■高音質CDは本当に音が良いのか?
BD-Aを聴くうちにちょっと気になって柄にもなく聴き比べてみました。
いずれもスタンダードなCDでハイレゾ音源ではありません。
比較対象は現在のイエスのスタンダードだと考えているライノのリマスター盤CDです。
プリアンプのイコライザーは使いません。
愛用しているオーディオは極一般的なものです。CDプレイヤーだけは業務用の巨大でちょっぴり高級なものですが、いずれもたっぷりエイジングされています(笑)
1. こわれもの
Original Master Recording(2006)
Mobile Fidelity Sound LabのULTRADISCIIの24カラット・ゴールドディスクです。
まずは先にライノ盤を聴きました。
曲は「ラウンドアバウト」
安定の音の良さとプレゼンスです。
次にオリジナル・マスター・レコーディングス盤(OMR盤)です。
⚫️まず音量レベルが一聴して低いのがわかります。同じ音量になるようにアンプのヴォリュームを上げました。
⚫️アコギのハーモニックス音の響きやシンバルの高音などは綺麗に聞こえます。音の解像度が高いのでしょう。
⚫️全体的にアンサンブルの迫力は控えめ。
ライノ盤の方が賑やかで派手な音色でロック向きですが、雑味(ノイズ)も多いかもしれません。
⚫️クリスのベース音(低音)もライノ盤の方が目立ちます。全体的にライノ盤の方が「ドンシャリ」でOMR盤はナチュラルな印象。
【感想】
大差なし。
自分はライノ盤の方が好みでした。
OMR盤は超高級オーディオで大音量で再生すれば印象が違うかもしれません。
拙宅では大音量で鳴らすのは無理ですから良さが今ひとつわかりませんでした。
2. ザ・イエス・アルバム
Original Master Recording(2010)
冒頭の写真
同じMFSLのULTRADISCIIのシリーズです。
本盤はシリアル番号が入っています。
曲は「YIND」で比較しました。
しかし驚いたことにこちらのOMR盤は全然違いました。
⚫️音圧も楽器のプレゼンスも十分。低音の音量もよく出ています。
⚫️ギターの響き、ベースのうねりも活き活きと聴こえます。ジョンの終盤のヴォーカルもクリアに聞こえます。
⚫️トニーのハモンドの響きを聴くと、ライノ盤に入っていない音(倍音成分?)が聞こえます。情報量が多いような印象。
⚫️高周波が聞こえなくなる加齢で衰えた耳にも高音がよく聞こえます。(苦笑)
ヴォーカル後、最後のアンサンブルに入る部分でスティーヴがES175Dのブリッジ部の弦を「キンキン」と引っ掻く音(イエスファン御用達)もよりクッキリと(笑)
【感想】
圧倒的にOMR盤の勝利でした。
オーディオマニアでもない自分にもハッキリと違いがわかりました。
見つけたら即買いをオススメします。
【考察】
同じモービル・フィデリティ盤でなんでこんなに印象が違うのでしょうね。
両方ともオリジナル・マスターテープからリマスタリングされていますが、マルチトラックからリミックスした訳では無いので元の音源はそれぞれライノ盤と同じですからバランスも同じです。
多少イコライジングなどは施されているかもしれません。
音量レベルの点は無視するとして、下記のようなことを想像しました。
⚫️4年間でデジタルサンプリングの技術や機材が進歩した。
⚫️巷で言われるように「サードアルバム」のマスターテープの保管状態が非常に良い。
⚫️リマスタリングしたエンジニアの好みの違い
真相はわかりませんが想定外の結果でした。
高音質盤は「危機」や「90125」も出ていますので比べてみようと思います。
(つづく)