月はどっちに出ている | イエティの常熟日記

イエティの常熟日記

江蘇省常熟市での駐在員生活を徒然なるままにお伝えするブログです。

11月27日に、映画監督の崔洋一さんがお亡く

なりになったとニュースで知りました。

 

ご冥福をお祈りします。

 

訃報に接して思い出したことがありますので

少し、お付き合いください。

 

崔監督の作品に、「月はどっちに出ている」

(1993年上映)というのがあります。

 

 

在日コリアンのタクシー運転手(岸谷五朗)と

フィリピーナ(ルビー・モレノ)の恋物語を

軸にした悲喜劇ですが、その中のワンシーンで、

古い物干し場が登場し、そこは私の「実家」が

ロケ地です。

 

その頃既に、実家は築50年近いイイ感じの

木造ボロ家だったのがお目に留まったらしい

です。

 

ある日、急に実家に「映画の撮影に使わせて

欲しい」と映画関係者からオファーがあり、

父と弟が場所を一生懸命片付けて撮影に協力

したそうで、その場にいなかった私は父に

「何の映画?」「誰が出ているの?」と質問

攻め。

 

父は「『月はナントカ』っていう映画」で、

「『ナントカゴロー』っていう俳優」と

全く、要領を得ず。(笑)

 

後になって、テレビで予告編が流れるように

なり、ようやく映画のタイトルが「月は

どっちに出ている」で、主演は岸谷五朗さん

だと判明しました。

 

封切り後、実家がどんな風に映っているか、

映画館に見に行きました。

 

結構、しんみりしたシーンの舞台に使われて

いるのを見て、撮り方によってこんな風に

なるんだな、と感動したのを覚えています。

 

もはや、そのボロ家は取り壊して跡形もないの

ですが、映像の中に往時の実家が残っている

のは不思議な気分です。

 

弟曰く「サインもらっておけば良かった・・・」

とのこと。

 

この映画との出会いは、ぼんやりと、でも確実に

残っている思い出です。

 

改めて、合掌。