ボックスセット『Air Born』に収録されているのは、新リマスター、新ミックス、ボーナストラックなどで発表されていたライヴの演奏順完全収録、デモ音源の時期別集約、ハイレゾや5.1ミックス、12インチシングル、DVD収録曲のCD化などなど、全体がこれまで未発表曲集のようなものですが、完全に未発表だったとする音源がいくつかあります。

今回CD27枚に収録された299曲の中からお初にお披露目された音源をチェックしてみました。


まずはミラージュ・セッションの6曲

DISC TWO

M6 - Earthrise(デモ)

一聴して中間部のギターソロが異なっています。全体の尺も長くなっています。


M7 - The Traveller(デモ)

これはアルバムに収録されなかった未発表曲ですね。

アンディさんが歌って、彼らしいギターを弾いています。CD時代だったらカットされなかったかも。


M8 - Supertwister(デモ)

キーボードが違います。オルガンがオーバーダブされていない素のバージョンです。尺も若干短いです。


M9 - The White Rider(デモ)

イントロがなく、いきなりボレロの導入部から始まりますが、エフェクターのかかっていない素のギターサウンドになっています。

バッキングがメロトロンからオルガンになっていて、ギターのサウンドも全然違いますね。

キーボードソロもかなり違いますし、ギターのカッティングのバッキングもありません。かなりのデイファレント・バージョンで面白いです。


M10 - Lady Fantasy(デモ)

いきなりイントロのキーボードのサウンドから違います。ヴォーカルに被さるオルガンも違いますし、最終バージョンのようにリヴァーヴもかかっていません。

全体的なサウンドも最終バージョンのようにクリアでプレゼンスのあるものではありません。


(ミラージュ・セッションの続き)

DISC THREE

M2 - Autumn

これはDVD『Raindances』に収録されていた未発表曲の初CD化です。


DISC EIGHT

75年10月のロイヤル・アルバート・ホール公演(オーケストラ入り)から

M18 - アンコールで演奏されたLady Fantasy

『A Live Record』(「ライヴ・ファンタジア」/ いろいろなライヴのコンピレーション盤)の一部やボーナストラックに収録されていたこの日のコンサートが、これでコンプリートになりました。


DISC NINE

『Moonmadness』から

M9 - Chord Change(デモ)

これはスタジオ・ランスルーです。曲が始まる前にメンバーの声が入っています。


M10 - Lunar Sea(デモ)

これも上記と同じスタジオでのデモです。後でオーバーダブされたSEなどが入っていません。


以上9曲でした。



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このデモは最高で、セルフ・タイトル・アルバムをレコーディングしてからのバンドの音楽的成長を見事に捉えており、デビュー・アルバムと『ミラージュ』の間にこれまで欠けていたリンクを形成している