感謝です。
神ヤハウェは仰る
「復讐するは我にあり」
列島を縦断しながら殺人や詐欺を重ね、高度成長に沸く日本を震撼させた稀代の知能犯・榎津巌。
捜査陣を翻弄した78日間の逃避行は10歳の少女が正体を見破り終結、逮捕された榎津は死刑に―。
綿密な取材と斬新な切り口で直木賞を受賞したノンフィクション・ノベルの金字塔を
三十数年ぶりに全面改訂した決定版。
この悪の世界の、現実上の生きた主役が「犯罪」である。
文学の源泉だから、日本の文学ももっと早く、
悪の世界の探求に創作のエネルギーを集中させればいいのに、
と思っていたが、なかなかそうはならなかった。
──と、そこへ、この人を視よ、ではないが、この作品を視よ、と決定的な姿で出現したのが、
佐木隆三『復讐するは我にあり』だった。
犯罪と文学、というテーマに興味を抱いていたわたしは、早速読み、
日本にもとうとうこんな文学が誕生した、と喜ぶとともに、
犯罪ついて考えるためのいろいろのヒントを与えられた。
(解説・秋山駿)
『
彼女の方はその報復として、ネットで売った。
それが報復になるという思想が理解できない。
』