瑩山禅師6,
「日本仏教思想史」から「道元」和尚を削除して、
その代わりに「瑩山」を用いて、再編成する必要がある!
道元は「自己の死苦の解決」が課題であり、
釈尊と同じだから「原始仏教」に回帰した。
「原始仏教」は、
「自己」は「実体」ではない。「現象・働き・出来事」である。
これは、日本人には、理解できなかった。
だから、
『嗣書=血脈図』は、「僧海」「義尹」などしか与えなかった。
「懐奘」にも「義介」にも、与えなかった。
二人は「日本天台宗、達磨宗派」で修業を完成し「嗣法」していたので。
つまり、
道元和尚の「原始仏教」への回帰は、日本の仏教史には、少しも影響を与えなかった。
「義尹」は、九州地方だけで布教した。
他方、
「義介」は、永平寺二世「懐奘」の命令で、
中国に渡って、最新の「中国禅、臨済宗」の伽藍と儀式を研究して、
日本に持ち帰って、「白山天台宗のルート」を使用して、
白山山岳の修験道も取り込み、
日本列島に大々的に布教した。
その教えの内容は、「天台密教」「日本天台本覚思想」であり、
「大日能忍による、無師独悟の、梵我一如の、お悟り」であって、
組織的に、大量の僧侶を育成して、
最後は、1万7千ヵ寺の大教団に発展させた。
つまり、現在の日本曹洞宗は、
「義介」禅師と、「瑩山」禅師と、この二人によって、築かれたものである。
道元和尚の「仏教思想」は、所謂「小乗仏教」「原始仏教」であり、
日本人は、「自己」を「実体」と考えるので、受け入れられなかった。
「僧海」「義尹」など、少人数だけが、理解できた。
「道元」和尚が、「薬山」禅師の時、十数人しか弟子がいなかったが、
それで、盛んだった、と言えるのだ、
と教える意味が、そこにある。
〇 〇 〇
要は、道元和尚と、瑩山禅師とは、「別の宗教」なのである。
両方共、歴史的であり、正統的であり、
両方共、同等であり、そして、正しい!
柳田聖山先生は、この瑩山禅師を、最上級で、評価なさっている。
そのこと自体は、正しい。
瑩山禅師こそが「日本の仏教」を完成させた。
空海も最澄も「中国の仏教」を、
輸入して「移植させた」だけである。
他方、
「無師独語」の天台密教僧「大日能忍」が、
「国産の仏教」を始めた。
それを、
「義介」禅師と「瑩山」禅師』と、
この二人が、花開かせた!
「日本仏教の最大の革命児」たちである!
〇 〇 〇
>ZIPさん
感謝です。
ただ、貴方の主張の「根拠」を示して、
反論をお願いいたします。
お互いに「根拠」示して、その弱点を、補強して、
ますます、確信に近づくことができますから。
議論の深まりは、その方法しかありません。
私の説明が不十分でした。
補足説明したので、それを読んだ上で、
再度、反論をお願いいたします。
宜しく、お願いいたします。
「心塵脱落」は『宝慶記』での「会話全体から」は、
如浄禅師は「塵・煩悩」を払う事を教えています。
道元は、会話全体が終わり、「心の塵」だと、解っているのに、
自坊に戻っての記録では「身心」に変えます。
なお、南方の中国語、寧波地域では、同じ発音になります。
五月に、南直哉・師に、直接、ご質問したのですが、
道元は「自性」を否定しているので、
「塵を洗い落とした心」のようなものが「存在し続ける」ことを、
否定するために、意図的に、変更した、
という主旨の、回答を教示されました。
自然と読むと、論理的に考えると、これしか有りえません。
これの反論を、「根拠」を示して、行って下さい。
「瑩山」禅師の偉大さを、日本人は知るべきです。
「道元」和尚の教え「原始仏教」は、少しも影響を与えなかった。
他方、
日本人の心である「ご先祖様への信仰、心の交流関係」
所謂「葬式仏教」、是こそが大切なのです。
道元は、一切、関心がない。
「在家」信者への葬儀は、一人も行わなかった!
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柳田聖山先生は、道元が「原始仏教」であることを、
ご理解していないから、頓珍漢なことを述べていらっしゃる。
しかし、道元自身に対する記述を、削除すれば、
残った、瑩山禅師に対する論述は素晴らしい。
如浄禅師は「心塵・脱落」なのであるから、
如浄禅師が、
「身心・脱落、(逆にした)脱落・身心」などと、
言うはずがない!
だから、
(道元の死後に)完全に「捏造された話」である。
「瑩山禅師のお悟り」を、補強する目的がある!
「純禅の道を求めて――白隠・隠元・道元」
1922年、滋賀県に生まれる。1948年、大谷大学卒業。
花園大学教授を経て、1976年、京都大学人文研究所教授。
現在、同研究所所長。
専攻、中国宗教史・中国思想。
主著『初期弾宗史書の研究』『達摩の語録』『禅語録』『禅思想』
『禅の山河』『夢窓』『一休――狂雲集の世界』『ダルマ』『中世漂泊』
『純禅の時代』など。
宗派別日本の仏教・人と教え 7
『曹洞宗』
1986/5/1 今枝愛真(著)
【主な編著書】『中世禅宗史の研究』(東京大学出版会、1970年)、