振武特攻隊)と云う。

戦後、米軍が発表した「米国戦略爆撃調査団」報告書には、昭和十九年十月から翌年八月までの十か月間で、「2250機の飛行機を犠牲にして、連合軍の艦船に474機を命中させた。命中率は18.6%だった」と書いてある。

しかし、最近明らかになった米海軍の機密文書では、昭和十九年十月から翌年三月までの特攻機の命中率は、平均39%、至近弾も入れると平均56%にも上っている。

亦、昭和二十年四月の統計では、173機の特攻機の内實に61%が命中し10%の特攻機が至近弾として敵艦船に被害を与えている。

つまり、四月には合計71%もの特攻機が敵艦船に被害を与えた事になる。魚雷や大砲の命中率が2%程度であった事から、これは素晴らしい戦果と云えるだろう。

この特攻の被害があまりに深刻な為に、一時は、米軍が沖縄への上陸を諦めようと真剣に考えたほどだ。

よく特攻と平成十三年のイスラム過激派による米国へのテロ事件(9.11事件)を混同されるが、根本的な誤りがある。

日本の特攻は「戦時国際法」に則り、武装した米軍を攻撃したのに対して、9・11は非武装の一般市民を無差別に攻撃した事である。

武装していない一般市民を狙ったテロ行為は卑怯であり、如何なる理由があろうとも許されない。

ビルマの初代首相バー・モウが、「特攻隊は、世界の戦史では見る事のできない愛国心の表れであった。今後数千年の長きにわたり、人々に語り継がれるに違いない」と述べたように、この特攻隊の自己犠牲に勇気づけられたアジアの人々は、戦後も日本軍と共に独立戦争を戦っていくのである。

以上「日本とアジアの大東亜戦争」吉本貞昭著より

続いて「頂門の一針 6786号」より転載します。

【「裏金」には課税するのが当然だ】
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【高橋洋一「日本の解き方」】 これまでは税務当局がお目こぼし、弱点を握り財務省の言いなりにさせる政治家操縦術か

 今年も確定申告の受け付けがスタートした。会社員や事業主にかかる税金のシビアさと、対照的に政治家のルーズさには驚かされる。政治家の収入や税金の扱いについてはどのようにすべきだろうか。

 今は確定申告で手いっぱいという人も多いだろう。筆者もその一人だが、経費精算のために不可欠なものといえば、領収書だ。

 しかし、政治家は、政治資金といえば、領収書なしで原則非課税だ。これでは一般納税者の怒りは収まりそうにない。しかも、裏金がバレても政治資金収支報告書で修正さえすれば非課税というのは、はっきり言ってしゃくに障る。

 国税庁は毎年、確定申告前に議員へ向けて「政治資金に係る『雑所得』の計算等の概要」と題する文書を作成しているが、そこには「政党から受けた政治活動費や、個人、後援団体などの政治団体から受けた政治活動のための物品等による寄附などは『雑所得』の収入金額になりますので、所得金額の計算をする必要があります」とわざわざ下線が引かれて書かれている。 

 であれば、裏金、キックバック(還流)は雑所得となるはずだ。政治資金団体の場合には、政治資金は非課税というのは一理あるが、個人では国税庁文書のように雑所得であり、課税は言い逃れができない。

 もっとも、こうした裏金騒動で、脱税として扱われる案件はあまり聞かない。これまで、税務当局がお目こぼしをしてきたのだろう。

 国税庁幹部はほぼ例外なく財務省出身だ。課税処分せずに政治家の弱点を握ったまま、財務省の言いなりにさせるというのが政治家操縦術ではないかと邪推してしまう。

 キックバックの対象が、政治家個人であるのは当然だ。そうではないと言い張っても、通用しないだろう。

 政治家とはいえ国民なので、「納税義務がある」との一言で、議論にならない問題だ。

 筆者は、政治家がこの程度のカネをケチって財務省に弱みを握られることを恐れる。払うものをキチンと払って、財務省に対峙(たいじ)してほしいからだ。 

 一方、自民党の森山裕総務会長は、党として課税問題を議論しないと言った。

 皮肉を込めていえば、「政治家個人に納税義務があるので、議論するに至らない」という考えなら、当然となる。

 もし本当に過去5年分の修正申告をしなかったら、今後、政治家を信じる国民はいなくなるだろう。

 税と民主主義を表す言葉として「代表なくして課税なし」がある。18世紀後半の米独立戦争は、代表者を母国の英国に送れないのに不当な課税があることを納得できないということで始まった。その反対運動の中で生まれた言葉だ。

 それをもじれば、「課税なくして代表なし」となる。要するに、納税義務を果たさない政治家は、国民の代表たり得ないと言っていいだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授)

☆☆☆☆☆☆☆  松本市 久保田 康文   夕刊フジ令和6年2月21日号採録