高市自民大勝は「若者の勝利」と「オールドメディアの敗北」 斎藤幸平氏が分析する新時代の選挙(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
高市自民大勝は「若者の勝利」と「オールドメディアの敗北」 斎藤幸平氏が分析する新時代の選挙
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東大准教授で経済思想・社会思想が専門の斎藤幸平氏が10日放送のBSフジ「BSフジLIVE プライムニュース」(月~金曜後8・00)に出演し、自民党が316議席(315+追加公認1)を獲得する歴史的勝利を収めた衆院選を振り返った。
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新党・中道改革連合は保守的な政策が目立つ高市政権への対抗軸として1月の衆院解散直前に結成。各選挙区で1万~2万の組織票を持つとされる公明党の票が立憲民主党の候補に流れれば、高市早苗首相が狙う自民単独過半数は微妙との予測もあった。
しかし公示前の167議席から3分の1以下の49議席にとどまる大惨敗。
斎藤氏は
「もともとの予想では中道が合体したから組織票が合わさればいけるんじゃないか、
みたいな話がまったく当てにならなかったっていうことで。
どこ行っちゃったんだろうな、組織票はっていう感じですけど」
と中道の“誤算”に言及。
高市旋風で自民が大勝したことも含めて今回の衆院選を
「2つあると思っていて。1つは旧来のやり方、予測が通用しなくなっている。
象徴的なのはオールドメディアの敗北だと思う」と分析。
高市首相が1日のNHK「日曜討論」出演を直前で取りやめたり
民放のインタビューに応じなかったことを挙げて
「それをやらないで、YouTubeで動画を流したりすれば
若者たちの支持につながっていくのであれば、
わざわざオールドメディアを相手にする必要がないっていう意味では、
これまでの権威みたいなものが大きく揺らぐ形になった」と述べた。
そして「じゃあ誰が勝ったのかというと
若者が勝利した、これはいいことだと思う」とし、
「日本はずっとシルバーデモクラシーで若者は選挙に行かない、
行っても変わらないじゃないかっていうのがあったが、
今回結果を見れば若者たちが支持した自民党が大きく得票を伸ばした」と指摘。
「彼らが期待しているのは日本の閉塞感を高市さんであれば変えてくれるんじゃないか、
そういう思いが結果に表れたっていう意味では…
私は残念ながら左翼だからこの結果には満足していないが、
全体としてみれば若者たちにという意味では良かったんじゃないか」
と自身の考えを述べた。
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合併効果を生かせず
第51回衆院選は12日間の超短期決戦を終えた。高市早苗首相(自民党総裁)は連立を組む日本維新の会との与党で過半数(233)の確保を勝敗ラインとし、立憲民主党と公明党のほとんどの衆院議員が合流して結成された中道改革連合(以下、中道)は比較第1党を目指したが、自民は単独で3分の2に到達し、自維でも352議席を獲得して全体の4分の3を超え、一方で中道は49議席と大きく明暗が分かれた。片や歴史的大勝利、片や歴史的大惨敗という結果である。
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中道結成直後には、ここまでの差がつくとは見られていなかったものの、高市官邸からは当初より「中道に対する脅威をさほど感じない」といった感触が聞こえていたがという。
その背景には何があったのか。
超短期の衆院選は自民の圧勝に終わった。
選挙公示前に急遽結成された中道は合併効果を生かせず、一敗地にまみれる格好となった。
軍師の存在
「官邸側からは選挙戦に入る前から“中道についてそこまで脅威には感じていなかったが、
予想以上に浸透できていない”とのメッセージは聞こえてきていました。
安倍政権時、国政選挙は連戦連勝で、その際に“軍師”として尽力したのが今井尚哉氏(当時、
首相の務秘担当の秘書官など、現・内閣官房参与)でした。
今回の解散劇を演出したのも今井氏で、中道についても今井氏は“それほどでもない”と見ており、実際その通りになりましたね」
と、政治部デスク。
2017年9月、当時の安倍晋三首相は消費増税の使途変更について国民に信を問うとし、「国難突破」と名付けて解散を表明したが、東京都の小池百合子都知事は同日、希望の党を立ち上げ、自らの代表就任を発表した。
最大野党の民進党(代表:前原誠司氏)は希望の党への合流方針を決定。
野党再編の動きが進み、非自民勢力結集への期待が高まっていった。
敗者連合
「その時の小池氏の動きについて安倍氏は意表を突かれ、相当焦っていたことを記憶しています。
軍師の今井氏も同様だったと思います。
結果的に小池氏が自身に反対する勢力を“排除いたします”と宣言したことが失速を招きし、
自公与党は選挙に大勝したわけですが、あれがなければ結果は変わっていたかもしれません」(同)
解散が確定的になったタイミングで野党が「かたまり」になるという構図は今回も同様だが、
脅威ではなかったというのはどうしてなのか。
「官邸が新党結成まで察知していたとの報道もありましたが、その真偽はともかくとして“中道は弱者連合だ”という見方でしたね。
もともと立民も公明も方向性を見失っていた者同士であり、そういう政党がひとつになったところで
組織力を生かし切れず相乗効果が表れてこないということです」(同)
内閣不信任案を出せない
立民については仮に解散がなく通常国会が例年通りに開かれたとして、そこで内閣不信任案を出せないのではないかと見られていた。
「立民の代表だった野田佳彦氏は以前から“うまく行かない”というのが口癖で、党運営に不満を漏らし、
立民が自民に取って代わる存在になり得ないという見方をしていました。
安全保障や原発などの政策についてなかなかひとつにまとまることができていませんからね。
不信任案を出して解散されてしまえば党勢は縮小してしまう可能性が高いため、
不信任案の提出に二の足を踏むだろうということですね。
中道が結成された今回の選挙では政権交代を訴えることができず、その点も物足りなさを感じさせました」(同)
一方の公明は昨秋、26年にわたる自民との連立を解消。
その影響が注目されていたが――。
「ざっくり言うと、支持母体・創価学会の会員は
選挙に駆り出されるたびに
意に沿わない候補を応援することに悲鳴をあげ続けていました。
公明・学会の執行部はそれを
なだめながら選挙活動に携わってもらい、
連立政権を維持してきたのですが、
説得も限界に達し、連立離脱ということになったわけです。
高市氏が打ち出す政策を
各学会員が真正面で受け止めて共に歩んでいく姿を
学会の執行部が想像できなかったということでもあります」(同)
ブレーキ役の独りよがり
中道の結成については石破前政権時代から水面下で動いていたとの報道もあった。
「『石破おろし』がなければ公明の連立離脱はなかったでしょうね。
組織防衛のために連立離脱を決めたわけですが、
野党に転じてどういうスタンスで与党と対峙するかハッキリできていませんでした。
政策立案の面でも際立ったものを打ち出せず、そういった点は
斉藤氏ら執行部の見通しの甘さ、アイディアのなさからくるものだと
学会側から厳しく指摘されています」
公明は自民のタカ派色の強い政策についてブレーキ役を担ってきたと常に胸を張ってきた。
「確かにそうですが、その独りよがりなところも否めず、
“公明の主張には今の時代に見合ったリアリティがない”
“込まれるブレーキを踏むことでむしろ日本が戦争に巻き可能性が高まっているのではないか”などと
苦々しく思っていた人たちは自民支持層だけではなく無党派層にもおり、
特にそういった層を自民は今回うまく拾えていたと見ています。
そこは学会の執行部が見誤ったところでしょう。
自民はこれまでの公明・学会票が離反しても
それを大きく上回る票を別のところから持ってくることができたと言えると思います」(同)
行き先や見通しを見失った弱者連合では
太刀打ちできる戦いではなかったのだろう。
デイリー新潮編集部
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