By Mathew North (Louder Prog)
2022年6月14日
昨夜、イエスは「危機50周年記念ツアー」のウォームアップとして、デヴォンのタヴィストックにある400人収容のThe Wharf(ザ・ワーフ)で演奏した。
かつて工業の中心地であったミッド・デヴォンのタヴィストックにあるThe Wharfは、南西部の王冠の中の宝石だ。
25年以上にわたって、The Wharfはプログレバンドに選ばれた会場で、ポーキュパイン・ツリー、スティーヴ・ハケットからフィッシュ、フォーカス、モーストリー・オータムまでが出演してきた。
しかし、今夜はとても特別な夜だ。
先週からイエスはこの会場でリハーサルを行っており、今夜はライブで締めくくって、この会場の常連音楽ファンを喜ばせる。
直前の不具合を解消するためのプロセスであることを考えると、すべてが計画通りに行くとは限らない。
会場2階ギャラリーではTrading Boundaries主催の小さなロジャー・ディーン展が開催されていたが、開演前のQ&Aにはロジャー・ディーンは出席しなかった。
また、事前に発表されていたビデオスクリーンを設置するには会場が狭すぎるし、リハーサルで試写した写真を見ると、設置しても観客が入るスペースはないだろうということだった。
1972年当時のストラヴィンスキーのイントロ・テープが流れる中、定刻の19時にイエスはステージに登場した。
演奏に先立ち今度のツアーは故アラン・ホワイトに捧げる(代役はジェイ・シェレン)ことが紹介されて、滅多に演奏されない「自由の翼」が演奏されると、「ユアズ・イズ・ノー・ディスグレイス」と「俺たちにはチャンスも経験もいらない」でさらに盛り上がる。
スティーヴ・ハウがよく手入れされたマシン(バンドのこと)を操縦していることがすぐにわかった。
スティーヴ・ハウのバンドであることは一目瞭然で、スティーヴ・ハウ以外、誰も観客に一言もしゃべらなかった。
この日はウォームアップ公演ということもあり、バンドはステージ上でいくつかの不具合に見舞われたようだ。必死のハンドジェスチャーがモニターエンジニアに向けられていた。
『ドラマ』から「夢の出来事」の後、ハウはソロでアコースティックな小曲を演奏した。
最初はちょっとしたインプロヴィゼーションから始まり、よく知られた「クラップ」へと変化していく。
バンドは「不思議なお話を」で再登場し、このショウがアルバム『危機』を中心に構成されていることをほとんど忘れてしまうが、2時間のショウのうち40分はこのアルバムの曲で構成されているので、それほど驚くことではない。
新曲の「ジ・アイス・ブリッジ」と「デア・トゥ・ノウ」が紹介された。
※リンク先の映像はグラスゴー公演です。
これらの曲は、正直言って70年代の曲と同じようにセットに溶け込んでおり、このツアーが本当に得意とするところだ。
80年代のヒットアルバムからの曲はなかった。
私は少数派かもしれないが、70年代のイエスと同様に素晴らしく、画期的な「リズム・オブ・ラブ」のような曲が演奏されれば、バンドが最も成功した時代の素晴らしい賛辞になったと思う。
しかし、イエスのライブで「ロンリー・ハート」を聴くことは二度とないだろう。
『こわれもの』の「燃える朝焼け」で70年代に戻り、『危機』のセクションに入る。
出だしは失敗したものの、ほぼ完璧な流れで、ハウが「リハーサルでやっていたことだ」と口にするほどだった。
そして、あっという間にプログレの代表的なアルバムの1枚をフルで聴くことができるのだ。
会場には信じられないような光景が広がり、盛大な拍手が沸き起こる。
南西イングランドの小さなクラブでイエスが演奏するのは、50年以上前のプリマスのヴァン・ダイク・クラブ以来だそうだ。
アンコールでは素晴らしい「ラウンドアバウト」と「スターシップ・トゥルーパー」が演奏された。
ハウはギターの1本に少し不具合があったようだが、迅速に対処された。
もしかしたら、他のグループがこのイングランドで最も素晴らしい郡にやってきて、ここでウォームアップ・ライヴを行うかもしれない。
私たちは、いつでも準備は万端だ。
このデヴォンに、私たちが愛する音楽のための素晴らしいホームがあることは、アンジェラさんとThe Wharfのスタッフたちのおかげである。
出典 :
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欧州ツアー(リレイヤーツアー)が再延期されたために急遽決まったと思われる9月の来日公演ですが、自分の記憶ではUSツアーの前に来日公演が行われるのは2012年に続いて二度目ではないかと思います。
諸事情があるとは言え、とても珍しいことです。
ハウの年齢を考えると、最後のイエス来日になるかもしれない、と考えて足を運ぶ友人が多数です。
自分も見納めかもと思って行くことにしました。
平日の日程ばかりですが、チケットがちゃんと売れれば週末に追加公演があるかもしれません。
あまり売れているようには見えませんが。