【最高神が女神は日本のみ】
世界の主な国の神話や、宗教のなかで、最高神が女神であるのは、日本だけだ。
朝鮮神話の檀君、中国神話の天帝、インドのヒンズー教の主神のシバ、 ヒンズー教から生まれた釈迦、同じ唯一神を拝んでいるユダヤ・キリス ト・イスラム教も、ギリシア・ローマ神話のゼウスとユビテル、北欧の オーディンなど、みな男性神である。

女性の特技はやさしさである

天照大御神は主神であるものの、他の男の主神たちと違って、絶対権力を握っていない。日本はつねに神々が神(かむ)謀(ばか)って、あらゆることを集議制によって決定している。日本は女性が優っている文化なのだ。

父親ができる子供とできない子供を、区別して競わせるのに対して、母親はできる子も、できない子も均しく愛して、守ってくれる。
父親は子に 義務を課すが、子はやさしい母親に甘える。

【母国と父国の違いは大きい】
日本では祖国のことを、母国と呼んでいる。私たちが国に対していだく イメージは、母親なのだ。父親を連想しない。

フランス語で祖国はpatrie(父国)であって、母国という表現がない。
英語でも、ドイツ語でも、父国――fatherland, Vaterlandという。

愛国者は英語でpatriot, ドイツ語でPatriot, フランス語でpatriote, イ タリア語でpatriotaというように、ヨーロッパ諸語の根となっている、 ラテン語の父国patriから発している。父国に対する忠誠なのだ。もちろん、ラテン語に母国という言葉はない。

私たちが「愛国」という時には、母なる国を愛しているのだ。

いまでも日本では、母を母堂というが、なぜ、父堂がないのか。どうして、構内のもっとも主な家を、母屋(おもや)というのだろうか。

以上過去の「頂門の一針加瀬英明氏」より

続いて「頂門の一針 6775号」より転載します。

【安倍晋三と山本太郎】 被災地訪問の違い 阿比留瑠比

令和六年の元日に発生した能登半島地震は、石川県を中心に甚大な被害をもたらした。当然、SNSでも地震をめぐる投稿が目立ったが、その中でもある野党党首と安倍晋三元首相の言動をめぐって気になるやりとりがあった。

X(旧ツイッター)では、れいわ新選組の山本太郎代表が一月五日、能登半島北部の被災地で炊き出しのカレーを食べる様子を投稿した件についてまず次のような批判が相次いだ。

「被災地の方のための炊き出しを食べるのはどうか」
「現地に負荷かけていないか」

道路があちこち遮断され、支援物資の搬送もままならない時に、政治家が目立つためのスタンドプレーで現地に迷惑をかけるなというわけである。

当然の反応だといえるが、すると翌六日には、れいわの支持者とみられるアカウントが、平成二十三年三月の東日本大震災時の話を持ち出し、こんな反論をして話題になっていた。

〈【安倍晋三「おいしい。おいしい。」被災直後の福島に支援物資を運び、炊き出しのカレーを食べる】あれれネトウヨさんww 山本太郎叩いてましたよねwww〉

この投稿には、福島を地元とする自民党の亀岡偉民衆院議員がこう述べる画像が添付されている。

「安倍先生は『大変だったでしょう』『われわれは何としても助けますから』『頑張ってください』と、被災者の方々を優しく励まし、全員と握手していた。昼からスタートして終わったのは夜9時過ぎ。帰りに、私の福島市内の事務所に寄ってくれた。炊き出しの残りのカレーを、安倍先生が『おいしい。おいしい』と言って食べている姿は忘れられない」

安倍元首相も被災地に行ってカレーを食べたではないかという趣旨だが、もちろん事実関係を歪めた悪意ある投稿である。これには早速「Nathan(ねーさん)」というアカウント名でこんな再反論が加えられていた

「安倍元総理は2011年3月26日に福島に支援物資を運んでいますが、これは東北自動車道が一般車両に開通された日であり、現在の能登半島とも状況が異なります。山本太郎と一緒にするな。なお、安倍さんは同年4月8日や29日にも支援物資を宮城県内に搬入していました」

発災四日後に被災地でカレーを食べた山本氏の事例とは状況が全く違うことが理路整然と説かれていて、一読ほっとした。SNSはこうした双方向のやりとりができるという点で健全だなと感じたのだった。

野党議員として被災地訪問

筆者の手元に、平成二十三年五月に安倍晋三事務所が発行したニュースレターがある。そこでこれをもとに、野党の一議員だった安倍氏が被災地でどんな活動をしていたかを改めて紹介する。

表紙には、福島県南相馬市の被災した老人ホーム「ヨッシーランド」の前で、津波の後の余りの被害の大きさに愕然とする安倍氏の横顔を写した写真が掲載されており、安倍氏の被災地での活動が紹介されている。

《3月26日》福島被災地を回る

「震災から二週間が経過した3月26日の土曜日。被災地の福島県を訪ねました。まだガレキの除去も終わっていない南相馬市、相馬市、新地町、福島市を回りました。世耕弘成参議院議員が調達した10トントラックと5トントラックに支援物資を積み、私と世耕さんは5トントラックに乗り込んで、早朝国会を出発しました。

(中略)
避難所の皆さんが助け合いながら懸命に頑張っている姿に感動しました。支援物資として飲料水、食糧、男女の下着などを用意しましたが、物資を受け取る際の秩序正しさ、感謝の気持ちの言葉に触れ、そこに日本人の美しさを見出しました。まだこの時点では被災地のガソリンや軽油が不足しており、政府の迅速な対応の必要性を痛感しました。

(中略)
現地に迷惑にならないよう事前公表せず、また県庁などには連絡せず、落選中の亀岡偉民前衆議院議員に案内してもらいました」