日本は、2100年に向けて、

人口8千万人」で定常化を、維持せよ!

江戸時代は「人口7千万人」で定常化を。維持してきた。

 

日本人としての「こころ」と「文化」と「言葉」とを、

永遠に残すことで、充分である。

要は、平和な日常を手に入れれば良いのだ。

 

ガラパゴス化こそが、最先端の戦略である!

米国こそが、現代における「反面教師」である!

 

 

なぜ「未来予測」は当たらないのか? 「メガトレンド」と社会課題の関係(JBpress) - Yahoo!ニュース

なぜ「未来予測」は当たらないのか? 「メガトレンド」と社会課題の関係

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 不確実性が高まるなか、未来予測に基づくビジネスがますます困難を極める現在。一方で、世界は地球温暖化や人口問題、エネルギー問題、国際秩序の変容といったさまざまな難題に直面しており、そこには間違いなく未来を拓く「商機」が潜んでいる。本連載では『グローバル メガトレンド10――社会課題にビジネスチャンスを探る105の視点』(岸本義之著/BOW&PARTNERS発行)から、内容の一部を抜粋・再編集。起業や新規事業の創出につながる洞察を得るべく、社会課題の現状を俯瞰・分析する。

 

  第1回目は、コロナ禍のような「短期的な波」との違いを明らかにしながら、

「長期的な大きな流れ=メガトレンド」とは何かを解説する。

 

 ■ 長期的な流れと短期的な波の違い

 

  ■コロナ禍は短期的な波

 

  2020年2月28日、安倍首相(当時)は、全国全ての小中学校や高校などに3月2日から春休みに入るまで臨時休校とするよう要請し、さらに4月7日には最初の緊急事態宣言が7都府県(16日には全国)に出され、日本の多くの学校は登校禁止になってしまいました。  この時期に学生だった皆さんは、本来望んでいたような学生生活を送れず、長期間にわたって不自由な状態に置かれてしまったことでしょう。  このコロナ禍は、多くの人々に甚大な影響を与えました。大学を9月入学にしたらよいのではないかという検討が政府で始まったとも2020年4月頃に報じられましたが、そういう検討をしていた人々の目論見は大外れとなり、2023年5月(感染法上の分類が2類から5類へと変更)にいたるまで約3年もの間、日本ではコロナ禍による行動制限が続いてしまいました。  9月入学案というのは、コロナ禍が夏頃に終わったら(高校3年生の1学期を秋から再開したとして)、翌年の夏前に入試をすればいいという着想だったのでしょうが、そんなに早くは終わらなかったわけです。  3年も続いたわけですから、コロナ禍を長期的な出来事ととらえている人も少なくないかと思います。しかし、3年というのは「短期的な波」の分類に入れるべきものです。コロナ禍で外食や旅行の業界は大打撃を受けましたが、2023年5月以降、これらの業界の需要は回復し、逆に大幅な人手不足になりました。  3年程度で不景気から好景気を繰り返すというのは、割とよく起きていることです。好景気だと商品がよく売れるので、小売店などにある在庫が適正水準より下回るようになります(そうなると欠品が起きて、買いたいお客さんが来ても売るものがないということになります)。すると、小売店はメーカーから商品仕入れを増やそうと注文を増やします。その注文を受けたメーカーは増産の手配をしますが、実際に出荷が増えるまで若干の時間のずれが生じます。  どうにか小売店の在庫が適正水準に回復できたとすると、今度はメーカーが増産を続けてしまって適正水準以上に在庫が増えてしまうので、小売店は注文を絞ります(こうした在庫水準の変動による景気変動の波のことを経済学者キチンの名をとって、キチンの波と呼びます)。こうした波は3年程度(正確に何か月になるのかは、波のたびに違うので予測が難しいようです)で起こると言われています。  ちなみに、景気のサイクルには、このほかに企業の設備投資が10年程度で増えたり減ったりするサイクル(ジュグラーの波)、建築需要が20年程度で増減するサイクル(クズネッツの波)、大きな技術革新が起こる50年程度のサイクル(コンドラチェフの波)というものもあります。  コロナ禍は、結局のところ、過ぎれば元に戻るという側面が大きく、変化がそのまま定着するわけではありません(テレワークも結局定着したとは言えませんでした)。なので、振れ幅がものすごく大きくて、多くの人々に甚大な影響は与えたものの、やはり「短期的」な「波」なのです。

 

 

 

 ■技術革新などは長期的な流れ

 

  先ほどちょっと触れた「コンドラチェフの波」は、大きな技術革新が数十年に一度程度の割合で出現し、人々の生活を大きく変えるという現象を指しています。例えばジェームズ・ワットが1769年に発明した蒸気機関は、のちの産業革命につながる大発明でした。  エンジン自動車は1885年にダイムラーによる特許出願があり、1908年にヘンリー・フォードが最初の大量生産(モデルT)に成功しました。世界初の原子力発電所が稼働したのは1951年のことで、インターネットが商業用に使われ始めたのは1989年のことでした。  このような大規模な変化は、元に戻ることがありません。いったん大きな変化が起こると、その影響は数十年も続くこともあります。蒸気機関は、蒸気船や蒸気機関車という移動手段の革命を起こし、さらに工場での大量生産も可能にしました。  この変化が元に戻ることはなく、移動手段はより高速化し、大量生産や工場自動化はさらに進んでいきました。インターネット以降のデジタル化の流れは止まることがなく、スマートフォンがさらに進化することはあっても、昔の通信手段に戻るなどということはないでしょう。  技術革新は、何らかの必要性があって起こるものです。便利な商品を使って豊かな生活をしたいという人々の願いがあったからこそ、様々な商品の大量生産を行うことが必要になり、その工場で大量のエネルギーを使う必要性があったからこそ、動力源としての蒸気機関(ボイラー)という技術革新が起こったのです。  人々が長距離を短時間で移動し、貨物を長距離運送したいという願いがあったからこそ、蒸気船や蒸気機関車、エンジン自動車、飛行機などの輸送手段が登場してきたのです。なので、このような変化は「波」(元に戻って繰り返す)ではなく「流れ」(元には戻らない)と呼ぶべきなのです。  ■環境問題なども長期的な流れ  地球温暖化が問題として取り上げられるようになったのは、1985年の世界会議(フィラハ会議)であり、1988年の「気候変動に関する政府間パネル」設立以来とされています。  「気候変動枠組条約」が国連総会で採択されたのは1992年です。この問題は取り上げられ始めてから、世界的な流れになるまでに20年以上かかりましたが、今では引き返せない流れになっています。  なにしろ今すぐに二酸化炭素排出の削減を始めたとしても、50年後、100年後の地球温暖化を「減速」させることにしかならないわけですから、今後ずっと続いていく「流れ」ということになります。

 

 

 

 

 高齢化問題も、長期的な流れです。

日本だけではなく世界の多くの国で、少子化が始まっており、寿命もどんどん延びています。大量に子供が生まれるとか、大量に高齢者が死亡するなどのことが起きない限り、高齢化問題は今後数十年(またはそれ以上)続くことが想定されています。

 

 

  実は、このような大きな社会課題は、今後ずっと続くことがすでに想定されています。それがこの本の第3章以降で紹介する10のテーマになるのですが、これらは全て長期的な大きな流れ(英語ではメガトレンドと呼びます)なのです。

 

  なにしろ今後数十年(控えめに見て30年)も続く流れなのですから、これの予測を大きく間違うということはほぼありません。逆説的に思えるかもしれませんが、社会課題に関する長期的な大きな流れの方が、短期的な波よりも、予測が当たるということなのです。

 

  「未来予測」は当たらないとよく言われるのですが、その理由の一つは、3年程度の短期的な未来は予測しても当たらないことにあります。感染症だけでなく、戦争が急に起きることもあります(戦争そのものは、さすがにいつか終わるので「波」に分類できるものです)。

 

  天候不順による農作物の不作も予測は難しいですし、為替や金利などの経済条件について3年先を予測しても当たりません。先進国での選挙でも予想外のことが起こります(トランプ氏が大統領になったり、イギリスがEUを離脱したり)。しかし、長期的な社会課題は、急に消えたりはしませんから、予測可能です。  「未来予測」が当たらないもう一つの理由は、技術革新を当てることが難しい点にあります。例えば、電気自動車は1830年代に発明されていて、1890年代には、自動車の有力な技術の一つだったそうです(蒸気機関、内燃機関と電気の三つ)。  しかし、ヘンリー・フォードがモデルTという自動車の大量生産を成功させたことにより、一時は全世界の自動車販売の50%が同社製となり、内燃機関(エンジン)という技術が急速に普及して、電気自動車という技術は表舞台から姿をいったん消してしまいました。  エンジンが急速に低コスト化するということは、それ以前には予想できていなかったことですが、フォードが前代未聞の大量生産に踏み切ったことで実現し、世界を席巻したのです。このような技術革新は、予測してもなかなか当たりません。

 

 

  とはいうものの、長期的な社会課題だけならば、予測可能なのです。短期的な波の予測は当てられなくても、30年先のこととなれば「元に戻る」波が10回くらい繰り返されるだけですから、波の影響はあまり関係なくなります。

 

  むしろ、今起きている社会課題が、今後数十年ずっと続いていくわけですし、その影響力が非常に大きいので、これについてきちんと考えるべきなのです。なので、この本では長期的な流れとしてのグローバルな社会課題について見ていくことにします。

 

  「未来予測」を当てにいくことはしませんが、課題のありかを示すことができれば、どこに「追い風」が吹くのかは当たるでしょう。

岸本 義之

 

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