北朝鮮、対南ラジオ放送を停波 正恩氏だけ神格化、日成氏と正日氏を尊ぶよう教え込まれた人民は許せるか(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース

北朝鮮、対南ラジオ放送を停波 正恩氏だけ神格化、日成氏と正日氏を尊ぶよう教え込まれた人民は許せるか

配信

 

 

夕刊フジ

金正恩総書記(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

■金正太郎氏リポート 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記による「韓国敵視」政策が激化している。南北統一を象徴する首都・平壌(ピョンヤン)の「祖国統一三大憲章記念塔」を破壊しただけでなく、対南ラジオ放送を停波し、ネット上の宣伝サイトも廃止したのだ。正恩氏は、祖父の金日成(キム・イルソン)主席や、父の金正日(キム・ジョンイル)総書記が目指した「民族大団結」を放棄したのか。フリーライター、金正太郎氏がリポートした。

 

  【写真】南北統一を象徴する「祖国統一三大憲章記念塔」が破壊されたという

 

◇ 「『自主、平和統一、民族大団結』という表現を削除すべきである」

 

「『祖国統一三大憲章記念塔』を除去し、わが国の民族の歴史に『統一』『和解』『同族』という概念を完全に除去すべきである」 正恩氏は15日、最高人民会議(国会に相当)でこう演説した。昨年末から、日米韓の連携を重視し、対北政策で妥協しない韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を敵視してきたが、ついに建国以来の基本政策の消去に踏み込んだ。 父・正日氏が設置した高さ約30メートルの記念塔を破壊する直前にも、北朝鮮ウオッチャーを驚かせる異変があった。 12日午後9時のニュースを最後に、1951年から73年も続いた対南宣伝用のラジオ放送「平壌放送」を停波したのだ。 日本の情報当局関係者は「ネットがない時代、北朝鮮の貴重な情報源としてかじりついていた。電波の出力が異様に強く、日本にいる工作員向けに指令を下す『乱数放送』を流すことでも有名だった」と解説する。 このほか、「朝鮮の今日」「わが民族同士」「統一のこだま」という複数の対南宣伝サイトも一斉に閉鎖された。一部は動画ニュースや音楽、写真集といった独自コンテンツを制作し、X(旧ツイッター)やインスタグラム、ユーチューブに投稿するほど活発な宣伝活動を展開していた。 いずれも朝鮮労働党傘下の対南工作および情報機関「統一戦線部」が関わる事業(工作)だった。 統一戦線部は、正恩氏の祖父・日成氏のツルの一声で発足したとされる。「高麗民主連邦共和国」という統一国家の樹立や民族大団結を目指した組織で、父・正日氏、正恩氏が継承していた。

 

 

 

実は、北朝鮮では新年早々、正恩氏だけを神格化させるような発信があった。

平壌で1日未明、新年慶祝大公演が開催され、朝鮮中央テレビが3日、録画放送した。

番組では、北朝鮮歌謡の定番曲「この世に羨(うらや)むものはない」を子供や女性歌手らが合唱したが、

歌詞が「私たちの父 金日成元帥様」ではなく、

「金正恩元帥様」に替えられ、字幕でも強調されていたのだ。

これまで、日成氏と正日氏を徹底的に尊ぶよう教え込まれた北朝鮮人民が、

偉大な業績に泥を塗るような正恩氏の行動を素直に受け止めるのか。

注目が集まる。

 

 

 

【関連記事】