■2作目で魅力度アップ
スティーヴ・ハウ、ジェフ・ダウンズ以外のイエスメンバーの3人にサーカのジミー・ハーン、ソニックエレメンツのデイヴ・カーズナーが加わったアーク・オブ・ライフのセカンドアルバム『ドント・ルック・ダウン』がリリースされました。
今回もワードレコーズから日本盤(ボーナストラック入り)がリリースされ、ワードレコーズ・ダイレクトではバカ高い直筆サインカードが付属したエディションも出たようですが、ボーナストラックは単なるアコースティックバージョンだともう前作でわかってしまっているので、今回はあせらず安い輸入盤(フロンティアーズレコーズなのでイタリア盤)を買いました。
しかしアマゾンでほぼリアルタイム(21日)に届きました。
前作は10曲収録でかなりポップな印象でしたが、今回は6曲で短い曲はなくなりました。
M6はなんと18分弱もあります。(タイトルはずばり「Arc Of Life」)
ただしトータルは53分弱とやはり短めです。
ヴァイナルを出す計画でもあるのでしょうか。
さて中身ですが、いい意味でも悪い意味でも予想を裏切らないサウンドでした。
そして滅茶苦茶期待した割には少々肩すかしだった前作に比べて、作品の出来については期待以上でした。
前作はすべてシャーウッドとデイヴィソンの共作でしたが、今回は二人の共作は3曲で、2曲がシャーウッドの作品、残りの1曲はシャーウッドとジミー・ハーンの共作です。
正直デイヴィソンの書く曲が苦手なので、これは自分にとってはよい傾向です。
ポップな曲もなくなり、魅力的な曲が増えて、自分的にはデヴューアルバムより好みの仕上がりでした👍
本作でやっと本領発揮した感じですね。
よいバンドになりました。
なお、残念ながらデイヴ・カーズナーの名前はやはり作曲クレジットにはないので、このバンドでは演奏やアレンジに専念することにしているのでしょう。
サウンド的には「ビリー節」がよく出ており、コンスピラシーやサーカのサウンドの延長線上にあります。
特にコーラスの作り方などはビリーの特徴がよく出ています。
そしてインスト部分が増えています。
またジミーが今回かなりギターを弾いています。シタールのサウンドなどはまるでハウのようです(笑)
トニー・ケイのハモンドプレイこそ聴けませんが、これが「活動再開しないサーカの現在形」なのかもしれないと思いました。
M5では、小気味良いギターとともに、派手ではありませんがカーズナーのキーボードソロを聴くことができます。
イエスそのもののサウンドを期待すると違うかもしれませんが、コンスピラシー(シャーウッド&スクワイア)がお好きな方にはおすすめできます。
最近ちっともプログではなくなった「プログ・コレクティヴ」シリーズより今後も期待できそうです。
M3 All Things Considered
「アーク」と聞くと、ついハリソン・フォードの映画『レイダース』の「聖櫃」や「ノアの方舟」を連想しますが、あちらは「ARK」で、「ARC」は電気溶接で使われるアークや「円弧」の意味です。
Arc Of Lifeとはなんだろうと考えましたがよくわかりません。
「人生の虹」や「生命の虹」のような意味かもしれませんね。
ちなみにM6「Arc Of Life」では「人生の道」のような歌詞を歌っています。
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