外信コラム 南北統一の邪魔者ではなくなった日本(産経新聞) - Yahoo!ニュース

 

外信コラム 南北統一の邪魔者ではなくなった日本

配信

産経新聞

3月29日、産経新聞とのインタビューで、北朝鮮拉致問題への関心を高めるために制作されたバッジを示す韓国の金暎浩統一相(時吉達也撮影)

韓国で北朝鮮政策を担う金暎浩(キム・ヨンホ)統一相に先日、インタビューした。拉致被害者ら北朝鮮に抑留された韓国人の救出を最優先に考えるとか、日本の支持や協力の上に南北統一政策を進めていくと強調する言葉を聞いて隔世の感がした。 「日本は拉致問題ばかり主張し、南北対話の邪魔をしている」。こうした声は韓国で南北融和を重視した文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代以前からよく耳にした。

 

 金統一相の主張を聞き、記者が2009年に韓国の大学院で客員研究員として学んでいた際、

教授の一人が漏らした「日本がうらやましい」との言葉を思いだした。

 

日本政府は、拉致問題という自国民の生命や安全にかかわる問題を最優先にし、

国家が持つべき当然の姿を示しているというのだ。

 

韓国では拉致問題を南北対話の障害とみる空気が強かった。

 

 米国では、トランプ前大統領にしろ、退任後のクリントン元大統領にしろ、

北朝鮮に拘束された米国人の救出に最優先で取り組み、解放を実現させた。

 

 日本でも、世間が拉致問題に冷ややかだった時期は長く、

横田めぐみさんの両親ら被害者家族のたゆまぬ訴えが政府を動かした。

ようやく拉致問題で共同歩調を見せ始めた日韓両政府。

北朝鮮への圧力によって解決の糸口をたぐり寄せてほしい。

(桜井紀雄「ソウルからヨボセヨ」」)

【関連記事】