トニー・ケイがイエスを語る最新インタビューです。

インタビュアーはキング・クリムゾンの著作などで知られるシド・スミス氏です。


Q:辞めたあとにイエスを見るのは辛かったですか?


A:全然そんなことはなかったよ。イエスを辞めたあとデヴィッド・フォスターとバジャーを始めた。

イエスが2, 3週間のアメリカツアーから戻って僕らの機材を使いたがったけど、問題なかったよ。一緒にライブをやった。

イエスやリックに対して敵意はなかった。

実際キーボードプレイヤーとしてリックを大いに称賛しているからね。彼は疑いもなく素晴らしいテクニシャンだよ。

僕とリックは同じようなクラシックのバックグラウンドを持っている。

だから僕らの間にはなんら悪意はないよ。


僕は何度かイエスを観に行った。

海洋地形学やいくつかのツアーをアメリカに観にいったよ。

僕は70年代のイエスが好きだ。彼らは本当にグレートだった。

ユニオンツアーまではリックと知り合いではなかった。それまで殆どリックと会ったことはなかったけどユニオンツアーではうまくいったよ。


Q:イエスを去って13年後にバンドに戻るのはどんな感じでしたか?


A.僕はイエスに復帰して1982年にイギリスに戻った。

トレヴァー・ラビンと一緒に僕らは80年代を通じて成功を収めることができた。

バンドの結束はとても強かったよ。

ジョンがABWHを始めた頃イエスは全員西海岸に住んでいて次の活動のことを考えていた。そんなときユニオンの話が出てきたんだ。

僕はよいアイデアだと思った。

多くの人間は否定的だったけど、僕はよいアイデアだと思っていて、結局最終的には成功を収めることができた。

8人でイエスミュージックを演奏した。

君たちは5人で、4人の楽器でイエスを演奏するのはそんなに容易くないのは知っているだろう。

でも8人ならずっと容易でとても楽しかったよ。


Q:2018年の50周年ツアーへの参加は予約されていたのですか?


A:ツアーは若者のものだ。旅をしてロードに出るのは簡単ではないからね。

自分の健康状態にどう影響があるのかわからなかった。もう20歳ではないからね。

でも実際に結果はとても良かったよ。昔の時代を再訪するのはとても楽しかった。

僕らは毎晩楽しめたよ。だって50周年記念ツアーに来たファンは素晴らしかったからね。


Q:イエスのメンバーでいることは祝福ですか、それとも呪いのようなものですか?


A:デヴィッド・ボウイやバッドフィンガー、ディテクティヴ、サーカなどとプレイするのは全部素晴らしい経験だった。

でもイエスは僕にとってはとても大事な人生と歴史の一部なんだ。

それは単にバンドで一緒に成し遂げたものというだけではなく、まさに祝福だね。



Q:イエスと過ごした時間を振り返ってみて何か変えたいと思うことはありますか?


A:ないね。50周年記念は素晴らしい経験だった。本当にロードに出たいのか二度ほど考えたんだ。

ご存知のようにバンドには過去クレイジーなこともあったし、メンバーも変わった。

一緒に仕事がし難い人間もいた。

でも現在のメンバーのスティーヴ、ジョン、アラン、ジェフ、ビリーは本当にグレートガイ達だよ。

常には得難いことだよ。


ジョン・アンダーソンが居ないのはイエスじゃないという人がいるけど、それはバンドの観点から言うと真実じゃない。

なぜなら一番大事なのは一緒にプレイすることができて友人でいることだからね。

僕の意見ではそれが今のイエスだし、将来のイエスにつながる。


Q:2017年のロックの殿堂入りには参加したのですか?


A:いや参加しないことにした。

ピーター・バンクスが入らなかったことに少しいらついたんだ。

(注.ロックの殿堂入りしたメンバーはユニオンツアーの8人でした)

全然フェアじゃないと思ったよ。

オリジナル・メンバーが考慮されるべきだし、バンドに関わったすべてのメンバーが組み込まれるべきだ。

バンドとともにバンドの歴史に関わったんだからね。

決定に反対するわけじゃないけどピーターはバンドの初めから居たんだからね。


いずれにせよ2つのイエスバンド(注.現在のイエスとARWのこと)があって緊張感があるだろうと思った。

ワイフがロサンゼルスで友人達みんなを呼んでサプライズパーティーを開いてくれて僕を驚かせたよ。

ニューヨークでメンバー達とエールを送り合うことはできなかったけどね。






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