◾️80年代の空気と「オシャレな」キャメル



Artist:Camel

Title:Pressure Points(ビデオ)

Year:1984


ボックスセット『Air Born』のDISC 32に収録されている『Pressure Points』のブルーレイを観ました。(初見です)



1984年5月11日のロンドン、ハマースミス・オデオン公演を収録したビデオです。ここは20年以上前にイエスを観たことがある会場です。

アルバム『Stationary Traveller』(1984)のリリースに伴うライヴですが、バンドはこの後レーベルの契約を失い、アンディさんもアメリカに移住してキャメルは活動休止となります。


80年代は内省的なプログレは似合わない時代の空気でした。キャメルも90125イエスやGTRのようなロック・アイドル路線だったのでしょうか。冒頭からいかにも80年代らしい俳優が演じるムービーが挿入されています。

アンディさん以下のメンバーのいで立ちもこぎれいで、おしゃれなファッションに身を包み、時代を感じます。

若い頃に80年代を過ごした者の一人としては、当時を思い出して、なんか居心地が悪くて小っ恥ずかしくなりました(笑)


観ていてなんかステージ上の人が多いな、と思ったら、この時のラインナップは、

Andrew Latimer – lead guitar, flute, vocals

Colin Bass – bass, vocals

Paul Burgess – drums, percussion

Ton Scherpenzeel – lead keyboards

Chris Rainbow – vocals, keyboards

Richie Close – keyboards(サポート)

の6人編成で、この時点でなんとトリプル・キーボード。

Richie Closeが他のキーボードに被せるシンセのサウンドがとても新鮮です。

そして完全にアンディさんのバンドになっていました。


黙々とプレイするPaul BurgessとRichie Closeの若い二人のイケメンぶりが際立っていましたが、見て一番驚いたのは若々しいコリンさん。彼の特徴的な眉毛がなければわからなかったでしょうね。軽やかにリズムに合わせて体を揺らしながら演奏するルックスが、初見の自分には全くの別人に見えました。サーセン。


前半は自分的には馴染みの薄い『Stationary Traveller』の曲を中心に演っていますが、終盤『スノー・グース』の曲(「Rhayader」と「Rhayader Goes to Town」)になると何の紹介もなく突然ピーター・バーデンスのオルガンが登場。

バック・ショットしか映らないのでよく見えないのですが、ピアスをしたオルガン弾きのサウンドは紛れもなくバーデンスでした。そしてメル・コリンズも登場し、サックスを披露しました。

の「Lady Fantasy」も二人は演奏してソロを披露しています。でもコリンズはどアップで映るのに、オルガンソロのショットはまるで無しの塩対応(涙)



二人はゲストだったようですが、「8人イエス」ならぬ「8人キャメル」状態となりました。

最後の挨拶でバーデンスが見えるかな、と思ったら、またしてもエンディングは80年代風ムービーで終わってしまいました。


ビデオ全体に漂うのは、80年代特有のなんか浮かれたような気恥ずかしさ。でもCDで聴くよりビデオで観た方が絶対に面白いです。




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