アメリカで増加する「無宗教の人」とは一体どんな人たち? ── 最新調査(海外)(BUSINESS INSIDER JAPAN) - Yahoo!ニュース

アメリカで増加する「無宗教の人」とは一体どんな人たち? ── 最新調査(海外)

配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

Jeffrey Greenberg/Universal Images Group/Getty Images

ピュー・リサーチ・センターの最新報告には、無宗教のアメリカ人に関する新たな洞察が含まれている。

 

 いわゆる「nones(無宗教の人)」はここ何十年も増加していて、今ではアメリカ人の30%近くを占めている。

 

 調査の結果、それでも

多くの「無宗教の人」が「神」や「大いなる力」を信じていて、

自分は「スピリチュアル」だと認識している人も少なくないことが分かった。

 

 アメリカではここ数十年、信仰する宗教を持たない「無宗教の人」が増加していて、信仰心の低下が国にとって何を意味するのか、疑問と懸念を呼んでいる。

 

 ピュー・リサーチ・センターが先週公表した最新の報告書は、

こうした「無宗教の人」が実際はどのような人々なのか新たな光を当て、

彼らが全員「宗教」や「神」を否定しているという一部の認識を根底から覆している。

 

 

 同研究所の2023年の調査では、

アメリカ人の28%が「無宗教」だった

(信仰している宗教を尋ねて、自らを「無神論者」「不可知論者」「特にない」と回答した人を含む)。

 

これは2007年の16%、

1972年の5%に比べると増加している。

 

 「無宗教の人」のうち、

最も多かったのは「特にない」と答えた人で63%だった。

 

「不可知論者」と回答した人は20%、

「無神論者」と回答した人は17%だった。

 

「無宗教の人」はそうでない人に比べて

若い傾向があり、自分を「リベラル」だと認識する可能性が高い。

男女比はほぼ半々で、人種の内訳も信仰する宗教を持つアメリカ人とほぼ同じだった。

 

ただ、「不可知論者」と「無神論者」は白人男性が多い。

 

 ただ、信仰する宗教を持っていなくても、

聖書で描かれる「神」ではないというだけで、大半の「無宗教の人」が「神」や「大いなる力」を信じていると答えている。

「無宗教の人」の半数が自分は「精神性を重要視している」あるいは「スピリチュアル」だと認識しているという。

 

 「無宗教」である具体的な理由を尋ねたところ、

60%が「多くの宗教の教えに疑問を持っている」とし、

47%が「宗教団体が好きではない」と答えた。

 

「宗教の必要性や時間がない」と答えた人も約44%いた。 とはいえ、「無宗教の人」が皆、宗教に対して反感を持っているわけではない。43%が「宗教は益となるよりも害となる」と答えた一方で、41%は「益も害も同程度」と答えた。「無宗教の人」の80%は「宗教は分裂と不寛容を引き起こす」という意見に同意した一方で、58%は「宗教は人々に人生の意味と目的を与えることで社会の役に立っている」と答えた。 

 

 

「一部の『無宗教の人』は宗教に対して非常に否定的な見方をしているが、『無宗教の人』全体としては、あからさまな反感というよりは複雑な見方を示している」と報告書はまとめている。

 

 また、ピュー・リサーチ・センターの調査では、「無宗教の人」は一般的に、信仰の厚い人よりも市民社会や政治への関与がやや少ないことも分かった。ただ、「無神論者」と「不可知論者」ではその差はなくなり、同じくらい、場合によってはそれ以上に市民として社会に関わっていた。 「投票やボランティアといった市民としての行動が比較的少ないのは、『特にない』と回答したグループだけであることが多い」と報告書は指摘している。 ただ、信仰の厚い人の中でも教会に定期的には通っていない人の60%近くと比べると、「無宗教の人」でここ1年の間にボランティア活動をした人の割合はほぼ同じだった。

 

 報告書は、2023年の「無宗教の人」の割合は2022年の31%から3ポイント減少したとしつつも、「無宗教の人」の増加がいよいよ頭打ちになったと判断するのは早すぎるとも指摘している。

 

 ピュー・リサーチ・センターによると、今回の報告書に使用されたデータの大半は、2023年7月から8月にかけて回答者1万1201人(全米から無作為抽出で集められたオンライン調査パネル「アメリカン・トレンド・パネル」の一部)を対象に実施した調査で入手したものだ。同研究所では「無宗教の人」と分類された回答者3317人にインタビューを行った。

Kelsey Vlamis

【関連記事】