■プリンス・トラスト・コンサート
コンサートのパンフレット
イエスのメンバーも参加した2004年11月11日に開催された、Produced by Trevor Horn / プリンス・トラスト・コンサート。
当初はトレヴァーがプロデュースしてきたアーティストのコンピレーション・アルバムを制作して、コンサートを開くというアイデアだったようです。
コンサートを具体的に企画する段階で、プリンス・トラスト(チャールズ王子<現国王>が、1976年に設立した若年失業者の為の慈善団体)と連携した公演になり、チャールズ夫妻も参加することになりました。
当日の様子をトレヴァー・ホーンが自伝で語っていますので、一部だけ紹介します。
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ショーの直前にはシュールな瞬間があった。
ジルがやってきて、「チャールズ王子とカミラさんをお迎えするために出てきてね」と言われたのだ。
すでにシルバーのジャケットとインイヤーモニターを装着していた私は、ジルの後についてウェンブリー・アリーナの裏門に向かった。
警察官がトランシーバーを持っていて、王室を出迎える位置に立つように言われた。
その時、イエスのベーシスト、クリス・スクワイアがサイケデリックなイエティ(注.雪男のこと)のような服を着て、よちよちと歩いてきたんだ。
「どうしたんだ、トレヴ?」
「チャーリーとカミラを僕のコンサートに迎え入れるところだよ」と僕は彼に言った。
招かれざる客であるクリスとその妻は、(何故か)ジルと私の隣に並んだ。
ロールスロイスがやってきて、王室夫妻が降りて、まず私、ショーのスターであるトレバー・ホーンが紹介された。
「そのジャケットいいね」と王子が言い、次に妻のジル・シンクレアが「はじめまして」と言い、クリスとその妻がリストに載っていなかったので王室は二度見した。
それでも、二人は自己紹介をし、ロイヤル・カップルはコンサート・ホールになだれ込んだ。
オープニングの2曲は、私が銀色のジャケットを着て、バグルスが「Living in the Plastic Age」と、もちろん「Video Killed the Radio Star」を演奏した。
オリジナル・レコードに参加したほとんどの人たちとの史上初のライブ演奏だった。