『歎異抄』を鎮める!

…「悪人正機」は、法然の教え!

法然上人へ、そっくり、返上したい!

 

「悪人正機」の教説は、親鸞の採らなかったところだ

と言っても過言でない!

蓮如上人が、「歎異抄」を、隠したのは、正しい行為だった。

日本人の心の習慣: 鎮めの文化論 

1997/8/1 大村 英昭 (著)

欲望や情念をあおり追い立てられている日本人。
一方で、古来より日本にはあおりを鎮める文化があった。
民俗や日本仏教の伝統の深層にある「鎮めの文化」を再発掘し、
現代が抱える悩みからの脱却の方向を探る。

 

 

 

 

 

 

死ねない時代: いま、なぜ宗教か

1990/11/1 大村 英昭 (著)

==或る書評より
 本書は、土井隆義著『少年犯罪〈減少〉のパラドクス (若者の気分)』で参照されていて、興味を持った。
土井氏は、近代とは「煽りの文化」の時代であり、
若者(人々)が経済的豊かさとか階層上昇への期待とか、
血縁・地域共同体(の束縛)からの脱出願望(都会への欲望)へと煽られ続けたが、
昨今の日本では一転して鎮めの文化が作動するようになったと論じたが、
この「煽りの文化・鎮めの文化」は本書から得た知見とのことだった。
本書を読み、これらは土井氏が触れた以上に徹底した思考に裏付けられたものであることを知り衝撃を受けた。
 本書によると、近代の「煽りの文化」はキリスト教の「禁欲」に由来し、ウェーバーが論じたごとく(「禁欲のエートス」)、例えばプロテスタントは奢侈贅沢(欲望)を禁じたが、返って禁じたはずの「欲望」が焦点化され、
贅沢には使えない利益がそれ故(無限に)再投資されたり(営利の欲望)、開拓者精神(フロンティアスピリット)を生み出した(拡張・征服の欲望)。これが、近代のあらゆる害悪を生み出したと言うのだ。
 ここで著者が徹底的であるのは、慈善運動とかボランティア活動とかも、この禁欲のエートスに由来する、
つまり「欲望を禁圧して、そのゆえに出てくるエネルギー(実はルサンチマンに過ぎません)を
善用(フロイトでは昇華)する」(p.105)ものなら、必ず結果的には害悪をまき散らすしかない、
それはこれまでの世界の歴史が証明している、と言い切ることである。
著者によれば、仏教は「禁欲」ではなく、派生してくるエネルギーも含めて
鎮めてしまおうとする、より根本的な「鎮欲」を含意すると言う。
 著者は「仏教教団は、本質的なところで社会改良主義を捨てた教団なんです。
いわゆるヒューマニズムとは違ったエートスに生きようとしてるんです」(p.224)と言う。
そして、それを「諦観」と言う。
一見、ニヒリズムに見えかねない場所から
「仏教における救いとは何か」を考えることこそ課題だとするのだ。

 著者は、日本の近代において、戦前の「立身出世主義」や戦後の「ガンバリズム」は
世俗化された「禁欲のエートス」であると言う。
遠くて大きな志望を満たすためには、目前の小さな欲望は断念しなければならないとするもので、
世界大規模の罪つくりの元にもなってきた、と考える。
 現在でも私たちは、植え付けられたにすぎないはずの、様々な生きることの「意味」に
未だ固執し続け棄てられないでいる。
「鎮欲のエートス」による「諦観」という身の置き方―
この1990年に著された著作から、現在の私たちはまだまだ学ぶことは多く、精読をお勧めしたい。
 
 
==或る書評より
 

 

 

 

 

アメリカはなぜベネズエラを空爆し、マドゥロ大統領を拘束した? アメリカが世界の警察から最強の略奪者へ変貌した今、投資家がとるべき冷徹な戦略とは?

配信

ダイヤモンド・ザイ

イラスト:いらすとや

 2026年の年始にアメリカはベネズエラに空爆を行い、同国のマドゥロ大統領夫妻を拘束。マドゥロ大統領はアメリカに移送され、起訴されました。  ベネズエラ情勢は緊迫していますが、今回はベネズエラに関する目先のニュースを追うだけでなく、この機会に、歴史に基づいた長期的な戦略フレームワークを現代の事象に当てはめて分析してみたいと思います。 ●「海洋国家」だったアメリカは、自国の圧倒的な力で他国から富を収奪する「大陸国家」へとシフトしている  地政学的な大局観を持つことは、混迷を極めるグローバル市場において、投資家がどの陣営に資本を置くべきかを判断するための不可欠な指針になります。  米国海軍大学のサラ・ペイン博士が提唱する「大陸国家 vs 海洋国家」のフレームワークは、現代の投資家にとって極めて冷徹な視点を提供します。  ペイン博士によれば、海洋国家(クジラ)は自由貿易という「共有地」を維持することで繁栄し、大陸国家(ゾウ)は領土の支配と力の行使によって生存を図ります。この歴史的な対立軸がいま、投資環境の根底を揺るがしています。  投資家リ・ルーがその文明論で指摘したように、アメリカは19世紀の黒船来航からイラク戦争に至るまで、歴史上初めて「土地を占有せず、秩序を課す」ことを中心として世界を統治した特異な海洋国家でした。  しかし、現在のアメリカは、海洋国家としての「公共財の提供者」という役割を脱ぎ捨て、自国の圧倒的な力を直接的に行使して他国から富を収奪する「大陸国家」的な振る舞いへとシフトしています。  今日のアメリカにとって、自国のパワーを維持することとは、アメリカの繁栄が世界にもたらす恩恵の対価を、世界全体に支払わせることを意味しています。

 

 ●アメリカはなぜ、マドゥロ大統領を排除したのか?

 

  鍵となるのは『孫子』の「死地」という戦略的概念だ  ベネズエラのマドゥロ大統領のような存在は、アメリカにとって単なる独裁者以上の「排除すべき障害」となります。ここで鍵となるのが、『孫子』の「死地」という戦略的概念です。  「死地」とは、孫子が定義した「九地(九つの戦場)」の1つで、退路が完全に断たれた絶体絶命の場所を指します。たとえば、背後に川や山を背負い、前方には敵がいるような場所です。  このような死地に置かれた「死兵」が生き残るには、敵に勝つしか方法がありません。孫子は、兵士をあえてこのような場に置くことで、生き残るために通常の数倍の力を発揮させる戦略を説きました。  しかし、大陸的指導者にとっての「死地」は悲劇的な構造を作り出します。彼らは権力を失えば、投獄や物理的な死が待っているため、まさに孫子の説く「死兵」のごとく、生き残るためには国家の全領土を焦土とし、国家の全資産を失うようなことになっても抵抗します。  マドゥロ大統領がこの「死地」に留まり続けることは、その地域の経済秩序を破壊し、アメリカが収奪可能な富の循環を停止させることを意味します。  かつてのアメリカは、制裁によって「グローバル市場へのアクセスを拒絶」し、相手の自浄作用を待ちました。しかし前述した通り、現在のアメリカは戦略を転換しています。

 

 

  「死地」に執着し、

アメリカのシステム外で富を浪費し続ける

マドゥロ大統領のような存在に対し、

アメリカは直接的な強制力をもって彼を「排除」し、

その背後にある資源や秩序を

再びアメリカの管理下(パワーの受益圏)へと

引き戻す必要に迫られているのです。

 

 

 ●アメリカが「世界の警察」から「最強の略奪者」へと変貌した現在、投資家にとっての最善のリスクヘッジとは?

 

   投資の観点から言えば、このシフトは「地政学的リスク」の再定義を迫るものです。  アメリカが「世界の警察」から「最強の略奪者」へと変貌し、アメリカのシステムに従わない陣営や「死地」に陥った地域から富を強制的に回収する側に回った以上、投資家にとっての最善のリスクヘッジは、その「収奪する側(=アメリカ)」に身を置くことです。  アメリカは依然として世界で最も強力で、勝ち続けているチームであり、そのパワーの受益者側に立つことが、これからの分断された世界を生き抜くための唯一の正解となります。

 

 ●収奪される側(敗者)の陣営に留まるのではなく、収奪する側(勝者)の資本に相乗りする冷徹さが投資家には必要

 

  幸いなことに、日本に拠点を置く投資家は、米国株をはじめとした米国金融市場への自由なアクセスという特権を享受しています。  アメリカの戦略が海洋的な自由主義から、実力行使による大陸的な富の独占へと傾斜していく中で、米国資産を保有しない理由はもはや存在しません。収奪される側(敗者)の陣営に留まるのではなく、収奪する側(勝者)の資本に相乗りすること。この冷徹な地政学的リアリズムこそが、現代のポートフォリオ管理における核心となるでしょう。

 

  ●ポール・サイ ストラテジスト。

外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。

ポール・サイ

 

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韓国には、「北朝鮮」に、

膨大な「拉致・家族」がいる!

「分断・肉親親戚家族」がいる!

 

習近平は、今、「韓国」を「必要と」している!

 

習近平は、今、「日本」を「屈服させようと」している!

 

 

 

習主席の「歴史の正しい側」発言に、李大統領「孔子の言葉として聞いた」

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中央日報日本語版

李在明大統領が7日、上海のホテルで行われた青瓦台担当記者昼食懇談会に参加し発言している。[写真 青瓦台写真記者団]

 

 

中国を国賓訪問中している韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は、

中国の習近平国家主席に「(韓国は北朝鮮と)疎通自体ができないので中国が平和の仲裁者の役割をすれば良いだろう」と語ったと話した。

 

習主席は「これまでの努力を評価し、忍耐心を持つ必要がある」と答えたと李大統領は伝えた。

 

李大統領は7日に上海で行った同行記者団との懇談会で、5日に行われた韓中首脳会談でこうした対話をやりとりしたと明らかにした。

 

 李大統領は習主席の「歴史の正しい側」発言に対しては、

「孔子の言葉として聞いた。『まじめにしっかり生きよう』というような意味と理解した」と話した。

 

習主席は韓中首脳会談の冒頭発言で「(両国は)歴史の正しい側にしっかりと立ち正確な戦略的選択をしなければならない」と話した。これに対して米中と中日の対立の渦中で習主席が「中国側に立て」と韓国を圧迫したという見方が出ていることから意味を制限したものだ。

 

 李大統領は「各自がしたい話をするもの。各国の核心的利益や重大関心事に対して当然尊重しなければならない」と付け加えた。

 

続けて「習主席は中国の国家的利益のために最善を尽くし、

韓国大統領李在明は韓国の国益に向け最善を尽くすものではないか」と話した。 

 

中国の限韓令解除に対して李大統領は「(習主席が)実務部署で具体的協議をするよう話したので

実際に協議が行われるだろう。

彼ら(中国)の表現によると、秩序正しく、有益に、健全にこの問題はうまく解決されるだろう」と話した。

 

限韓令と関連した習主席の表現に対して李大統領は

「(解決の)兆し程度でなく明確な意思表明だと考える」と述べた。

 

ただ「春も突然来たりはしない」として解除までは時間が必要だと付け加えた。

 

 李大統領は首脳会談で韓中暫定措置水域に設置された西海(黄海)の構造物問題と関連した対話もあったと話した。

 

李大統領は「『(中国が)管理する施設は撤収する』というので多分移すことになりそうだ」とした。

 

韓国が問題と指摘する構造物は中国側が撤収を決めたという意味だ。

 

李大統領は実務陣に「(共同管理水域)中間を正確に(境界線として)引いてしまおう」と提案した点も公開した。

 

その上で「問題の原因を除去する方向で実務協議が進められるだろう」とした。

 

 李大統領は韓国国内の嫌中問題にも言及した。

李大統領は「香港を除いた(対中)貿易収支が赤字に転落した。

なぜそうなったか、中国人の立場で韓国商品を見るのが嫌なのだろう」と話した。

 

李大統領はこうした背景に韓国内の嫌中があると主張した。

李大統領は嫌中・嫌韓問題で「韓国がはるかに大きな被害を受けた」と話した。

 

 李大統領は「どのように改善するのか、

根拠なく不必要な嫌中助長はなくさなければならない。

不正選挙を中国がどうしたこうしたと、こうしたおかしな話をして

(中国の)感情を傷つけても良いのか」と話した。

 

李大統領はクーパンの大規模個人情報流出事件の容疑者とされる人物が

中国人であることに対しては「クーパンの犯罪行為者が中国人だからとどうしろというのか。

日本人だったならその時から日本人を嫌うのか」として

クーパン問題にも嫌中問題があると述べた。

 

 李大統領は「できるだけ(習主席と)1年に1回以上は直接会うつもり」と話した。

 

今回澗松(カンソン)美術館が所有していた石獅子像を中国にプレゼントしたことに対しては

「それぞれ本来の場所にあることを象徴的に見せたかった」と明らかにした。

 

澗松美術館が石獅子像を中国に無償で伝達しようとしたが、

手続き上可能でなく韓国政府が譲り受けて贈ったという背景も説明した。

 

李大統領は澗松美術館の財政難に言及しながら、

「適正価格をすべて払えばとても多いようだから

一定程度は補償することを検討するよう注文しておいた状態」と説明した。

 

 李大統領は中日対立で仲裁者の役割をするのかとの質問には

「出る時に出るべきで、出るべきでない時に出れば別に役に立たないこともある」として

現在の状況では仲裁者の役割は必要でない段階だと説明した。

 

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マドゥロ大統領拘束で見せたアメリカの軍事能力が中国への“抑止力”に…ベネズエラ軍事介入で台湾有事誘発されるか(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース

マドゥロ大統領拘束で見せたアメリカの軍事能力が中国への“抑止力”に…ベネズエラ軍事介入で台湾有事誘発されるか

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FNNプライムオンライン

FNNプライムオンライン

2026年1月3日、米国のトランプ政権が南米ベネズエラに対し電撃的な軍事介入を断行し、同国のニコラス・マドゥロ大統領夫妻を拘束し、米国へ移送した。 この軍事介入の狙いについて、これまでに米国へ流入するフェンタニルをはじめとする違法薬物の根絶、同国の莫大な石油利権の確保、そして「西半球における覇権」の再構築などが挙げられている。 トランプ米大統領は同日、ベネズエラに対する軍事作戦を受けて会見し、安全で適切かつ慎重な政権移行が実現するまで米国がベネズエラを管理、運営するとの考えを示したが、この事態に対して国連を含む国際社会からは主権侵害および国際法違反であるとの強い非難が相次いでいる。 そして、今回の軍事介入がもたらした衝撃は、中南米という一地域の枠を越え、東アジアの安全保障、とりわけ「台湾有事」への懸念という形で波及している。

中国は“台湾武力統一”を加速させるか

ロシアによるウクライナ侵攻が継続する中、民主主義の守護者を自任してきたはずの米国が、自らの国益のために他国の主権を武力で踏みにじったという事実は、世界が「力による解決」が常態化する時代へ突入しているのではないかという懸念を醸し出している。 特に、中国がこの米国の行動を「先例」として利用し、台湾への武力統一というシナリオを加速させるのではないかという懸念が聞かれる。 しかし、冷静に現状を分析すれば、米国のベネズエラ介入が直ちに台湾有事を誘発するという結論は、いささか短絡的であると言わざるを得ない。 その最大の理由は、両事案における地政学的な「重み」と、当事者間の軍事的バランスの圧倒的な差にある。 ベネズエラへの介入は、米国という圧倒的な軍事大国が、軍事的に劣位にある小国に対して行った局地的な行動と表現できる。対して台湾情勢は、核保有国であり世界第2位の経済・軍事力を有する中国と、それを抑止しようとする米国、さらには日本が直接衝突するリスクを孕んでいる。 今日の中国にとって台湾統一とは核心的目標ではあるが、それは同時に共産党体制の存続を賭けた巨大なギャンブルでもあり、ベネズエラで見られたような電撃的な特殊作戦だけで完結する問題ではない。

 

 

中国にとって追い風ではない

また、米国による今回の強硬策は、中国にとって必ずしも追い風ばかりではない。むしろ、国際社会における中国の立ち位置を考慮すれば、それは「重荷」となる側面を強く持っている。 中国は近年、米国主導の既存秩序に代わる選択肢として、グローバルサウス諸国との連帯を極めて重視してきた。中国が主張する外交方針の根幹は「内政不干渉」と「主権の尊重」である。 もし中国が米国のベネズエラ介入に乗じ、今後台湾への軍事行動というオプションを選ぶならば、それは自らが批判してきた「覇権主義的な米国の振る舞い」と全く同質のものとして諸外国に映ることになる(中国にとっては内政問題ではあるが)。 グローバルサウス諸国から「中国も結局は力で他国を支配する大国に過ぎない」という疑念が広がれば、中国が長年かけて築いてきた国際的なソフトパワーと外交的基盤が崩壊しかねない。

アメリカの軍事力が抑止力に

さらに、中国の指導部は極めて現実的な計算に基づいて動く。今回のベネズエラにおける米軍の作戦遂行能力、すなわち、厳重に守られていたはずの大統領を瞬時に拘束し、国外へ連れ去ったという高度な軍事技術と決断力は、中国側にとってむしろ強い抑止力として作用する可能性を秘めている。 中国軍が台湾侵攻を検討する際、常に最大の不確定要素となるのは米国の介入意思である。トランプ政権が、国際的な批判を顧みずにこれほど過激な手段を行使したという事実は、台湾海峡においても米国が予想を上回る強硬な手段に出る可能性を中国に再認識させることになった。 無論、楽観視は許されない。米国が南米という「裏庭」の平定にリソースを割き、国内世論や軍事力が分散している隙を突いて、中国が独自に台湾への圧力を強めるシナリオは否定できない。 また、国際秩序が機能不全に陥り、ルールではなく力が支配する世界観が定着すれば、中国国内の強硬派が「今こそ好機である」と主張する根拠を与えることにもなりかねない。

 

 

 

 

台湾侵攻の蓋然性は高まっていない

結論として、

米国のベネズエラ介入は、既存の国際法秩序を著しく毀損し、

中国やロシアに対して誤ったシグナルを送ったことは事実である。

 

 

 しかし、

台湾を巡る情勢は、歴史的背景、軍事バランス、そして

グローバル経済への影響という点において、

ベネズエラとは性質を異にする複雑な課題である。

 

 中国が

グローバルサウスからの信頼失墜という

巨大なコストを払い、

かつ米国の予測不能な軍事反撃のリスクを冒してまで

台湾侵攻に踏み切る蓋然性は、

現時点では、高まったとは言い難い。

 

 国際社会は今、感情的な懸念に流されるのではなく、大国間の力の均衡と、それぞれの国家が背負う外交的リスクを精緻に見極める眼を求められているのである。

 

 【執筆:株式会社Strategic Intelligence代表取締役社長CEO 和田大樹】

和田大樹

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台湾侵攻を誘発する? アメリカによるベネズエラのマドゥロ「斬首作戦」が中台関係に与える影響

配信ニューズウィーク日本版

トランプが行った電光石火のマドゥロ拘束作戦は、中国に悪しき前例を示したのかもしれない

米軍の攻撃を受けたベネズエラの様子 Javier Campos/dpa-REUTERS

アメリカがベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領とその妻シリア・フローレスを拘束したとの報道は、中国のSNS上でも拡散され話題となった。 【動画】マドゥロ拘束が中台関係に与える影響とは ネットユーザーの間では、中国が将来台湾への斬首作戦を正当化する口実として、マドゥロの拘束を利用するのではないかとの憶測が飛び交っている。 しかし、長年中国をウォッチしてきた専門家の中には、この出来事が中国政府の台湾に対する判断に影響を与える可能性は低いと見る者もいる。 米ブルッキングス研究所中国センターのライアン・ハス所長「今回のベネズエラでの出来事が、中国政府の台湾に対する判断を劇的に変えるとは思わない。中国政府は国際法や国際的な規範への配慮から台湾への実力行使を控えてきたわけではない。暴力を伴わない威圧戦略を採ってきたに過ぎない」とXに投稿した。 「中国政府が台湾に対して軍事行動を起こす場合、アメリカの国際法遵守の実績が国際社会の反応を左右するわけではない。国際社会の大半はすでに、アメリカを国際法に一貫して従う国とは見なしていない」 本誌は、ホワイトハウスおよび在米中国大使館にコメントを求めている。 トランプ政権は今回のベネズエラへの急襲を「逮捕」と位置づけている。根拠として、2020年に出されたマドゥロ大統領に対する起訴状で、同氏がアメリカへの麻薬密輸の共謀に関与していたとされることを挙げている。 しかし、この攻撃が国際法およびアメリカ国内法に違反しており、議会への事前通告や承認なしに作戦が実行されたことは問題だと批判する者もいる。 中国外交部は今回のアメリカの攻撃を非難し、マドゥロ大統領とその妻の即時返還を求めるとともに、対話を通じた問題解決を呼びかけた。

台湾侵攻を見据える中国にとって好例になっている?

アメリカによるベネズエラ攻撃は中国のSNS上で大きな注目を集めている。ブルームバーグによると、中国のマイクロブログ「微博(ウェイボー)」での閲覧数は4億4000万回を超えたという。 「アメリカ帝国主義者による電撃的なベネズエラ攻撃とマドゥロ夫妻の逮捕は、人民解放軍が台湾に奇襲をかけ、頼清徳総統を捕らえるための絶好のモデルとなった」「問題を1時間で解決するなんて、なんて効率的なんだ」などの声がネットユーザーから溢れた。 中国政府は、事実上独立している台湾を自国の領土と主張しており、必要であれば武力による統一も辞さないとしている。一部のアナリストは中国の指導部が、ロシアのウクライナ侵攻などの他の世界的な火種に対するアメリカの対応を注視していると指摘する。 中国による軍事的圧力は徐々に強まっており、封鎖を想定した大規模な演習なども行われている。これにより台湾は国防予算の拡大を余儀なくされている。 また、アメリカによるベネズエラへの攻撃が中国に対し、台湾での類似行動を正当化する口実を与えると主張する専門家もいる。 台湾大学のレブ・ナックマン教授(政治学)は、「アメリカが中国に一方的な台湾侵攻の前例を与え続けていることに恐怖を感じる」とXに投稿した。

 

 

台湾政策は変わらない?

一方、アメリカによるベネズエラ攻撃が中国に悪しき前提を与えたという論に異を唱える者もいる。中国は今回の出来事を利用して、「無謀なアメリカ」と「国際規範を重視する中国」という中国有利な物語を強調しようとするだろうが、仮にアメリカが国際法を尊重したとしても、中国の台湾政策は変わらないという意見だ。 そもそも、中国の台湾に対する行動に国際法は関係ないとの指摘もある。台湾政府は国共内戦に敗れた後に中国本土から逃れてきた国民党によって1949年に樹立された政府であり、中国共産党はこの問題を完全に中国の内政問題と見なしている。実際、習近平国家主席は年末の演説で、台湾統一は「止めようのない流れ」であると改めて主張した。 シンガポール経営大学のヘンリー・ガオ教授(法学)は「中国がこれまで動かなかったのは、法的根拠がなかったからではなく、能力がなかったからだ。今回のアメリカのベネズエラにおける作戦が、中国に新たな法的正当性を与えることはない」とXに投稿した。

 

 

 アメリカは、習主席が人民解放軍に対し台湾奪取能力を備えるよう命じていると見ている。

しかし、今年あるいは今後すぐに台湾に対して行動を起こすとは限らないとも認識している。

 トランプは、

習が自身の2期目の任期中に台湾を攻撃しないと約束したと主張しているが、

中国側からその発言が裏付けられたことはない。

マイカ・マッカートニー

 

 

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