要は、中東と米国との関係は複雑である!

相手に無知な、スパイを持たない、日本は介入してはならない。

 

米国は

昔「自働車社会なので、中東の石油が欲しい」から、介入!

今「シュールガス技術で、石油産油国になる」、輸出までに!

要は、

米国人の血を流してまで、必要な地帯でなくなった

 

イスラム教の世界に、キリスト教である「民主主義」の押し付けは、

不可能である。

 

フセインが「世俗国家」にしていた「イラク」は、

米国が強制した「普通選挙」によって、「宗教国家」に戻った。

 

 

 

”イランの術中にはまる米国とイスラエル”米国で「中東撤退論」が出た背景とイランの思惑と限界(Wedge(ウェッジ)) - Yahoo!ニュース

 

 

”イランの術中にはまる米国とイスラエル”米国で「中東撤退論」が出た背景とイランの思惑と限界

配信

Wedge(ウェッジ)

(Vladimir Koval/gettyimages)

 元米海軍副次官でヨークタウン研究所理事長のセス・クロプシーが、2月27日付けウォールストリート・ジャーナル紙掲載の論説‘The U.S. and Israel Play Into Iran’s Hands’で、イランは米国を追い出して中東の覇権を握ろうとしており、今回のガザの衝突は単なるイスラエル・パレスチナ紛争の再開ではなく、その後ろにはイランがいるので、米国とイスラエルは真剣にイランの脅威に対処しなければならないと論じている。要旨は次の通り。  イスラエルがガザのより深くに侵攻し、ヒズボラと戦端を開く準備をしている最中にイラン側のイスラエルと米国に対する戦闘も転機を迎えている。イスラエルと米国は、代理勢力を手足として用いるイランを真の敵であると認識するべきである。イランの代理勢力に対する米軍の空爆等ではなく、両国はイラク、シリア、レバノンにおけるイランの力を崩壊させなければならない。

 

 

 

  2021年以来、ハマスはイランが「抵抗の枢軸」と呼ぶ東地中海、レバノン、イラク、イエメンを結ぶ代理勢力のネットワークに完全に組み込まれている。これらの代理勢力は敵視するイスラエルと米国に対して団結していて、ハマス、パレスチナ・イスラム聖戦機構、ヒズボラはイランの革命防衛隊の監督の下で繰り返し行動している。イランとその代理勢力の脅威は、米国のみならず欧州、アジアにとって現実である。

 

  イランの目標は、

イスラム革命の輸出を通じて、地域的な覇権を中東で握り、

ユーラシア大陸で、欧州、ロシア、中国、インドと対抗し、

米国に対して、軍事的、政治的、経済的に挑戦することだ。

 

このようにイスラエルの(ハマスとの)戦いは、

大きな地政学的な意味を有するが、

バイデン政権は単なるガザでの新たな衝突と見なし、

紅海やイラク、シリアでの代理勢力による攻撃を余波だと考えている。

これこそイランの思う壺だ。

 

  イランは、米国が中東にいる限り米国との通常戦争で勝ち目が無く、

イスラエルを物理的に征服出来ないので、

米国に中東はあまりにも面倒なので中東から撤退するべきだと信じ込ませようとしている。

 

そして、米国が中東から撤退すれば、イランは、イラク、シリア、レバノンを一つの戦域とし、さらに西岸地区を組み入れ、ヨルダンを不安定化させ、さらに、代理勢力を使ってイスラエルを攻撃出来るようになり、

最終的にイスラエルに普通のユダヤ人が住めなくなるだろう。

しかし、イスラエルも米国もこのような事態を阻止しようとしていない。

 

 

 イスラエルと米国がイランに対抗するためには、このような代理勢力を維持するコストが高くつくことを分からせなければならない。そのためには効果が不十分な空爆では無く、より積極的にイランと代理勢力の要人を暗殺する必要がある。

 

  また、イランは資金を持っているが、イランに対して制裁の拡大、油価の低下等のマクロ経済政策的な対応を行うことで代理勢力を支援することを困難にすることが出来るだろう。

 

  問題は、イランの術中にどれくらい米国が嵌まっているかである。昨年の10月7日以降のイランの攻撃に対して米国は真剣に対応して来なかった。バイデン政権は、イランが代理勢力をコントロールしていないと嘘を言い続けて来た。その結果、米国は、麻痺状態に陥り、ただ、イラン側が圧力を強めている。 *   *   *

米国とイランの中東情勢への微妙な関係性

 1月にイランの代理勢力の攻撃で米軍兵士3人が死亡し、米軍が大規模な空爆で報復して以来、この論説を含めて米軍は中東から撤退するべきか否かについて議論がなされている。そもそも、2000年代初めのシェール革命で米国の中東産原油への依存度が劇的に低下し、その結果、米国の対外政策の中で中東の重要度が下がったことから米国の中東撤退論が出てきているのであり、バイデン政権下でアフガンスタンからの撤退等中東からの撤退が加速化していたところに昨年の10月、ガザでの衝突が始まった。

 

 

  イラン側は一貫して外部勢力(米国)の排除を主張しており、

ガザの衝突を契機に代理勢力を動員して米軍に対する挑発を高め、

出来れば米軍を撤退させたいという思惑がイラン側にはあるであろう。

 

しかし、より直接的には、これまで散々ハマスを支援してきて

、今回、イスラエルとその後ろ盾の米軍と衝突するのが怖いので

ハマスを見捨ててしまってはイランの面子が潰れるので何もしないという訳には行かないので、

 

米軍と直接衝突に至らないよう慎重に計算した上で

代理勢力を動かしているという事情の方が大きいと考えられる。

 

  米国は、米軍の撤退により動揺しているアラブ産油国を安心させるために

イスラエルをこれらの諸国の安全保障に一枚噛ませる。

そのためにはイスラエルとアラブ産油国間の関係正常化が必要なので、

昨年、必死になってイスラエルと大国サウジアラビアとの国交樹立に奔走したが

今回のガザの衝突でこの戦略は当面、困難になったと思われる。

 

 

 

 

 パレスチナ問題は風化が進んでいるが、それでも

数カ月で3万人のガザのパレスチナ人が殺されるという大惨事の前では、

サウジアラビアをはじめとするアラブ産油諸国の指導者が世代交代により、

アラブの大義(パレスチナ問題)より自国の国益を優先しようとしても

情緒的な国民の反発を招くので不可能だということである。

続くフーシ派の紅海での“妨害”

 なお、米軍が大規模な報復を行って以来、

フーシ派を除いて代理勢力は大人しくなった様に見えるが、

3月1日のイランの国会議員選挙が終わるまでイラン側が内政で忙しかった可能性があるので、

これで代理勢力の挑発が止まったと見るのは時期尚早だ。

 

  さらに、3月2日、フーシ派の攻撃で初めて商船が沈没したが、

同派の船舶攻撃がますます紅海の安全航行を脅かしていることには要注意であろう。

フーシ派は空爆で屈服しない可能性が高いが、

米英には空爆以上のオプションは無く、手詰まり感がある。

 

スエズ運河の航行料が主要外貨収入の一つであるエジプトの経済状況の悪化も懸念される。

 

  イスラエルがヒズボラの攻撃を止めるために6月にもレバノン侵攻作戦を行うという観測が出回りだした。

 

ガザの衝突が続く中で非常識に見えるが、

ユダヤ国家の安全を脅かす存在は許さないというイスラエルの国是からすれば、

起きてもおかしくないと考える。

岡崎研究所

 

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