シンフォニック・ライブDVD

(イーグル・ヴィジョン)



クラシック・ロック 20027月より


イエスだ。ライブだ。オーケストラとの共演だ。

ロック・ミュージシャンがクラシック音楽やオーケストラに手を出し、クラシック・ミュージシャンがロックに手を出して爪の垢を落とそうとするのである。

ディープ・パープル、EL&P、キャラヴァン...バンドとオーケストラの結婚は以前にも試みられたが、ほとんどの場合(全てという人もいるが)、この2つは離れて暮らし、遠くからお互いを賞賛していた方が良かっただろう。


イエスの場合、彼らの音楽的な抱擁は、多くの場合、少し混乱している。

バンドが私たちの知っている曲を演奏し、オーケストラが色彩を加えているときには、この2つがうまく調和している場面もある。

しかし、バンドとオーケストラが1つの巨大なロック・アンサンブルとして演奏しようとすると、問題が起こる。

何十人ものまとまりのないミュージシャンが、トリッキーな拍子記号の凸凹を駆け抜け、ストップ&ゴーのテンポの泥の中を、しっかりとした隊列で走り続けようとするのだが、まるで歯車が外れて曲が道を外れ、山腹から崩れ落ちてしまうような感じだ。



もちろん、DVDの代わりにアルバムだけを入手することも検討できる。

それはそれでいいのかもしれない。

というのも、コンサート映像はビジュアル的にもあまり魅力的な体験ではないからだ。

いくつかのアニメーションはあるものの、基本的にはショット(個々のバンドメンバー、オーケストラ、観客、広角のロングショット)とフェードで構成されている。


ハイライトは「I've Seen All Good People」のイントロでオーケストラのメンバーが振り付きで「get into it」し、「ラウンドアバウト」のフィナーレでバンドの後ろで踊るためにステージに侵入するシーンだろう。


ディスク2には、ボーナスとして「Don't Go」のビデオとメンバーのインタビューを含む、イエスとオーケストラのコラボレーションについてのドキュメンタリー「Dreamtime」が収録されている。

そして、意図せずして、それは実際に非常に面白い。


意外なことに、インタビュー映像の多くは映像と音が同期していない(これは指揮者が「バンドとオーケストラを同期させることが最大の課題のひとつだ」と語っているのに笑うしかないのだが。


しかし、ジョン・アンダーソンが繰り返し繰り出すスペース・カデットの戯言に比べれば、その面白さは半減している。

イエスファンにとっても、このアルバムは必須アイテムではないだろう。


ポール・ヘンダーソン


かなりけなしてますね。

自分はアルバム『マグ二フィケイション』は凡作だったと思いますが、ライブに関してはそうは思っていません。

生で観た感想としても、選曲も含めかなりよいライブだったと思います。

とは言えもう20年以上経ってしまいました。


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