■ イエス初のCDを調査しました。
最初にLPではなくCDフォーマットでイエスのアルバムをリリース時に購入したのは『ビッグ・ジェネレイター』(1987年11月10日発売)の日本盤(32XD-559 / 3,200円)でした。国内でLPと同時にCDが発売されたのは初めてでした。
したがって日本盤のそれ以前のタイトルのCDはすべて再発ということになると思います。
しかし、発売時にリリースされたイエスの最初のCDは『90125』の米国盤(90125-2)のようです。1983年11月11日の発売だと思われます。(1983年のCDリリースは米国のみ)
これはいわゆる長い箱に入った「ロングボックスCD」と呼ばれるもので、盤は日本ビクターが製造しました。
盤面のブルー(水色)の枠が目印で、盤面にMADE IN JAPANと刻印されています。
『90125』欧米盤は1984年のリリースまでこの日本ビクター製造盤が使われています。
ただし、同じ水色枠でも西ドイツ製造盤もあるようで(下記解説サイト)、それにはMADE IN JAPANの刻印がありません。
WEA(ワーナー・エレクトラ・アトランティック)及びATCOの80年代初期〜中期のCDは日本や西ドイツ製造の盤を使用しており、その多くの「的(マト)」のようなデザインから「Target(ターゲット)CD」と呼ばれています。
初期のターゲット盤を含むCDはヴァイナル用のマスターをそのまま使っていたそうです。
そのため「素の音」という人もいますが、リマスタリングやデジタル変換技術も機材もまだ稚拙で、その結果、音圧、ダイナミックレンジ、SN比すべてにおいて最新のものにはかないません。またエディットもヴァイナルと同じです。
しかし、『90125』のロングボックスCDなどは今でもeBayなどで箱付きで売られていますので、ターゲット盤のコレクターがいるようですね。
なお一部の80年代初期の西ドイツ製造盤(特に金色のもの)は劣化が早く、既に再生不能になったものが多く出ているとの報告があります。
『90125』の欧州盤は米国盤の翌年の1984年にリリースされましたが、これはピンクの盤面の西ドイツプレス盤で、これもターゲット盤です。
🎯「的」のようなデザイン
日本でもこの西ドイツ製造盤を使って、通称「金帯」として発売されました(38XP-71)
これが国内盤で最初のイエスのCDだと思われます(1984年)。当時3,800円という高額な値段がついていました。
CDプレイヤーも当初は高価で、自分がやっと手に入れたのは普及とともに価格が安くなった1985年頃だと記憶しています。
それまではテクニクスのDDレコードプレイヤー(これも今考えるとかなり高価でした)を長らくメインに使っていました。
翌年の1985年になって、めでたく初の国内プレス盤CD『90125』(32XD-356 / 3,200円)がリリースされています。
再発盤では『危機』の最初の米国盤が1987年に出ています(SD 19133-2)が、これも日本の松下電器が製造したターゲット盤でした。
ピンクの枠が目印になっています。
しかし日本盤の『危機』の方が、それより早い1986年に出ています。(32XD-532)
ただしマスターは日本盤LP用のデュプリケイテッド・テープだと思われます。
また同じ1986年に『ザ・イエス・アルバム』(欧州盤)と『こわれもの』(欧米盤)が出ていますが、すべて西ドイツプレスです。
『90125』のターゲット盤の詳しい解説を見つけましたので、ご参照ください。
https://www.targetcd.com/yes90125.html
■まとめ
① 最初のイエスCDは、1983年の米国盤『90125』(90125-2)日本ビクター製造
② 日本盤で最初のイエスCDは、1984年の『90125』(38XP-71)西ドイツPDO製造
(正確にはLPの再発盤)
③ 再発タイトルのうち最初に出たイエスCDは、1986年の『危機』(32XD-532)日本プレスと、『ザ・イエス・アルバム』、『こわれもの』の西ドイツプレス
④ 日本盤でリリース時に出た最初のイエスCDは、1987年の『ビッグ・ジェネレイター』(32XD-559)国内プレス
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