◼️英PROG誌のジェリーより



2024年5月1日

By Jerry Ewing(Prog)


ジョン・ウェットンの未亡人リサは、最近発表されたエイジアの新ラインナップと今後の北米ツアーについて、ウェットンは 「音楽が生き続けることを望んでいた 」ため、「支持しただろう 」と明かし、「現在のラインナップは、ジョンが生きていたとき以来経験したことのない新鮮なエネルギーを音楽に与えている 」と付け加えた。


エイジアは最近、創立メンバーのジェフ・ダウンズ、ジョン・ミッチェル(イット・バイツ、ロンリー・ロボット、キノ、フロストなど)、プラネットXのドラマー、ヴァージル・ドナーティ、そして昨年のジョン・ウェットン・トリビュート・ライヴでエイジアのラインナップと共演した新人のハリー・ウィットリーからなる新ラインナップを発表した。


概ね好意的に受け止められている一方で、 オリジナル・ラインナップは2006年に再結成されたものの、エイジアのオリジナル・ラインアップが当初存在していたのはわずか2年で、その後のバンド・ラインアップの変動は激しかったという事実にも関わらず、この発表はオリジナル・メンバーの不足を訴える一部のファンから非難を浴びた。


スティーヴ・ハウはイエスのリーダーとしての役割に落ち着いたようであり(彼はまた、彼らのラインナップについてネット上で苦情の嵐に直面している)、カール・パーマーは自身のライヴ活動で忙しいため、この3人が現代の再結成を成功させるのは難しいように思える。

またダウンズと、90年代のバンドでウェットンの後任を務めたジョン・ペインの関係は、現在ベストな状態ではないと推測できる。


リサ・ウェットンは声明の中でこう語っている。

 「私の最愛の夫であるジョン・ウェットンが人生の終わりに近づいていることを悟ったとき、彼は自分の音楽的遺産を最も親しい人たちによって守ってもらいたいという願いを真剣に明かしました」


その結果、ジェフ・ダウンズは大きな情熱をもって、この7年間、エイジアの音楽をツアーすることで、その願いを守り続ける最前線に立ってきた。

昨年8月、ジェフはイギリスのジョン・ウェットン・トリビュート・コンサートで、素晴らしいミュージシャンたちを集めてエイジアのベストを披露した。このショーは、5時間に及ぶ夜の感動的な最終セットであり、驚異的なハリー・ウィットンのリード・ヴォーカルを初めて外の世界で聴くことになった。


ジョン・ウェットンと不気味なほど似た音色を持つハリーの歌声に、私を含めほとんどの人が唖然とした。ジェフはウィットリーをより多くの聴衆に紹介し、私たちは皆、これが何か特別なことの始まりになる、つまりエイジアの新たな一章になることを知っていた。少なくとも、トリビュートを見た私たちの多くはそう期待していた。


それから9ヶ月が経ち、ジェフ・ダウンズはリード・ヴォーカルとベースのハリー・ウィットリー、ギターのジョン・ミッチェル、ドラムのヴァージル・ドナーティと、伝説的なフォーカス、マーティン・ターナー(元ウィッシュボーン・アッシュ)、カーヴド・エアと共にエイジアの音楽をアメリカ東海岸に広める。


他のメンバー抜きでのエイジアを本当のバンドではない、と否定するのは簡単だ。

しかし、この発言には問題がある。ジョン・ウェットン自身、音楽が生き続けることを望んでいたので、このツアーを支持したはずだ。

ジェフが先導する限り、彼は名前が残ることを望んだだろう。名前を変えることはジョンの意思に反する。

これはまだエイジアであり、現在のグループは音楽の完全性を尊重するためにジェフ・ダウンズと密接に働いている。

私はそれを見て、今のラインナップに安心感を覚えた。ジョン・ミッチェルは、ジョン・ウェットン・バンドとアイコンのメンバーで、親しい友人でもあった。

ヴァージルはUKのツアー・ドラマーとして様々な場面で演奏していた。


現在のラインナップは、ジョンが生きていたとき以来味わったことのない新鮮なエネルギーを音楽に与えている。私は個人的にこのツアーを支援することに興奮している。ぜひお近くの公演に足を運んで、レガシーを応援してほしい。


出典:

https://www.loudersound.com/news/john-wetton-himself-would-have-endorsed-this-tour-as-he-wanted-the-music-to-live-on-wettons-widow-thrilled-with-new-asia-line-up


◾️ジェリーは擁護していますが、新ラインナップが単にライヴを行なうだけの懐メロバンドになるのか、それとも新作を作るのか、あたりでも評価は別れるでしょう。


現在のイエスについてハウが「苦情の嵐に直面している」と初めて知りました。申し訳ないけど、イエスが新作を作ってもなお、その苦情も理解できます。


どちらのバンドも見切りをつけられないファンゆえの悩みでしょうか。好きじゃなかったらハナから気になりませんからね。



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