2024年6月5日
By Adam Shinder(NIPPERTOWN)
ジョン・アンダーソンは、プログレッシヴ・ロックの代表的な声のひとりとして60年近くを過ごしてきたが、イエスの創設者であるフロントマンが自身のキャリアにサウンドトラックを提供してきた曲を歌うときには、いまだに子供のような喜びがある。
「世の中には不幸なことがたくさんあるけれど、僕の気持ちは人生の光と喜びを見つめることなんだ」とアンダーソンは最近のインタビューで語った。
「リハーサルで『Heart of the Sunrise』を歌っていて、とてもとても感情的になった。『Awaken』を歌っているとき、クレイジーだったけれど、泣いていたんだ。リック・ウェイクマンがイエスに復帰したとき、あの美しい曲に興奮していたから、まともに歌えなかった。スイスでレコーディングしていた時、リックがバンドに戻ってきたんだ」
アンダーソンと彼の新しいバックバンド、ザ・バンド・ギークスは、Yes Epics, Classics and Moreツアーの2024年ツアーを開始したばかりで、木曜日の夜8時にアルバニーのザ・エッグにあるキティ・カーライル・ハート・シアターでコンサートを行うためにキャピタル・リージョンにやってくる。
アンダーソンとザ・バンド・ギークスのコラボレーションは最近のことだ。79歳のシンガーがこのグループに出会ったのは、約1年半前である。
スタジオ・エンジニアで現ブルー・オイスター・カルトのベーシスト、リッチー・カステラーノが自身のポッドキャストのハウスバンドとして結成したこのグループが、1971年のイエスの名曲 「Heart of the Sunrise 」を演奏しているビデオが、シリウス・サテライト・ラジオで働く友人から送られてきたのだ。
「彼らはとても幸せそうで、素晴らしいサウンドだった。だから彼らと連絡を取って、ベースのリッチにツアーに行こうと言ったんだ」
昨年、「Heart of the Sunrise」、「Roundabout」、「Yours is No Disgrace 」といったおなじみのイエスの名曲を演奏したことも、アンダーソンに新しい音楽を生み出すインスピレーションを与えた。
そのインスピレーションは、今夏リリースされるニュー・アルバム『True』へと結実した。
「ライヴを観に来て、アルバムを手にした人たちは、タイムマシンのような感覚を味わうだろう」とアンダーソンは言う。
「イエスはなくならない。イエスの音楽は生き残っている」
「僕はクリスと一緒にバンドを始めたが、良い音楽を作り、人生の混乱を乗り越えてきた長い歴史がある。『ロンリー・ハート』のツアー中、世界中でNo.1になったとき、思ったね。これはクレイジーだ。いつまで続くかわからない。でもブラジルで50万人の観客を前にプレイできるんだ。ああ、あれは45年前(注.原文のママ)のことだった。でも、僕はまだ自分の信じる音楽を作っている」
アンダーソンが現在行っているツアーでは、『True』を少し披露することになるだろうが、おそらく「新しいツアーでは、観客がどう感じるか確かめるために短い曲を披露する」程度だろう。
というのも、イエスの古典的な精神に則り、今度のアルバムからの2、3曲は約16分もあるのだ。
しかし、ほとんどの場合、アンダーソンとバンド・ギークスは、観客が期待しているイエスの名曲を聴かせてくれるだろう。
それは時の試練に耐える音楽だとアンダーソンは言う。
「狂気の沙汰だよ。まだ音楽として成立している。1970年代初頭に書かれたようには聞こえない。50年前の曲とは思えない。とてもフレッシュでエキサイティングなサウンドだ」
「バナナだよ。いろんな意味で美しい。僕が外で名曲を歌っていると、観客が一緒に歌ってくれているのを感じるんだ。彼らはそれをよく知っているからね」
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