習近平が落ちた「長期“没落”の罠」…!「校内暴力」と「暴走族」があいつぐ中国で、「愛に飢えた若者たち」の間で起こり始めた「異変」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

 

習近平が落ちた「長期“没落”の罠」…!「校内暴力」と「暴走族」があいつぐ中国で、「愛に飢えた若者たち」の間で起こり始めた「異変」

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現代ビジネス

中国「国債バブル」で鮮明に!生贄にされる若者たち

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 低迷する中国経済が、立ち直るのはもはや不可能かもしれない。  習近平国家主席の経済失策は、のちのちまで大きな禍根を残すことは、明白だ。 【写真】これはヤバすぎる…!中国で「100年に一度の大洪水」のようす  前編「中国経済は終わった…! 経済長期大低迷を示す「国債バブル発生」でついに明らかになる「習近平の大罪」」で、紹介したように中国国債の金利は歴史的な低水準となり、「国債バブル」が発生している。  国民の消費意欲が後退したことで極度の需要不足に陥り、企業の投資活動が後退した。行き先を失ったマネーが国債に集中するのは、まさに長期停滞に陥った過去の日本がたどってきたのと同じ道だ。  習氏が罪深いのは日本の先例があるにもかかわらず、まったく同じ轍を踏もうとしていることだ。  そして、それは若者たちの人心を荒廃させることになるだろう。

若者の不満のはけ口を奪った「言論封鎖」

中国の若者たちはどこへ向かうのか…Photo/gettyimages

 中国の若者たちは生まれた時から日に日に豊かになる生活を享受してきたが、その状況が反転、「塗炭の苦しみ」を味わうようになっている。  若者たちの不満が募る中、当局の規制強化で自由な言論空間が急速に消失している。  6月4日付米ニューヨークタイムズは「中国でインターネットサイトの数が激減し、不都合な記憶や歴史が消し去られている」と報じている。中国ウオッチャーの間でも「中国で活発な討論の文化が失われた」ことがコンセンサスになりつつある(6月13日付日本経済新聞)。  自由な言論を失われた若者たちはどこにはけ口を求めればよいのだろうか。

中国で「暴走族」が大暴れしていた…

 上海市の復旦大学の卒業式で学生が教師を殴ったという「事件」が発生した。6月19日にネット上で動画が出回り、「不都合な真実」が明らかになった。  学生の動機は定かではないが、就職に失敗した腹いせだった可能性が高いだろう。上海市では若者によるレース用自転車による信号無視などの交通違反が日常的に発生し、市民生活を脅かす事態となっている。  自転車「爆走」集団の動きは中国各地で起きており、警察当局にとって頭の痛い問題となっている(6月17日付RecordChina)。  若者たちが暴力的な行動に出始めている証左だが、筆者は「この問題の根はさらに深いのではないか」と考えている。

 

 

 

「いじめ」の横行と「監視社会」

 日本であまり知られていないが、中国の小中高校で校内暴力といじめが横行している。

 

  今年3月に河北省で長期間いじめを受けていた13歳の男子生徒が同級生3人を殺害する事件が発生したことを受け、中国政府は対策の強化を余儀なくされている。  中国メデイアは「福建省などで校内暴力予防のためにトイレなどに『悪口探知機』が設置された」と伝えている。  学生の問題行動の要因の1つとして考えられるのは中国で蔓延する児童虐待だ。  国連児童基金(ユニセフ)によれば、中国の18歳未満の26.6%が家庭で身体的虐待を、19.6%が精神的虐待を、26%が親の育児放棄を受けているという。  このため、家族での愛情に不足している中国の子供たちは、ネット上で「愛情深い両親の姿」をコンテンツとして配信するインフルエンサー(デジタルペアレンツ)に救いを求めているというのだ(6月16日付クーリエ・ジャポン)。  愛情に飢えた若者たちは今後、国に救いを求める行動に出るのかもしれない。

よみがえる「文革の悪夢」

悪夢がよみがえらなければよいのだが…Photo/gettyimages

 中国の若い世代の愛国主義者は「小粉紅」と呼ばれ、その勢力は拡大中だからだ。

中国政府もこの動きに注目し、今年1月に愛国主義教育法を施行するなど愛国宣伝に力を入れている。

 

  「習近平国家主席が『文化大革命2.0』を志向している」と指摘されて久しいが、

文化大革命の運動母体は「紅衛兵(毛沢東を支持する青少年の組織)」だった。

 

経済発展から阻害されていた紅衛兵の怒りは

「人民の敵(地主や富裕層など)」に向けられ、

中国全土で凄惨な暴力事件が繰り広げられた。

死者は2000万人におよんだとされる。

 

  「文革の悲劇が繰り返す」と断言するつもりはないが、虐げられた中国の若者の今後の動向に細心の注意を払う必要があるのではないだろうか。  さらに連載記事『中国の若者たちの「習近平への怒り」が爆発寸前…! 海外投資家の「中国離れ」も加速する「深刻な実態」』でも、中国の深刻な状況についてレポートしているので、参考としてほしい。

藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)

 

 

 

 

 

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